化粧品を輸出して販売するには許可が必要?
近年では、海外の化粧品の需要も増えてきていますが、日本製の化粧品の需要も大きくなってきています。
そこで、日本で作られている化粧品を海外で販売したいと考える企業も年々増えつつありますね。日本製の化粧品はとても規制が厳しいからこそ繊細で肌に優しいものが多い印象があります。日本製の化粧品を輸出する際の注意点や輸出するための手順など分からないことが多いと思います。
日本製の化粧品の魅力を海外に進出させようとする動きはOEM化粧品の業界でも広がってきているため、どんな事に需要があるのか、許可は必要なのか、輸出先国ではどんな規制があるのかなど、様々な疑問について詳しく説明していきます。
化粧品の輸入と輸出の違いは?許可は必要?
化粧品輸入販売の許可
まず化粧品の輸入販売について説明します。化粧品の輸入には決まりがあります。
個人で輸入したものは譲渡したりネットやフリマアプリで販売することは薬機法により違法となります。化粧品を輸入し販売するには「化粧品製造販売業の許可」が必要です。許可を必要としない場合は、許可を取得している代理業者に依頼する方法になります。
一方、化粧品の輸出販売においては、結論からいうと許可が必要な場合とそうでない場合があります。
許可が必要な場合
国内で仕入れた化粧品の、パッケージやラベルその他に外箱や容器などを変更すると、許可が必要になります。
まず、薬機法に「包装・表示・保管」は製造の部類になると記載があります。ですので、言語表記の変更や容器や外箱のパッケージデザインを変えることは全て「製造」とみなされ化粧品製造業の許可が必要になり、PDM(医薬品医療機器製造総合機構)にて「輸出用化粧品製造届(輸出届)」を厚生労働省に届け出るようになります。
輸出向けに国内とは別の仕様のものを輸出する際も同様で、「輸出用化粧品製造届(輸出届)」が必要となります。
また、製造の段階で輸出向けとして化粧品を輸出する場合には、「化粧品製造業」の許可が必要です。
許可が必要ではない場合
日本製の化粧品をそのままの形で輸出する際には、薬機法の許可や届出は不要になります。大事な点は、製造販売業者から仕入れてそのまま輸出することが条件です。
化粧品輸入と輸出の許可についての注意点
日本製の化粧品をそのまま輸出する場合は許可は必要ありませんが、輸出先の海外で化粧品の返品などがあった場合、化粧品を輸入したという扱いになります。
そうすると、化粧品製造販売業の許可が必要となるため、許可を取得していない場合の返品はできなくなりますので注意が必要です。
国内から化粧品を輸出する際に、製造販売業者から仕入れたものをそのまま輸出する際には特別な許可や審査などはありません。しかし、輸出国によって規制が定められているので事前に規則を確認しておきましょう。
輸出先国での手続き
まず、輸出先の国のルールを知っておきましょう。
日本製の化粧品を輸出するわけですから、受けとる側としたら化粧品を輸入することになりますよね。各国ルールは様々ですがどこの国でもそのルールに従い手続きなどを進めて行きます。
中国、アメリカ、ベトナムに輸出する際の規制
中国
輸出国の中でも規制が厳しく、配合の禁止や成分についても禁止などがあり、処方の変更も必要になることがあるそうです。
アメリカ
中国程規制は厳しくはありませんが、アメリカ内で使用できる成分の禁止などがあある程度ですが、表示やラベルなどの規制が細かいようなので注意が必要です。
ベトナム
ベトナムはフィリピンやタイなどと同じで、輸出規制は比較的ゆるいそうです。
規制については、輸出先国の化粧品輸入規制を事前に確認と準備をしておくのが大切と言えるでしょう。
輸出関係の証明書ってどんなものがあるの?
肌に触れる化粧品は、もしものことがあったら健康状態に異常をきたす恐れがあります。輸出先国から管理プロセスに基づき製造されているか証明できる書類を要求されることがあります。要求されても適切に対処できるように証明書についてご紹介します。
GMP(Good Manufacturing Practice)証明書
これは輸出化粧品が日本の薬事法に基づき適切な構造設備のもと、製造管理や品質管理の基準を満たしているということを証明するものです。欧州やASEAN諸国へ化粧品を輸出する場合に要求されることがあります。
輸出関連の証明書類
①化粧品製造販売業に関する証明
②化粧品製造業に関する証明
③化粧品製造(輸入)及び販売に関する証明
④製造販売業者の化粧品製造(輸入)に関する証明
⑤製造業者の化粧品製造(輸入)に関する証明
引用元:日本化粧品工業連合会/厚生労働省
証明書類について以上となります。申請先によっても違いがありますので相手先に確認をして準備しましょう。
化粧品OEMの製品を輸出販売する際のポイント
ここまでで、輸出し販売するときの注意や許可について説明してきました。なんとなく理解したところで実際にどのような化粧品を販売するといいのか?日本製の化粧品に目を向けて貰うためのポイントなどについて紹介していきたいと思います。
日本製の化粧品は他国でも人気があり、統計などを見ても右肩上がりに増えてきていることがわかります。ですが、企画もなにも考えずに日本製というだけで輸出しても売れません。そのため、輸出先国のニーズや規制にあったものを開発・企画をする必要があります。
例として、海外では日本のように湯船にしっかり浸かったり、毎日髪を洗う習慣はありません。
その場合シャンプーを販売しようと考えても、日本人とまったく同じものだと売れません。売れるものを作るためには、シャンプーならば洗浄力がしっかりしているものの方が好まれるかもしれませんね。
まず、分かりやすくベトナムと日本の物価について比較してみると、ベトナムの1000円と日本の1000円では全く違います。なので日本で1000円の化粧品は安く感じますがベトナムではそれなりに高級感が出るような作りにする必要があります。配合もそうですが、パッケージも高級感をもたせながら開発する必要があります。
そのことから、日本は物価が世界的にみても高いということがわかったと思います。ですので、日本で化粧品を作り日本で販売するよりも物価が安い海外で販売した方が、日本ではマイナスになってしまったコストも海外で販売する方が価格がアップするのです。
個人事業者やこれから海外で化粧品の販売を企業で考えているかたは、輸出し販売することは難しいことが沢山あることを理解して製作していってほしいと思います。
そのため、未経験ならもちろんサポートも必要になりますので、輸出先の書類や配合といった資料をしっかり開示し、一緒にいい化粧品を作っていこうとサポートしてくれるOEM会社を選択することも重要なポイントになります。
まとめ
化粧品の輸出から販売までと必要な許可や書類、輸出先国に合わせものを開発するためのポイントについて説明しました。
本記事を参考にしていただきながら日本製の化粧品の魅力を海外に発進していってくださいね。