近年、オーラル家の需要の高まりや、口元の美しさにこだわる方の増加で、歯磨き剤・歯磨き粉は化粧品OEMの中でも魅力的な市場になっています。
そのような背景から歯磨き剤・歯磨き粉の新規ブランドの立ち上げを検討されているのではないでしょうか?
しかし、初めてのOEMではわからないことばかりです。
そこで本記事では、歯磨き剤・歯磨き粉のOEMを初めて検討している方に向けて、歯磨き剤・歯磨き粉の種類とOEMで作る方法やポイントについて説明します。
OEMで作ることができる歯磨き剤・歯磨き粉
歯磨き剤・歯磨き粉はただ単に歯を洗浄するだけでなく、虫歯予防やホワイトニングなど美容・健康効果が付与されたものが人気です。
剤型もペーストやジェルなどあるので、ブランドイメージに合わせた効果と剤型を考える必要があります。
医薬部外品と化粧品
化粧品としての歯磨き剤・歯磨き粉は、物理的な歯ブラシの洗浄効果を高めるために、研磨剤や発泡剤などを配合したものを指します。
薬用と化粧品の違いは、医薬部外品の指定を受けた製品か、そうでないかの差です。
薬用の歯磨き剤・歯磨き粉には、症状の改善に効果が期待できる有効成分が含まれています。
この有効成分が入っているものが医薬部外品で、製品に「薬用」「医薬部外品」と表示できるようになり、化粧品より強く効果を訴求できます。
化粧品の歯磨き剤・歯磨き粉との大きな違いです。
医薬部外品の歯磨き剤・歯磨き粉
医薬部外品の歯磨き剤・歯磨き粉の代表的な効果です。
有効成分に分割ポリリン酸ナトリウムやヒドロキシアパタイトを含みます。
分割ポリリン酸ナトリウムは歯に付着した汚れを除去し、歯の表面をコーティングすることにより汚れの付着を予防します。
ヒドロキシアパタイトは歯の表面についた傷を埋めて汚れや着色が付きにくい滑らかな歯を作る効果があります。
研磨剤不使用か低研磨性の、歯茎に負担をかけない製品にします。
有効成分として、出血を止め炎症を抑えるトラネキサム酸や酢酸トコフェロール、細菌発育阻止作用があるβ-グリチルレチン酸などが処方されます。
有効成分は虫歯予防成分のフッ素やキシリトールが配合されています。
子供用歯磨きは必ずといっていいほど含まれる成分です。
歯磨き剤・歯磨き粉の種類
歯磨き剤・歯磨き粉は粉やペーストなどありますが、含まれる成分や使用用途に合わせて最適な種類を選ぶことが大切です。
- 練(ペースト)
練はペースト状の歯磨き粉で、研磨剤が60%以下のものになります。
最もラインナップが多いので、使い慣れている消費者も多いでしょう。
発泡剤が含まれているため良く泡立ち、大量に使用しなくても泡が口内の隅まで行き渡るのが特徴です。
泡と洗浄効果で口のなかがスッキリする感覚が一番強いです。
しかし、電動歯ブラシでは飛散しやすいので向かないことがあります。
- 液状(ジェル)
ペースト状の歯磨き粉よりも、粘着性の高いタイプです。
歯の表面や歯間に付着しやすく、薬効成分が行き渡らないという心配はほとんどありません。
泡立ちはないので、ペーストに慣れている方は磨いている気がしない、すっきり感が少ないと感じるかもしれません。
電動歯ブラシ向けや、ホワイトニング向きです。
泡が少なく歯磨き剤が残ることも少ないので、歯磨きに慣れていない、うがいのうまく出来ない子供向けにも適しています。
- 液体
研磨剤不使用で、見た目は洗口液とそっくりです。
しかし、洗口液ではないので、ブラシを使っての磨きは必要になります。
- 粉
粉タイプの歯磨き粉は研磨剤が90%以上配合されていて、ホワイトニング目的で使用されます。
- 潤製
潤製は研磨剤70%以上で、用途としてタバコのヤニ取りなど特殊なものが多いです。
- フォーム状
ポンプを使って最初から泡で出てくるタイプです。
きめ細かい泡が最初からできているため、歯磨き剤が無駄にならない、時短できるなどの長所があります。
口腔内の細かい部分にもしっかりと行き渡るため、長い間配合成分が効果を発揮します。
市場にはあまり出回っていないので、差別化になるかもしれません。
歯磨き剤・歯磨き粉の容器
容器も種類があるので、ブランドイメージに合わせて選択しましょう。
- チューブ容器
練(ペースト)や液状(ジェル)に使用します。
本体は脂チューブ、アルミチューブ、アルミラミネートチューブから選択します。
キャップはスクリューキャップと、ワンタッチキャップがあります。
- ボトル容器
液体タイプに使用します。
ディスペンサーになっていて1回分の分量を出せるものと、キャップのもがあります。
- アルミパウチ分包
1回分ずつ小分けにしてパウチしたものです。
試供品やアメニティ・旅行用製品にも使われます。
歯磨き剤・歯磨き粉をOEMで作るときのポイント
実際に歯磨き剤・歯磨き粉のOEMを依頼するためには、どのような会社を選び、どのような流れで製造すればいいのでしょうか?
ポイントはロット数と処方の豊富さです。
歯磨き剤・歯磨き粉は1製品あたりの容量が小さいので、ロット数はどうしても増えがちです。
さらに主流の薬用ハミガキは、さまざまな美容・健康効果を売りにしているため、処方にもこだわりたいですよね。
各ポイントを細かく説明していきます。
OEMのロット
歯磨き剤・歯磨き粉は、一個当たりの容量が小さく、小ロット生産は向かないと言われていますが、会社によっては数量1,000個ほどの小ロットでの対応も可能です。
ですが、経済ロットは3,000個以上になります。
3,000個を超えると容器や化粧箱など資材の選択の幅が広がりますので、コストと利益をよく検討して、納得のいく製品を作りましょう。
OEM会社の選び方
歯磨き剤・歯磨き粉をOEMで作るときの会社の選び方には3つのポイントがあります。
コストも大事ですが、初めてのOEMなら的確な助言を受けられてフォローの手厚い企業を選びましょう。
各種の歯磨き剤・歯磨き粉を長年製造してきている会社を選びましょう。
そのような会社は実績とノウハウが蓄積されていて、トレンドを熟知していたり、マーケティングデータを持っていたりします。
製法もしっかりしているので品質が信頼できます。
歯磨き剤・歯磨き粉は効果を謳(うた)った薬用ハミガキ剤が市場の中心です。
医薬部外品の処方が豊富であれば、ブランドイメージを高める効果をつけやすくなり、製品アピールに役立つでしょう。
初めてのOEMは販売予測が立てにくいため、小ロットからのスタートになります。
利益が低いからといっておざなりに対応しない、親身になってくれる会社を選んでください。
OEMの流れ
化粧品のOEM生産は以下のステップで行ないます。それぞれの段階で密にコミュニケーションを取ることで、納得のいく製品ができあがります。
- 打ち合わせ
- 試作品の提出
- お見積り提出
- ご発注
- 製造・納品
打ち合わせでは作りたい歯磨き剤・歯磨き粉のイメージや種類を決め、処方をすり合わせます。
それから試作品の提出とフィードバックが繰り返されて、製品の処方が決定します。
処方が確定したら見積もりを提出し、合意が得られたら発注となります。
発注を受けて製造が開始され、製品が納品されます。
まとめ
オーラルケアの重要性が認知されて、歯磨き剤・歯磨き粉のOEM生産のブランドも増えています。
本記事では、歯磨き剤・歯磨き粉を作りたいと考えている方に向けて、歯磨き剤・歯磨き粉の種類とOEMで作る際のポイントをご紹介させていただきました。
ぜひ参考にしていただき、素敵な歯磨き剤・歯磨き粉を作ってくださいね。