UVケア製品は、今では通年必要とされる化粧品で、日焼け止めと、アフターサンケア(日焼け後のケア)の2種類に分けられます。
自社でもUVケア製品を作りたいけれども、どのような機能や成分がいいのか分からないとお困りではありませんか?
この記事では、OEMで作ることができるUVケア化粧品の種類や成分について解説します。
UVクリームやアフターサンケア製品
UVケアを目的とする化粧品には、日焼け止めとアフターサンケアの2種類があります。
日焼け止め
日焼け止めは、皮膚に塗ることで日やけをしないようにする化粧品です。
紫外線を防ぐ成分は「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」の2種類があり、紫外線を防ぐ方法が違います。
紫外線を吸収することで化学変化をおこし、肌を刺激する、環境破壊につながると問題視されているのが「紫外線吸収剤」です。
このため、紫外線散乱剤を成分とすることが一般的になってきています。
紫外線と肌ダメージの違い
紫外線は太陽光のうち、波長が短い強いエネルギーを持った光のことです。
波長の長さで2種類に分類され、UVケア製品ではそれぞれの波長を防ぐように処方を検討します。
- UVA:波長315~400nmで、長波紫外線ともいいます。肌の奥まで届き、真皮層にダメージを与える光老化を引き起こします。
- UVB:波長280~315nmで、肌の表面近くに炎症を起こして日焼けを引き起こします。
日焼け止めの効果の表示方法
PA:紫外線のUVAをブロックする効果について数値化したもので、「+」の数で4段階あり、「+」が多いほど日やけ防止効果が高まります。
SPF:はUVBをブロックする効果を数値化したもので、「SPF」は1~50の数値で表し、数字が大きいほど日やけ防止効果が高くなります。
アフターサンケア製品
日焼け後に使う化粧品をアフターサンケア製品といい、その役割は主に「抗炎症」と「美白」になります。
具体的には
- 日焼け後の肌の痛みや熱っぽさを抑えてくれる
- 日やけによる肌荒れを防ぐ
- 日焼けがシミにならないように美白する
といった機能をもたせた製品になります。
抗炎症と美白はどちらも重要なケアですが、使用のタイミングや成分などに違いがあります。
抗炎症の化粧水は日焼けしてすぐ、時間を置かずに使います。
美白化粧水は肌に刺激を与えないように、日やけのヒリヒリした痛みが引いてから使うのが一般的です。
処方によっては2つの機能を1つにまとめることも可能になります。
アフターサンケア化粧品の剤型
アフターサンケア製品では、3つの剤型が選ばれます。
ローション(化粧水)
ローションタイプは、化粧水のように使えて、サラッとしたテクスチャーの製品です。
洗顔後や体を洗った後に手軽につけられ、肌の火照りをおさえたり、肌を引き締めたりする効果をもたせるのに向いています。
塗布後にひんやりする製品設計にすることも多く、つけ心地のよさが特徴です。
ジェル
ジェルタイプは、水分が多いゼリー状の製品です。
ローションタイプに比べて肌になじみやすく、広範囲に塗り広げやすいのが特徴です。
油分が少なめでベタつきにくく、みずみずしいテクスチャーで、暑いときや寝る前にも使うことができます。
清涼感のある処方にすることで、肌を冷やす効果も持たせられます。
クリーム
クリームタイプは、油分が多く保湿力が高いのが特徴です。
日焼けした後の肌の乾燥を防ぎ、肌の日焼けのダメージを軽減します。
ローションタイプやジェルタイプに比べると伸びは良くないですが、肩や鼻先など、日やけがひどくなりやすいポイントへのケアに使われる
ことが多いです。
アフターサンケア化粧品の効能効果
抗炎症と美白といった効果を持たせるため、アフターサンケア化粧品は「薬用化粧品」にすることが多くなります。
薬用化粧品とは
薬用化粧品は、医薬品ほど作用が強くないけれど、厚生労働省により効能効果が認められた成分を含んでいて、化粧品よりも一定の効果が期待できるものです。
この成分を「有効成分」といいます。
有効成分を含んだ製品は、製品容器やパッケージに「薬用」「医薬部外品」と表示でき、その効果を謳(うた)う事ができます。
アフターサンケア製品の効果効能としては
- 日やけ・雪やけによる肌あれを防ぐ
- 日やけ・雪やけを防ぐ
- 日やけ・雪やけ後のほてりを防ぐ
- 日やけによるシミ・そばかすを防ぐ
- メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ(作用機序の認められた有効成分のみ)
といったものがあり、薬用化粧品では一般化粧品に比べて有効成分の配合をアピールするなどして、よりユーザーに効果を訴求できるでしょう。
日焼けした後の肌の状態に合わせた成分の配合
アフターサンケア製品は、日焼けしたあと特有の肌の状態に合わせた成分を含む処方にします。
軽度なやけどの状態
日焼けした後の肌は、紫外線による軽微な火傷の状態になっています。
日焼け後の肌が赤くなってヒリヒリするのは炎症を起こしているからです。
そこで炎症を抑える抗炎症成分を配合します。
- オウゴンエキス
- カンフル
- グリチルリチン酸ジカリウム
が化粧品にも配合可能な抗炎症成分です。
収れん作用や細胞の修復補助の効果を持つ成分を配合することもあります。
日焼け後のヒリヒリ感や皮が剥けるのを抑えるには、細胞の修復を助けるパンテノールといったビタミンを配合します。
乾燥して傷つきやすい状態
日焼けした肌は角質が乱れて乾燥しやすくなっています。
保湿成分を配合して肌を乾燥から守り、日焼け後のヒリヒリ感を緩和します。
- アルギニン
- コラーゲン
- アロエベラエキス
- グリセリン
- セラミド
- ヒアルロン酸
保湿することでシワができにくくなる効果もあります。
紫外線により活性酸素が生まれ、シミ・シワができやすい状態
日焼けした後の肌トラブルといえば、シミやシワができることでしょう。
これは肌の深部が紫外線で傷つくことでおこり、光老化といわれます。
シミを防ぐための美白成分として
- アラニン
- ダイズエキス
- トラネキサム酸
- アルブチン
などがあげられます。
刺激に敏感になっている
紫外線で傷ついた肌へ使用するため、刺激が少ない化粧品であることが必要です。
刺激の強い成分は、無添加かもしくは配合量を減らすことが求められます。
肌を刺激する恐れのある添加物
- アルコール系
- 香料
- 防腐剤(パラベン)
強い収れん作用がある成分
- キュウリ果実エキス
- クエン酸
- サリチル酸
特に敏感肌のユーザー向けの製品では、オーガニック成分など刺激が弱い成分を中心にした製品をつくることもあります。
OEM製造でUVアフターケア製品を作る方法
UVケア製品はOEM生産が可能です。
肌に優しい処方にしたり、効果の高い美白ケアにしたりといったコンセプトに沿った処方も相談できます。
OEM生産の流れ
化粧品のOEM生産は以下のステップで行ないます。
- 企画提案
- 試作・処方決定
- 見積もり
- 発注・製造
- 納品
一般的に最初の打ち合わせから製品が納品されるまでに半年ほどかかります。
薬用化粧品で製造する場合は、一般化粧品に比べて処方設計や薬事申請に時間がかかるため、生産までに要する時間が多くかかることに注意が必要です。
途中で変更が生じてしまうと期間は更に延びてしまうので、余裕を持ったスケジュールにしましょう。
まとめ
UVケア製品の中でも、アフターサンケア製品は紫外線で傷ついた肌に使用されるため、安全性や使い心地に気を配る必要があります。
処方に悩む場合は、プロに相談することをおすすめします。
この記事を参考にして、素敵なUVケア製品を作ってください。