毎日のスキンケアに欠かせない日焼け止め。日焼け止めと一言で言っても、様々な種類のものがあります。この記事では日焼け止めの製作を考えている人向けに日焼け止めの効果や原料について、またOEMする際の流れやポイントをまとめました。
- 日焼け止めのOEMを考えているけど、どのようなものが作れるのか
- 日焼け止めのOEMの流れを知りたい
- 日焼け止めのOEMのポイントとは
悩んでいる方のために下記の記事で解説していきたいと思います。
紫外線の種類
紫外線は浴びることによって日焼けしたり、肌を老化させたりする美容の大敵です。近年は女性(もしくは男性)の美容意識の高まりにより、365日日焼け止めを使用しているという方も多いのではないでしょうか。紫外線は地球上に届く太陽光線の中でも、高いエネルギーを持つ波長が短い光のことです。紫外線には3タイプあります。
- UVA:肌の真皮層にダメージを与える(老化の原因となる)
- UVB:肌に炎症を起こして日焼けさせる
- UVC:オゾン層でほとんど吸収
UVCはオゾン層でほとんど吸収されてしまうため問題ありません。普段私たちは肌の真皮にダメージを与え、老化の原因となるUVAと、肌表面の日焼けを引き起こすUVBを浴びています。日焼け止めによってこの2つの紫外線が肌にダメージを与えるのを防いでいるのです。
「PA」と「SPF」とは
日焼け止めに書かれている紫外線防止効果を示す数値、「PA」や「SPF」とはどのようなものかご存じでしょうか。「PA」と「SPF」では防ぐことができる紫外線の種類が異なります。
「PA」: UVAをブロックする効果について数値化したもの
「SPF」:UVBをブロックする効果について数値化したもの
「PA」は「+」の数で4段階あり、「+」が多いほど防止効果が高まります。「SPF」は1~50の数値で表し、数字が大きいほど紫外線防止効果が高くなります。
数値が高い日焼け止めは紫外線を防ぐ効果の点では安心ですが、肌へ負担をかけてしまいます。日常生活や買い物程度であれば数値が低くても問題ないと言われています。数値の高いものを選ぶよりも、こまめに塗り直すことが大切です。
紫外線防止成分
日焼け止めに使用されている紫外線を防ぐ成分として「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」の2種類があります。ここでは「紫外線吸収剤」「紫外線散乱剤」それぞれの成分と特徴を紹介します
紫外線吸収剤
成分そのものが紫外線を吸収することによって紫外線を防ぎます。
紫外線吸収剤の代表的な成分
- オキシベンゾイン、オキシベンゾン₋4、オキシベンゾン₋5
オキシベンゾンは自然界にも存在する成分です。配合量に制限があります。サンゴを白化させる内分泌かく乱物質であるとして海外では規制しているところもあります。
- メトキシケイヒ酸エチルヘキシル
配合量に制限があります。サンゴの白化や環境ホルモンへの作用の懸念から海外では規制しているところもあります。
- t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン
きのこの一種であるシロキクラゲから抽出されます。配合量に制限があります。
メリット
- 白浮きしにくい
- 少量で紫外線防止効果が高い
- きしみにくく滑らかな使用感
デメリット
- 肌の上で化学反応が起こるので、敏感肌の方には刺激になる
- 血中に取り込まれることが示唆されている
紫外線散乱剤
紫外線を肌表面で反射させることによって紫外線を防ぎます。
紫外線散乱剤の代表的な成分
- 酸化チタン
酸化鉱物であるチタン鉄鉱を細かく粉砕してつくる白色顔料です。配合量に制限はありません。低刺激性でアレルギーを起こしにくいですが、白浮きしやすいという特徴があります。
- 酸化亜鉛
酸化チタンに比べ、低濃度でも高いSPF、PA効果が得られます。透明性が高く白浮しにくいのが特徴です。金属アレルギーの方は合わない場合もあります。
メリット
- 天然の無機粉末で環境に優しい
- 肌への刺激が少ない
デメリット
- 白浮きしやすい
- 使用感が良くない
どちらにも長所と短所があるため、顧客層や使用するシーンを想定して配合成分を決めていく必要があります。
オリジナルの日焼け止めを作るには
上記の事を踏まえたうえで、オリジナルの日焼け止めを作るにはどうしたらよいでしょうか。ここからは商品開発の流れを解説していきたいと思います。
コンセプトの決定
まず初めにすべき事は、商品コンセプトの決定です。
- どういう人がターゲットなのか(年齢層、性別)
- 作りたい商品
- ブランドイメージ
- 販売方法
- 予算
など具体的に使う人やシーンを想定し、それに合わせた商品展開、販路を用意する必要があります。また、どんな種類の化粧品を作りたいのか検討する必要があります。例えばスキンケア製品であれば化粧水、美容液、乳液などラインで揃えるのか、ひとつの商品に絞るのかによっても予算や販売方法が異なってきます。
化粧品OEM会社への依頼
具体的なイメージが固まったら、化粧品OEM会社に相談してみましょう。
オリジナルの化粧品を自社で研究開発から始める事は困難です。そんな時に頼りになるのが化粧品OEM会社です。化粧品OEM会社では試作から製造、容器の手配など化粧品づくりを1からサポートしてくれます。
化粧品OEMの流れ
①打合せ、企画
まずは打合せで希望やコンセプトなどをヒアリングし、どのような商品を作りたいか伝えます。そのうえで商品として成果が出るように具体的な相談にのってくれます。ロット数、コンセプト、販売ルート、希望の配合成分など細かな要望まで伝えましょう。
②試作
打合せの結果をもとに、開発チームが最適な処方、成分を検討し試作を行ってくれます。使いやすさや安全性などに配慮しながら、何度か試作を重ねます。試作は基本的には無料ですが、高価な原料を使用する場合などは費用が掛かる場合があるので注意が必要です。
③資材選定、デザイン
商品やブランドのイメージに合った容器やパッケージデザインを選びます。デザインは化粧品OEM会社のデザイナーの方に頼んで製作してもらうことも可能です。ロット数やコストを調整して、最適な容器を選びます。
④見積、契約、発注
予算に合わせて品目、仕様、生産方法、数量、納期などの見積もりを出してもらいます。
その後双方の合意が得られれば契約、発注となります。
⑤製造
原料や資材などの手配ののち、商品を製造してもらいます。その際薬事法や景品表示法に沿って必要な手続きを踏みながら製造していきます。
⑥検査、品質チェック、納品
製造後、品質に問題がないかどうか安全性試験を行います。基準をクリアしているか検査を行った後、指定した場所まで納品してくれます。
化粧品OEM会社の選び方
化粧品OEMの流れをつかんだところで、ではどのようなOEM会社に依頼をするべきなのか。下記にまとめてみました。
化粧品OEM会社によっては、製造できない種類の化粧品があります。また会社にもそれぞれ得意分野があります。製造できる場合にも過去の実績があった方が安心して依頼することができます。作りたい化粧品の種類や配合したい成分が決まっている場合には一度OEM会社に確認してみると良いでしょう。製造工場によっては取り扱っていない原料がある場合があるので、注意が必要です。
商品の販売価格と予算の検討をしてOEM会社に相談すると、予算内でどの程度の化粧品が製造できるのか具体的に提案してもらえます。特に初めて化粧品を作る場合には、在庫を抱えるリスクなどを考えると小ロットで始めたいと思う方が多いのではないでしょうか。化粧品の種類やOEM会社によって最小ロットが異なるので、心配な場合は小ロットから対応可能なところを探しましょう。
商品やブランドのコンセプトを化粧品会社ときちんと共有できるかどうかが、思い通りの化粧品を作るための重要なポイントです。商品が完成するまでには何度か試作を重ねてイメージする化粧品に近づけていきます。その時に改善点や要望などを的確に伝える必要があります。そのためにも、しっかり顧客の希望や要望を聞いてくれる会社を選びましょう。
まとめ
この記事では日焼け止めの効果や原料についてまとめ、OEMの流れ、OEM会社を選ぶ際のポイントについて解説してきました。商品を開発するにあたって販売価格や原料やパッケージのデザインなど、OEMする際に決めなければいけない事はたくさんあります。
現在は様々な種類の日焼け止めが販売されており、それぞれの商品にメリットとデメリットがあります。どのようなことを訴求したいのか明確にして、OEM会社に依頼することがポイントです。
OEMを検討されている方はぜひ一度、化粧品OEM会社に相談されることをおすすめします。