近年人気のビジネスモデルに「サブスクリプション(定額購入)」があります。
化粧品も毎日使うものですし、気に入ったブランドを長く使うユーザーが多いので、サブスクリプション向きの商品といえます。
自社ブランドでもサブスクリプションを導入して、安定的な収益を生み出したいと考えられている方もいると思います。
そこでこの記事では、化粧品セットの定期購入・サブスクリプション販売について解説します。
化粧品のセット販売・コスメボックスの特徴
リモートワークの広まりとともにニーズが高まっているのが、定額購入ビジネス(サブスクリプション)です。2023年、国内サブスク市場は1兆1021億円になるといわれています。
サブスクリプションビジネスは今後も規模の拡大が予想されており、期待の高いビジネスです。
化粧品のサブスクリプション
化粧品では商品が入った箱を定期便で届ける「サブスクリプションボックス」が定番です。
アイテムの届けかたによって2種類に分かれています。
- キュレーション型:その時の厳選アイテムをセレクトして届けるタイプの定期便
- 補充型:特定の商品を継続的に届けるタイプの定期便
キュレーション型では、月ごとのテーマに合わせたコスメや、クリスマス・バレンタインなど、イベントイメージに合わせたメイクアイテムがセレクトされて、セットになって届きます。
冬の乾燥ケア商品、夏のUV対策といったように、季節に応じたスキンケア用品が届くものもあります。
それぞれの肌質や悩みに合わせて、一人ひとりに適したアイテムを届けるものも人気です。
補充型では、いつも使用しているスキンケア用品やヘアケア用品を使用量に合わせて毎月~数ヶ月ごとに届けます。
毎回注文する手間を省くことができ、購入回数で優遇割引があるなど、愛用化粧品を切らすことがなくお得に使用できます。
コスメボックスで多いものは3~7点のアイテムを詰め合わせたもので、季節ごとのサンプル品やミニボトルの詰め合わせが中心です。
個数が多いものは1つの容量が少なめになり、個数少なめでの場合は1つの容量を多くすることになります。
また、おしゃれなデザインのバッグ・ポーチといった雑貨や、美容やライフスタイル情報のつまったオリジナル冊子などを一緒に届けることで付加価値をつけているものもあります。
SNS映えするセンスの良いおまけが付いてくるものは人気が出やすいです。
コスメボックスのビジネスのメリットとデメリット
定額購入によるセット販売は、安定した収益と運営が可能なビジネスとして注目されています。
リピート購入により収益が向上
定期購入により、単回購入と比べて顧客一人あたりの収益が上がります。
また、コスメボックスを通じてブランドに愛着を持ってもらうことができれば、売上や利益が向上します。
ボックスの開封動画などの口コミマーケティング効果
開封体験とは、届いたばかりのサブスクリプションボックスを顧客が開けたときに、見て感じる一連の体験のことです。
開封したときの印象や中身の公開写真は、口コミでのマーケティング効果が期待できます。
定期的な売上を生む
サブスクリプションは継続型のビジネスなので、顧客が解約しない限り定期的に売上が発生します。
また「ユーザー数×定額料金」という計算式で売上が試算でき、収益化の判断がしやすいです。
商品の配送スケジュールのブレがすくない
あらかじめ配送日や配送量がわかっていて、月による差もなくなるため、安定して商品の生産から発送が可能です。
必要なコストの予測が立てやすく、人材配置もしやすいといったメリットがあります。
定期購入ビジネスのデメリット
サブスクリプションは優れたビジネスモデルですが、デメリットもあります。
収益化までの期間が長い
サービス開始直後は利用者が少ないため、収益化までに時間がかかります。
サブスクリプションビジネスでは、アイテム数を多くすると多数の商品確保が必要になるため、コストの負担に耐えきれず、サービスを撤退する事例も見られます。
プロモーションや販売計画を綿密におこない、ファンを増やしながら、じっくり腰を据えて取り組みましょう。
常に新しいサービスが必要
コスメボックスは、飽きられてリピートユーザーが少なくなると利益を出しにくくなってしまいます。
飽きられないための商品内容の充実や、ユーザーとのコミュニケーションなど、長期的な販売戦略を立ててサービス展開しましょう。
解約による在庫残り
失敗してしまう理由で多いのは、解約率が高く商品が売れ残ることです。
パッケージングされた商品に使えないものが多かったりすると、解約率が上がってしまいます。
ユーザーの動向やトレンドにも注目して、常に自慢したくなるような、おしゃれで使い勝手のいい商品を提供できるようにします。
コスメボックス販売のステップと成功のポイント
実際にコスメボックスを製造・販売するための具体的なステップと成功のポイントをお伝えします。
コンセプト設定
ターゲットユーザーや売り出す商品の種類を検討します。
消費者の年齢層、購買行動、興味、消費傾向を分析し、明確なニッチ分野と特定のターゲットを定めることが欠かせません。
コスメボックスが選ばれる理由のひとつに、自分自身では見つけられなかった特別な商品を受け取る楽しさがあります。
ターゲットに「ワクワク体験を届ける」ことを第一に、コンセプトを設計しましょう。
商品構成を決める
コンセプトが決まったら、具体的なボックスの内容を決めます。
- お届けの頻度
毎月、隔月、季節ごとなどサービスの間隔を決めます。
- 中身
コスメボックスの中身は、厳選した 5種類前後の商品数を目安にします。
特に大事なのは初回の注文で、このときの商品の品質やブランドの世界観で、顧客の満足度が大きく変わります。
自社ブランドを代表する、人気のある商品を詰め合わせましょう。
- 価格帯
「お得感」「お手頃感」も重要な要素です。
コスメボックスの価格は、含まれる商品の合計額よりも安価に設定します。
価格を多少安く設定しても長く利用してもらえば有利に働くことから、長期的には収益アップが期待できます。
ブランディングとパッケージを決める
商品の広告コピーやパッケージの外観も同じくらい重要です。
化粧品では、美的センスが光るパッケージデザインは必要不可欠な要素で、ブランドのイメージカラーに合わせたシンプルでハイセンスなものが求められます。
パッケージを起点として熱量の高いファンを増やし、ブランドの認知度向上につなげましょう。
戦略に基づく販売をスタート
定期購入・サブスクリプションの売上を促すマーケティングツールが組み込まれている、適切なプラットフォームを選び販売を開始します。
顧客が増えるまで、根気よくプロモーションをしていきましょう。
スタートアップで余裕がない、広告に専念したいなどの事情がある場合は、受注から配送の一連の流れを配送会社に委託してしまうことも可能です。
サービスを強化・発展させる
サブスクリプションは、マンネリ化してしまうと顧客離れがおこり、解約率が上昇します。
顧客からのフィードバックを分析し、常に新しい開封体験を提供できるような体制を構築してビジネスを強化していきます。
まとめ
定額で化粧品セットを定期的に購入できるサブスクリプションは、新しいコスメの楽しみ方として注目されています。
どのようなコスメで展開するか悩んだら、プロに相談してみましょう。
実績のあるOEM企業はトレンドも熟知しており、適切なアドバイスが受けられます。
この記事を参考にして、素敵なコスメボックスをつくってください。