化粧品サンプル(試供品)は、商品の販売促進や、企業ブランディングをするうえで欠かせないツールです。
今回は化粧品業界でよく使われているサンプルの種類や配布方法、製造、委託するOEMメーカーの選び方について解説していきたいと思います。
化粧品サンプル(試供品)とは
化粧品サンプル(試供品)とは、消費者が商品を試すことができるように、企業が無料もしくは割引価格で提供するものです。
サンプルやお試し、トライアルとも呼ばれています。 試供品には、主に3つの効果が期待できます。
化粧品サンプルの効果
お客様は購入をする前に試供品を試すことで、自分の外観や肌、髪質に合うかどうか確かめることができます。「興味はあるけれど実際に使ってみないとわからない」というのお客様に購入の後押しをすることができます。
試供品を配布することで、より多くの方に自社ブランドの商品を知ってもらうことができます。もともと興味がなかった人たちも、使ってみてその良さを実感することで、購入に意識を向けることができるため、潜在顧客を発掘する効果も期待できます。
③マーケティング活動 試供品を配布することで、消費者の実際に商品に対する反応を直接確認することができます。消費者の声をもとに、商品の品質改善やその後と販売戦略の見直しをすることもできます。試供品配布はマーケティング活動の一つになります。
試供品の配布方法について
街角の試供品配布をよく目にすることが多いかと思いますが、最近では街角配布だけではない、様々な配布方法を行っています。試供品配布方法は以下になります。
街角で配布する目的は、「ターゲットを絞らず不特定多数の対象」に効果を実感してもらうということです。
街角でターゲットを絞って試供品を配布することは難しいため、もしもあなたが打ちたいコスメが30代~40代の肌トラブルを抱えやすい年代をターゲットにしているものだとしたら、この方法はおススメできません。
自社ホームページに、試供品の応募ができる「特設ページ」や「応募フォーム」を設ける方法もあります。
自社商品に興味を持ち、ホームページを訪れた人に具体的なアプローチをすることが可能です。
たとえば、ホームページやソーシャルメディア上で「乾燥肌が気になる方へ。応募すると先着200名様に発売前の美容液が当たる」と宣伝するとします。ホームページを訪れて応募する人は、普段から乾燥肌で悩んでいる人が応募してくる可能性が高いため、潜在顧客になりやすい人々に向けてアプローチすることができるというわけです。
試供品に加えてアンケートをとることでマーケティングにも活かせる
試供品の配布は、商品の宣伝はもちろんですが、先ほども言った通り、マーケティング効果も絶大です。試供品を配る際は次のようなアンケートをとるのがおススメです。
- 性別や年齢
- 使用後に肌の乾燥を感じたかどうか
- 香りは好みのものだったかどうか
- テクスチャーはどうだったか
- 実際に現品を購入したいか
- 普段使用しているコスメの価格
商品の品質改善や販売戦略の見直しにアンケートの回答結果を利用することができます。また、試供品の配布場所と売れ行きの関係性を検証することで、販売場所の見直しにもつながるでしょう。
ソーシャルメディアの活用
また、ソーシャルメディアを活用して、試供品配布の効果をより高める方法もあります。実際に試した人が感想を共有できるハッシュタグなどを作っておくと、試してくれた方の意見をすぐに収集することができるのでおススメです。また、FacebookやTwitterで「感想を投稿していただいた場合、購入時に割引いたします」など、投稿を促すような仕掛けも効果的です。
しかし、投稿者の中にはポジティブな内容だけではなくネガティブな感想を持っているお客様もいらっしゃいます。そういった意見には真摯に耳を傾け、迅速によくない部分を改善、対応していくことでブランドの向上にもつながります。
化粧品サンプルの製造について
ここまでは、化粧品サンプルについても大まかな概要をご説明させていただきました。続いては化粧品サンプルの製造についてです。
化粧品サンプルは販売促進や、企業ブランディングに欠かせないツールのため、サンプルの製造先には、専門性を持って自社にとって最適な提案をしてくれるOEM会社を選ぶことが大切です。
この記事では、化粧品サンプルの依頼をするとき、どのような会社を選べばよいか、抑えるべきポイントについて詳しく解説していきます。
サンプルに記載すべき表示内容と、製造を依頼するステップについても併せて掲載していきますので、依頼する際の参考にしてみてくださいね。
サンプル依頼のポイント
化粧品サンプルを化粧品OEMメーカーに依頼する際に抑えておきたいのが以下の4つになります。
まず気になってるOEMメーカーのこれまで作ってきた化粧品の実績を教えてもらいましょう。自社ブランドで作りたい化粧品と類似した化粧品の実績がある会社は。製造ノウハウを持っているため、安心して製造を任せることができます。また、一般的な化粧品が得意なメーカーも、オーガニック化粧品のように高い技術力が求められる製品の製造は苦手な場合もあります。 自社のブランドがどのようなこだわりがあり、それを叶えてくれそうなのか確認することをおススメします。
化粧品は直接肌に使用するもののため、安全性・品質には特に注意が必要です。化粧品のGMPの有無や、ISO認証の取得はされているかなど、事前に調べておく必要があります。 また、製造後の品質管理はきちんと行われているかも注意しておきたいです。原料や製造後の化粧品の定期的な検査が行われている会社は、品質管理が行き届いている証拠です。どのような体制で製造・販売していうのか、しっかりと調べておきましょう。
化粧品サンプルの製造は、ロット数もかなり重要なポイントです。発注費用と在庫を維持する費用のバランスを考えたロットを、経済ロットと言います。化粧品サンプルを製造するときには、小ロットかどうかよりも、経済ロットという考えを重視してください。検討中のOEMメーカーが、自社の経済ロット数に柔軟にタイプできるか、最適なロットを提案してくれるかどうかも問い合わせの際に確認しておきましょう。
化粧品サンプルの容器やパッケージデザインは、消費者が他社製品と比較検討する上で非常に重要な要素になってきます。また化粧品サンプルの容器には、薬機法により、成分などの表示内容も記載する必要があります。表示内容も含めて、外装まで責任をもって製造してくれるメーカーに依頼しましょう。
化粧品サンプルに表示しなければならない項目について
薬機法により、化粧品に必ず表記しなければならならい内容表示が定められています。以下の12項目について、容器への表記が必要です。
- 販売名
- 種類別名称
- 内容量
- ご使用方法
- 全成分
- 使用上の注意
- 製造販売元
- 問い合わせ先
- 原産国名
- 使用期限
- リサイクル表示
- 製造番号又は製造記号
表示内容には基本パターンがあるため、OEM会社に依頼して作ってもらうのが確実です。専門的知見からの作成が可能で、手間もかからないためおすすめです。
化粧品サンプルの製造の依頼ステップ
ここからは、化粧品サンプル製造を依頼するステップについて解説します。
①作りたい化粧品のイメージを考える
初めに、作りたい化粧品サンプルのイメージや数量、予算、発売予定時期などを考えます。どのような化粧品サンプルを作りたいのか、どのくらいのボリュームでいつまでに作るのかを決めることで、スムーズに問い合わせられます。配合を希望する成分がある場合には、製造会社が保有しているかどうかも依頼の決め手となります。
②OEM会社を探す
希望の化粧品サンプルに強いOEM会社を探しましょう。作りたいイメージに類似の化粧品の製造実績があるかが重要です。配合を希望する成分に対応しているか、原料を工場が保有しているかどうかもチェックしましょう。
問い合わせの際には、自社が希望するロット数に対応できるかも合わせて聞く必要があります。デザイン・表示内容・容器もOEM会社と相談したい場合は、ワンストップでサービスを提供している会社を選びましょう。
③OEM会社と相談しイメージを詰める
化粧品サンプルのイメージをOEM会社に伝え、細かい調整を行います。どういう製品を作りたいのか、ロット数や時期も含めて、要望を伝えて相談しましょう。 OEM会社からは、要望を踏まえた上で、市場で売るための提案があります。化粧品の効果やテクスチャ・容器の選定やパッケージデザインまで、ここでイメージを詰めて、製造費用や納期まで落としこみます。
④初期サンプルの製造
化粧品サンプルを依頼したのち、OEM会社が実際に製造を行い、初期サンプルが手元に届きます。販売したい化粧品サンプルのイメージ通りの製品かどうか、伝えた要望が製品に反映されているか、実際に使用して評価しましょう。担当者だけでなく、多くのスタッフや知人にも、使用した感想を聞いて、フィードバックを受けましょう。
⑤処方の最終調整
初期サンプルに対してフィードバックを返したら、OEM会社がフィードバックに基づいて、あらためて試作品を製造します。この際、試作の上限回数があるのか、あらかじめ聞いておくのも重要です。例えば当社では、試作の回数に上限はなく、お客様が納得するまで繰り替えし試作を行います。
試作により最終的な処方が決まったら、バルク単価を算出し、処方に合った容器を決定して、サンプルが完成します。
まとめ
本記事では化粧品サンプルがもたらす効果と製造依頼する時のポイント、表示内容について詳しく解説しました。是非この記事を参考に化粧品サンプルのマーケティングと製造会社への委託先を検討してみてくださいね。