化粧水や美容液の他、身近なスキンケア用品としてはフェイスパックやシートマスクが一般的です。
今回はシートマスクの基礎知識と、資材の種類やそれぞれの違い、製造する際のロットや費用について詳しく解説していきます。
フェイスパックの種類と特徴
フェイスパックと一口に言っても、シートを貼るタイプやペースト状のパックを塗って洗い流すタイプ、洗い流さなくてOKなタイプなど種類は様々です。
普段は何となくで選んでしまう、正直どのパックにどういう特徴があるのかはわからないという人のためにフェイスパックの種類ごとの特徴やメリットを解説します。
フェイスパックの中でも最も一般的なのがシートマスクです。
顔に貼って時間が経ったらはがすだけのシートマスクは使い勝手が良く、コスパの良い商品が多いのが特徴。普段のスキンケアにプラスして、肌を潤したり、美容成分を与えるために使用します。
ピールオフパックはシート状やペースト状のパックを顔に塗って乾燥させ、パックをはがす力で毛穴汚れや古い角質を取り除くフェイスパックです。
毛穴詰まりや古い角質の蓄積によるくすみが気になる時に使用する場合が多く、鼻用などパーツ単体に使用できるものもあるのが特徴です。
洗い流すパックはその名の通り、クレイやクリームを肌に乗せ、洗い流して使用するパックのこと。
洗い流すパックにはシートマスクと同様肌を保湿するために使用するものや、ピールオフパックと同様肌の汚れを洗い流すために使用するものがあります。
モデリングマスクは韓国で話題となった、自分で粉末を練ってパックを作り使用するフェイスパックです。
乾燥させるとパックがゴム状になり、簡単にはがすことができるのも特徴です。エステでも使用されることが多く、汚れを取り除く効果と肌を潤す効果の両方を得られます。
スリーピングマスクは洗い流し不要で、寝ている間にスキンケアができるフェイスパックです。
塗るだけでOKという手軽さと、寝ている間の乾燥も防ぐことができる点が特徴です。様々な種類があるフェイスパックを選ぶ時はどんな効果を得たいのか、どれくらい手間をかけられるのかを考えるのが大切です。
用途によって違うフェイスパック
手軽に使うのにおすすめのタイプ
シートマスク ピールオフパック(シートタイプ) スリーピングマスク
お肌をじっくりケアしたい時におすすめのタイプ
洗い流すパック ピールオフパック(ペーストタイプ) モデリングマスク
国内におけるシートマスクの需要
国内におけるシートマスク・パックの需要はどのような傾向がみられるのでしょうか。
シート、ジェル、クリームやその他のパックの市場規模の中で唯一成長しているのはシートタイプになります。シートマスク市場の拡張の理由はやはり、「毎日使い」の風習が定着してきているからではないかと言われています。
海外におけるシートマスクへの需要は?
では海外におけるシートマスクの需要はどうなっているでしょうか。
実は、海外でもシートマスクに対する需要は拡大しており、2018年時点では11.6億米ドル、年平均成長率10.94%になっています。今度2023年には19.4億米ドルまで拡大すると推定されています。
欧米での需要も年々高まってきていますが、メインは全市場の67%を占めるアジア太平洋となっています。
シートマスクの資材・包装について
シートマスクの市場の拡大とともに、新しい資材や形状のもの、処方も増えました。
ここでは、以下の2点にについて詳しくご紹介したいと思います。
シートの資材について
シートマスクの使用感にもっとも影響するのは、シートの資材です。 シートマスクによく使われるのは以下の資材です。
コットン/マイクロファイバー/レイヨン/リヨセル(不織布素材)
4つとも自然由来のもので、炎症を起こすことのない肌に優しい素材です。この4つが最も一般的に使われています。微生物などが関与して環境に悪影響を与えない低分子化合物に分解されるプラスチック「生分解性」があるという点も、選ばれている基準になるかと思います。
ハイドロジェル
美容成分を固めたゲル状のもので、お湯に溶けます。顔全体のものもありますが、目元シート・目元パックとして使用されることがおおいです。こちらは比較的使用される方は少ないかと思います。
バイオセルロース
植物性由来の原料に酢酸菌の一種であるナタ菌を植え付け、培養発行することにより作られたナノ繊維シートです。保水力と密着性は非常に優れており、一時期国内でも流行っていましたが、価格が高くなってしまうのでここ最近はそれほど人気ではないようです。
他にもフォイルや木炭など、色々な素材を使ったマスクは世の中にありますが、一般的には上記の素材が使われています。
シートマスクの形状
シートマスクの形状は2Dタイプ、3Dタイプ、セパレートタイプの3つがあります。
2Dタイプ
広げると紙のようにまっすぐ広がる、立体構造のないシートマスクのことを言います。比較的安価なため、世の中に出ている商品のなかでこちらが一番多く使用されています。
3Dタイプ
人間の顔に合わせた立体構造のあるシートマスクです。鼻のふくらみに密着するようにギャザーを寄せる方法、顔の左右半分に分かれたシートを中央で合わせ、顔全体の丸みに沿わせる方法などがあります。
セパレートタイプ
顔の上半分と可半分で分割されたシートマスクです。パーツごとに違う成分を配合させることができるところが、一番の利点です。
シートマスクの液体
シートマスクの液体は美白、ハリ、保湿の三つを狙った成分が含まれています。それぞれに含まれている成分と効果は以下になります。
美白マスク
トラネキサム酸、ビタミンC誘導体、アルブチンなどの美白成分をメインに使用したマスクです。メラニン生成を抑制することによってシミやそばかすを防ぐ効果など期待できます。
ハリマスク
こちらはレチノイド、ペプチドやα-リポ酸などの成分が多いかと思います。肌の弾力改善を目指している人が使われます。
保湿マスク
セラミド、コラーゲンやヒアルロン酸などの保湿剤をメインに配合したシートマスクです。毎日使いのものはこちらがもっとも多いと言えます。
シートマスクの包装について
シートマスクの包装は下記の3つのパターンがあります。
個別包装
こちらは、アルミパウチに一枚だけ入っているシートマスクのことです。化粧箱があるものもあれば、ないものもあります。
一括包装
こちらは、一つのアルミパウチの中に多数のシートマスクが入っている仕様のものです。2枚入りのものもあれば、30枚以上入りのものもあります。「毎日使い」の風習を定着させたのもこちらであり、市場拡大でみても最も順調に伸びています。
個別包装のセット
シートマスク一枚入りのアルミパウチを化粧箱に数枚入れ、5枚や10枚セットで販売する仕様になります。
シートマスクOEM製造の流れ
ここまではシートマスクの大まかな概要をお伝えしてきましたが、なんとなく、イメージがついてきたのではないでしょうか。
続いては実際の製造の流れをご説明していきます。OEMメーカーを選ぶ際にも製造の知識は必要となりますのでしっかりとチェックしていきましょう。
①資材と仕様を選択
シートはコットンにするか、コットンにするなら何g/㎡になるかなど、アルミに印刷するか、ラベル貼りにするか、化粧箱を使うかどうかなどの詳細を決めます。
シートマスクのOEM会社は多数のシート資材や形状のサンプルを持っているので、その中から選ぶのが良いでしょう。 資材と仕様は価格にもっとも影響する重要なポイントになりますので、OEM会社に多数のパターンで見積をとったりなどして比較するのがいいかと思います。
②処方決定
オリジナルで処方を組む方が多いかと思いますが、試作をかけることが必要になります。
その時期やOEM会社にもよりますが、2~4週間で上がることが多いです。資材や配合量、処方などの多数パターンの試作を受け入れてくれるOEM会社でしたら、そうするのが時間的にも効率が良いし、イメージがわきやすいのかもしれません。
③製造
資材や仕様が決まり、処方が決定した後に最終見積が上がり、発注をかけるタイミングになります。
マスクは、クリームや化粧水などの他の化粧品に比べて製造が速いです。 発注後1~2ヵ月後に納品されるパターンが一般的です。その理由は、化粧水やクリームなどの場合に3~4か月間容器の手配にかかる時間が不要だからです。
しかし、試作の回数やOEM会社の製造ラインの込み具合などの要素も配慮し、4~6月間のスケジュール感でみた方が無難かもしれません。
シートマスクOEMのロットと費用・売価
最小ロットは一般的には3,000枚からになりますが、1,000枚から受け入れてくれるOEM会社も中にあります。
しかし、1,000枚~の場合は単価が割高になり、資材の選択肢(シート材、アルミ印刷など)が限られてくるので、注意が必要です。
ちなみに個別包装1枚入りのものを3000枚委託すると価格は450,000円程度、10,000枚だと1,150,000円程度、30,000枚だと2,850,000円程度になります。これは化粧品箱を含めていない価格になります。
また、一括方法30枚入りのシートマスクを委託する場合は、1000枚で650,000円程度、3000枚で1,470,000円程度、10,000枚で4,200,000円程度になります。
市場に出ているシートマスクの平均価格帯は1,800円~2,000円代で推移されています。これは、個別包装や一括包装、セット品を総合でみた場合の金額です。
シートマスクのOEMメーカーの選び方
シートマスクはシートの資材・形状・液体・包装に至るまで様々な種類があります。そのため、シートマスクのOEMメーカーがすべてのタイプに適応できるわけではありません。
OEMメーカーのそれぞれに得意・不得意があります。自社ブランドのシートマスクの製造・販売を委託する際はどのような資材、形状、液体、包装にしたいのかを問い合わせの段階で明確に示しておくことが重要です。またOEMメーカーによっては無料で試作品を製作してくれるところもあるため相談してみましょう。
まとめ
いかがでしたか?本記事ではシートマスクの基礎知識と、資材の種類やそれぞれの違い、製造する際のロットや費用について詳しく解説させていただきました。
この記事を参考に是非、自分に合ったシートマスクやパックを作ってみてくださいね。