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「用量用法」を広告で表現するには 薬機法・景表法を解説

「用量用法」を広告で表現するには 薬機法・景表法を解説

「用量用法」を広告で表現するには 薬機法・景表法を解説「用量用法」を化粧品や健康食品の広告で表現する場合、薬機法や景表法に基づいた適切な表現が必要です。化粧品と健康食品では規制される法律が異なるため、用量用法の表現方法も異なります。
化粧品は「用量用法」を広告に使用することができますが、健康食品の場合は薬機法違反になるため、「用量用法」を広告に使用することはできません。
しかしながら健康食品では、過剰摂取を防ぐために、表現を工夫して目安を表示することができます。化粧品や健康食品の広告で「用量用法」を表現する方法について、違反事例や言い換え表現と共に解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

「用量用法」とは

用量用法とは、医薬品の添付文書やパッケージ、処方箋などに書かれた服用量や服用時期です。「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」では、以下のように記載されていなければならない内容として定められています。

2 要指導医薬品、一般用医薬品その他の厚生労働省令で定める医薬品は、これに添付する文書又はその容器若しくは被包に、当該医薬品に関する最新の論文その他により得られた知見に基づき、次に掲げる事項が記載されていなければならない。
ただし、厚生労働省令で別段の定めをしたときは、この限りでない。
一 用法、用量その他使用及び取扱い上の必要な注意

出典:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)

ただし、虚偽または誤解を招くおそれのある事項や、保健衛生上危険がある用法、用量は記載できません。

第五十四条 医薬品は、これに添付する文書、その医薬品又はその容器若しくは被包(内袋を含む。)に、次に掲げる事項が記載されていてはならない。
一 当該医薬品に関し虚偽又は誤解を招くおそれのある事項

二 第十四条、第十九条の二、第二十三条の二の五又は第二十三条の二の十七の承認を受けていない効能、効果又は性能(第十四条第一項、第二十三条の二の五第一項又は第二十三条の二の二十三第一項の規定により厚生労働大臣がその基準を定めて指定した医薬品にあつては、その基準において定められた効能、効果又は性能を除く。)

三 保健衛生上危険がある用法、用量又は使用期間

出典:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)

化粧品は、医薬品と同様に、適切な使い方や使用量を守らないと身体に悪影響を及ぼす可能性があります。「用量用法」を載せる際には、承認を受けている範囲を超えないように記載することが重要です。
医薬品では、患者の年齢や体重、病気の内容などを考慮して、適した量や時期が決められています。用量用法を表示する理由は、病気の治療や予防を目的として、安全に使用するためです。
以下に、医薬品の用量用法をまとめておきます。

用量 ・1日分の量や回数 ・1回分の量
用法 ・何日分、何回分か(服薬日数、回数) ・服薬のタイミング ・投与方法、部位 ・投与量

これらを表記すると、健康食品などの医薬品ではないものでも医薬品とみなされ、薬機法の規制対象となるので注意しましょう。

化粧品で「用量用法」は広告でうたえる?

化粧品の広告では、「用量用法」を使用できます。
以下の文章は、「医薬品等適正広告基準」による、化粧品の用法用量に関する記載です。

用法用量についての表現の範囲の原則 化粧品等の用法用量について、承認を要する医薬部外品にあっては承認を受けた範囲を、 承認を要しない化粧品にあっては医学、薬学上認められている範囲をこえた表現、不正確 な表現等を用いて効能効果又は安全性について事実に反する認識を得させるおそれのある 広告をしてはならない。
医薬品等適正広告基準 第4の3(4))

用法用量を広告に使用する時は、虚偽広告や誇大広告にならないよう、認められている範囲の事実のみを伝えましょう。
さらに、以下のような表現は禁止されています。

・どんな使い方をしても大丈夫だと、消費者が間違えて意味を捉えかねない表現(安全性に関する表現) ・併用に関する表現 ・複数の用法用量がある場合、1つの用法用量だけ、特定の用法用量だけを強調する表現 ・「〇〇専用薬」という表現 ・「薬用」という文字を用いた表現

併用に関する表現では、化粧品を順番に使うことの表現は認められています。効果効能が変化してしまうような、混ぜ合わせるなどの表現は使うことができません。適正な使用を促すため、特に使用場面の広告では、化粧品の用法用量を明確に示す必要があります。
使用が認められていない表現に注意しながら、化粧品の広告を制作しましょう。

健康食品で「用量用法」は広告でうたえる?

健康食品の広告で「用量用法」を標ぼうすることはできません。健康食品は医薬品ではないので、医薬品的な用法用量を書くことは薬機法違反となってしまうからです。
具体的に例を挙げると、以下の内容は、健康食品で表示することはできません。

・1日の服用回数
・服用日数
・1回の服用量
・服用する時期
・医薬品的な服用方法

これらを明確に示す表現をすると、医薬品とみなされてしまい、薬機法の規制対象です。
用量用法を明確に示すのではなく、用量用法の目安を示す場合は、広告で標ぼうすることができます。
食品であることを明確に示した上で、食品の目安量を示した場合については、医療品とはみなされないからです。過剰摂取などによる健康被害が起こる可能性があるので、摂取量の目安が必要とされることもあります。
「用量用法」を明確に示すことは法律上できませんが、消費者の安全のためにも、摂取の際の目安を示しておくと安心です。

化粧品での違反事例

・「天然成分を使っているのでいくら使っても安全です」
・「〇〇と混ぜて」
・「ニキビ専用」
・「皮膚病専門薬」
・「婦人専門薬」
・「薬用効果」

言い換え表現(参考)

「ニキビ専用」→「ニキビにおすすめ」
「婦人専門薬」→「婦人用」

健康食品での違反事例

・1日分の量や回数を明確に示す表現:「1日3回」
・1回分の量を明確に示す表現:「1回2個」
・何日分、何回分か(服薬日数、回数):「7日分」、「10回分」
・服薬のタイミング:「食後に」
・服用方法:「オブラートに包んで」

言い換え表現(参考)

健康食品であることを明示した上で、用量用法の目安を示す表現は可能です。 食後、食前、寝る前など、服用する時期を表現することは避けましょう。

「1日9粒を3回に分けて」→「1日9粒を目安に、1日3回程度に分けて」
「毎食後、2粒ずつ」→「1日3回程度、2粒程度を目安として」
「オブラートに包んで」→「牛乳などに溶かして」

※違反事例、言い換え表現についてはあくまで参考として捉えてください。表現の違反等の判断については最新の情報を常にアップデートして頂くことが大切です。また、各都道府県の薬務課によって見解が異なりますので、ご理解頂きますよう宜しくお願い致します。

まとめ

「用量用法」を広告で表現する場合、薬機法や景表法に基づいた適切な表現が必要です。化粧品は「用量用法」を明示する必要があるため、広告に使用することができます。
使用が禁止されている表現に注意しながら、消費者の適正使用のために「用量用法」を記載しましょう。健康食品の場合は薬機法違反になるため、「用量用法」を広告に使用することはできません。表現を工夫して、目安を表示することはできます。
虚偽・誇大広告にならないよう注意しながら、「用量用法」を表現していきましょう。


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