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薬機法違反にならないためにSNSのPR案件で注意することとは

薬機法違反にならないためにSNSのPR案件で注意することとは

薬機法違反にならないためにSNSのPR案件で注意することとは

近年、SNSで化粧品や健康食品、エステなどを実際に利用して感想を投稿する「PR案件」が盛んに行われています。ただし、これらの商品やサービスについてのPR表現には、薬機法や景表法によって規制が設けられているのです。
また、PR案件であることを表示せずに行う「ステルスマーケティング」も問題になっています。
本記事では、SNSで化粧品などのPR案件を引き受けるときに注意すべき薬機法について解説します。

PR案件での過剰な表現は薬機法・景表法違反に該当

SNSでのPR案件によるマーケティングは近年ますます活発に行われており、特に化粧品はPR案件数が多いジャンルとして知られています。
ただし、化粧品に対して過剰なPRを行うことは虚偽・誇大広告として薬機法違反となる可能性があるため注意が必要です。
また、医師や医療従事者がその商品の効果効能を保証するような表現や、広告として不適切な内容を投稿することも薬機法によって禁止されています。

(虚偽・誇大広告等の禁止)

第六十六条 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。

医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の効能、効果又は性能について、医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、又は流布することは、前項に該当するものとする。

何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品に関して堕胎を暗示し、又はわいせつにわたる文書又は図画を用いてはならない。

薬機法第66条より引用)

化粧品の効能効果は、消費者庁が認めている56項目の範囲のみに限定されています。PR案件としてSNSで紹介するときも、この範囲を超えない表現方法を心がけましょう。

化粧品の効能効果として広告することができる事項は、後記の〔表3〕化粧品の効能効果の範囲に掲げる化粧品の効能の範囲とし、かつ当該製品について該当する効能の範囲とする。

化粧品等の適正広告ガイドラインより引用)

また、PRする製品の良さを過剰にアピールすること(優良誤認表示)、 事実よりもお得に購入できることをアピールすること(有利誤認表示)は景表法(景品表示法)違反となるため注意しましょう。

サプリメントPR案件で「○○に効く」表現は薬機法違反

サプリメントなどの健康食品は、法律上「食品」にあたります。
そのため、サプリメントのPR案件ではその商品が「○○を治療できる」など、医薬品のような効果効能を表現することは薬機法に違反するため注意が必要です。

(承認前の医薬品、医療機器及び再生医療等製品の広告の禁止)

第六十八条 何人も、医薬品若しくは医療機器又は再生医療等製品であつて、まだ承認又は認証を受けていないものについて、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはならない。

薬機法第68条より引用)

また、特定保健用食品や栄養機能食品・機能性表示食品については、効果や機能性について消費者庁長官から認められた内容のみの表示をすることができます。認められていない範囲での効能効果表現は同じく法律違反となるため注意しましょう。

薬機法は違反すると罰則や課徴金対象となる

薬機法の広告規制の対象は、広告に関連する「全ての人」と定められています。そのため、SBSでPR案件を投稿するインフルエンサーも薬機法違反によって罰則を受ける可能性があるのです。
薬機法第66条(虚偽・誇大広告の禁止)、第68条(未承認の医薬品の広告の禁止)に違反した場合は、2年以下の懲役または200万円以下の罰金、もしくはどちらも課されると定められています。

第八十五条 次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

四 第六十六条第一項又は第三項の規定に違反した者

五 第六十八条の規定に違反した者

薬機法第85条より引用)

さらに、インフルエンサーがPR案件だけでなく販売まで関わる場合は更に重い刑事罰が科せられる可能性もあるため、注意が必要です。
また、2021年8月には薬機法が改定され、課徴金制度も導入されました。課徴金は虚偽・誇大広告が対象となっており、その商品の違反していた期間中の売り上げの4.5%が徴収されます。

第七十五条の五の二 第六十六条第一項の規定に違反する行為(以下「課徴金対象行為」という。)をした者(以下「課徴金対象行為者」という。)があるときは、厚生労働大臣は、当該課徴金対象行為者に対し、課徴金対象期間に取引をした課徴金対象行為に係る医薬品等の対価の額の合計額(次条及び第七十五条の五の五第八項において「対価合計額」という。)に百分の四・五を乗じて得た額に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命じなければならない。

薬機法第75条より引用)

PR案件を依頼する企業側は、不適切な広告表現によって罰則や課徴金に加えて商品回収や広告中止などの損害が発生する可能性があります。PR案件に関わるインフルエンサーは、投稿する内容には十分注意しましょう。

ステルスマーケティング(ステマ)は景表法違反となる可能性も

インフルエンサーやYouTuberが企業からPR案件を受けたことを隠して商品の宣伝活動を行うことを、「ステルスマーケティング(ステマ)」と呼びます。
ステルスマーケティングは、消費者が広告であると認識できないことから、「インフルエンサーが良いと言っているから良い商品に違いない」と思ってしまいがちです。その結果、優良誤認表示として景品表示法に違反してしまう可能性もあります。

(不当な表示の禁止)

第五条 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。

一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの

景表法第5条より引用)

また、健康食品や医療サービスに関するステルスマーケティングは、消費者に適切な使用方法や効果効能がしっかり伝わらず、クレームや健康被害に繋がる場合もあるのです。
宣伝活動を行うインフルエンサーは、消費者とのトラブルを生まないよう、企業からPR案件を依頼された場合はフォロワーに分かりやすく伝えたほうが無難でしょう。

PR案件での不適切な表現は炎上に繋がることも

SNSでのPR案件は、法律に違反した広告表現を行うことが発覚すると大きな社会問題に発展する可能性も考えられます。
法律に違反する程の過剰な宣伝活動は、一時的に売り上げや知名度が上昇したとしても、フォロワーや消費者からの信頼を失ってしまいます。
インフルエンサーにとって、SNSでの炎上は自身のブランドにネガティブなイメージを与えるとリスクが考えられます。自分のキャリアを大切にするうえでも、PR案件での広告表現は法律を守り、トラブルの多いステルスマーケティングは避けましょう。

まとめ

SNSでは、PR案件で知らないうちに不適切な広告表現をしてしまわないよう注意が必要です。
薬機法や景表法に抵触する表現を行うと、罰則や課徴金の対象となるだけでなく、フォロワーからの信頼も失ってしまいます。
インフルエンサーマーケティングへの参入を考えている方は、PR案件として依頼される商品に関わる法律について、事前に最低限の知識を仕入れておきましょう。


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