OEMは、世の中にない価値を作りだしたい企業(発注元)と、自分達で築いてきた技術や知識、ノウハウを広めたい企業(OEMメーカー)それぞれの想いをつなぐWin-Winのパートナーシップです。メリットが多いOEMですが、デメリットやリスクも事前に理解しておくことで、OEMの効果を最大限発揮することができます。
この記事では、「OEMでのリスク」がどんなものがあるのか、その対応方法などを解説します。
「OEM」と市場の動向
OEMの代表的な製品といえば化粧品と健康食品になります。 化粧品OEMの市場規模は2020年で約3,400億円、健康食品OEMの市場規模は2020年で約1,600億円と非常に大きなマーケットになっております。
これだけ大きな市場規模のOEMのメリット、そして、チャンスが大きい分、トラブルが発生するリスクも高くなることを理解しておく必要があります。
OEMのメリット
「ワイン」の効果を最大限発揮するためには、OEMを活用することが最善の方法の一つとなります。OEMは、世の中にない価値を作りだしたい企業と、自分達の技術を広めたい企業、それぞれの想いをつなぐパートナーシップOEMとは、世の中にない価値を作りだしたい企業(発注元)と、自分達で築いてきた技術や知識、ノウハウを広めたい企業(OEMメーカー)それぞれの想いをつなぐWin-Winのパートナーシップです
初期コストの大幅な削減
OEMメーカーに製造を依頼することで、工場などの設備投資や人材確保の手間やコストが発生しない分、初期コストを大幅に削減することができます。
発注元は、専門的な知識がなくても、専門性のあるOEMメーカーからのアドバイスを受けることで、「最新の流行などに関する情報」や「より効果的な販売ルートや販売方法の提案」を受けられることもOEMのメリットです。
オリジナルブランドの開発
さまざまな企業で「PB(プライベートブランド)商品」が開発されており、コストパフォーマンスの高さから多くの消費者に受け入れられています。PBもOEMのひとつの形となります。
発注元がオリジナルブランドをOEMで開発することは、そういった時代の流れに乗るだけではなく、発注元の認知を広げて、ブランド力を高める手段になります。
OEMメーカーにとっても販売ルートの拡大や技術力の向上、工場の稼働率アップなどの有効な手段になります。
OEMの流れ
商品コンセプト・仕様・金額の打ち合わせ
発注元は、OEMメーカーに製品のコンセプト、仕様、数量、納期、金額などの希望を伝え、どういった製品をどのように作るかを決めていきます OEMメーカーは、自社の経験をもとに、良い製品を好条件で提供できるよう提案します。
開発、試作
OEMメーカーは、試作品を発注元に提出し、発注元はチェックをします。 製品の仕様仕上がりについて、お互いが納得するまで改良を繰り返していきます。
製造、品質管理、納品
OEMメーカーは、試作品の最終チェックが完了したら本格的に生産を開始し、品質や納期の管理をしっかりと行って進めていきます。 無駄を極力カットして、高品質で効率的な生産の工夫を随所に取り入れます。
OEMメーカーだけでなく、発注元は、できあがった製品を仕様書通りに出来ているか、動作不良はないか、納品する数量が足りているかなどを慎重にチェックします。 製品の外観や梱包に汚れやゴミの付着はないかなども検品時のポイントになります。
アフターサポート
販売後においてもお客様の反応やご意見によって改良すべきところがあれば、双方で対応します。 また、次の商品開発やリニューアル商品の提案など企画案のご提案など、継続した関係性を築いていくことが大切になっていきます。
「OEM」のトラブルの事例とリスク
次にOEMのトラブルの事例とリスクを挙げていきます。これを理解することで事前に準備や実際にトラブルが発生した際に迅速に対応することができます。
発注元のトラブル事例とリスク
製造などをOEMメーカーに依頼するため、発注元の技術や知識が育ちにくい状況があります。
OEMメーカーが将来的な競合になる可能性
綿密な打ち合わせを行い、製品の情報やノウハウも共有するので、OEMメーカーが将来的な競合となる可能性があります。類似品の製造の禁止などを契約書に記載することでリスクを回避することができます。
OEMメーカーのトラブル事例とリスク
発注元の製品として販売するため、OEMメーカーの認知度が市場に浸透しにくい状況にあります。
発注元が将来的な競合になる可能性
発注元のリスクとしても書かせていただきましたが、同時にOEMメーカーのリスクにもなります。綿密な打ち合わせを行い、製品の情報やノウハウも共有するので、発注元が将来的な競合となる可能性があります
秘密保持の条件や技術の転用禁止などを契約書に記載することでリスクを回避することができます。
消費者への注意喚起
どんなに注意を払ったとしても製品の欠陥を0にすることはできません。また、消費者全員がまったくトラブルがなく使用することもできません。
安全に使用するための取扱説明書やラベル表示などを工夫することや、苦情などへ対応するための窓口を事前に決めておくことが必要となります。
製品開発マネジメントについて
OEMメーカー選びのポイン
- OEMメーカーの選ぶ基準
独自成分・技術を公表しているか ・小ロット対応などの個別対応を公表しているか ・トラブル対応や補償などの対応を公表しているか・海外展開なども見据えている発注元に関しては、海外展開対応、輸出サポートを公表しているか?などがOEMメーカーの選ぶ基準になってきます
- 信頼関係の構築とチェック体制
発注元は、OEMメーカーに丸投げをすることなく、品質管理や進行管理などチェック体制を充実させることが、双方の信頼関係の構築と危機管理に対するマネジメントとなります
- アフターフォロー、ファンづくり
製品を販売して終了ではなく、その後のフォロー次第でお客様がファンになるかどうかが決まってきます。 お客様との良好な関係を継続することで、お客様との信頼関係や口コミが広がっていきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。「OEMで開発するトラブルのリスク」についてご理解いただけたと思います。リスクがあるからやらない、ではなくリスクを理解した上でその対応を事前に準備して、メリットの部分を広げられるように取り組んでいきましょう。OEMビジネスドットコムでは、OEMに関する情報だけでなく、具体的な企業をつなぐマッチングサービスやコンサルティングサービスも行っておりますので、まずは行動を起こしていきましょう。