薬機法とは、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」のことです。
薬機法によって、医薬品、医療機器等のクオリティーと有効性および安全性を確保する他、製造・表示・販売・流通・広告などに対して細かい取り決めがされています。 また、薬機法は、医薬品であったり医療機器に留まるものではなく、医薬部外品、化粧品、更に健康食品にも及びルールが定義されています。
まだ、薬機法という言葉自体聞き慣れないという方々はいらっしゃるのかもしれません。 そもそも薬機法は、それ以前薬事法という法律があり、2014年(平成26年)11月に改正されて、薬機法に名前も変更になっています。
医薬品、医療機器等に対して環境は昔と現在ではかなり変化があります。昔の法律のままでは対処仕切れないことが多く存在してしまっための改正となります。
薬機法となり、医療機器の承認等についての医療機器の特性を踏まえた制度の創設、また、再生医療等製品の新設、安全性に関する規制の強化に対しての改正が行われています。
現在、化粧品ビジネスをしているという方々も「輸入」、「輸出」などに対して薬機法に存在している法律に従いビジネスを行う必要があります。
化粧品ビジネス 輸出に関する薬機法
財務省貿易の統計ではスキンケア、ヘアケア、メイクアップ、香水など16品目に対しての輸出の額は6年連続過去最高を更新している状況です。2015年から急増し始めて、2016年には輸出額が輸入額を上回る状況でした。
2019年には8,176億円の額にも到達し、特にアジアに対しての輸出が盛んな傾向があります。 中国・香港・韓国・シンガポールなどに対しての国々です。
化粧品輸出ビジネスは、化粧水や美容液、乳液といった高価格帯のスキンケア商品を中心として出荷が伸びています。
レベルの高い日本で製造された化粧品はアジアで特に人気があり、日本へ訪れた観光客が日本で一度買った化粧品を気に入って、インターネットなどで再度購入しているケースが目立ちます。
ただし、新型コロナウイルスの影響があり、今後化粧品輸出ビジネスにも翳りが見えることは必至です。また、今後ECでの購入が増えて来ていることを特徴とすることができます。
化粧品輸出ビジネスでは薬機法に関わりビジネスを行っていかなければなりません。よってビジネスをしようと思えば、条件に応じて必要なライセンス取得や届出の提出をしなければなりません。
国内流通品をそのままの形で輸出するという場合、国内の製造販売業者から仕入した化粧品をそのまま販売しようとする分には薬機法の許可であったり、届け出は必要ありません。
薬機法に従えば、国内向けに出回っている化粧品をそのままの状態で輸出するのに特別面倒な手続きはありません。しかし、ビジネスしている過程では、海外から化粧品の返品がありそれに対応しなければならないことがあるかもしれません。そのようなケースでは、化粧品を「輸入する」ということになります。
その場合「化粧品製造販売業」の許可を得ていないと海外から一切返品対応することができません。
また、国内で流通している化粧品をラベルだったりパッケージを変えて輸出したい場合もあるでしょう。そのような場合、包装、表示、保管は「製造」の項目に該当します。
このような作業は、「化粧品製造業」の許可が必要なので、医薬品医療機器総合機構(PDMA)を経由し、「輸出用化粧品製造届(輸出届)」を厚生労働省に届け出しなければなりません。
更に、製造の段階から輸出向けの製品を輸出するケースでは、「化粧品製造業」の許可が必要であり、さらに「輸出届」も必要です。
化粧品輸出は輸出先国で何をすればいいのか
日本からビジネスマンが化粧品を輸出するということは、相手国は、化粧品を輸入するという形です。 化粧品を日本から輸出する場合には、相手国のルールに従った手続きの段取りを踏む必要があります。
化粧品に対して、海外の国やそれぞれの地域で日本の厚生労働省が「化粧品基準」に相当する規制や基準を定めています。 EU、ASEAN、USなどが定める規準にも従う必要があります。また、輸入通関であったり、流通販売におけるルール、化粧品販売に係る許可・登録・届出の手続き、さらに原料の審査や広告表現の規制……と言ったものもしっかり守り対応する必要があります。
化粧品を輸出する場合どこに輸出するのかを明確にして、あらかじめその国に存在している輸入規制をリサーチしておく必要があります。
また、化粧品は輸出した相手から適切な管理プロセスに従って製造されましたということの証明を要求されることがあります。
一般的には、 Good Manufacturing Practice(GMP)証明書。
また、化粧品製造販売業に関する証明、化粧品製造業に関する証明、化粧品製造(輸入)及び販売に関する証明、製造販売業者の化粧品製造(輸入)に関する証明、製造業者の化粧品製造(輸入)に関する証明などです。
輸入化粧品ビジネスの準備
化粧品を海外から輸入される方々も少なくありません。 化粧品、精油、調製香料、化粧品、みがき剤や洗剤の輸入の額は連続過去最高値となっています。
様々な国から化粧品が輸入されていますが、主にフランスが17.2%を占めています。
次に多いのは中国16.2%、、米国14.2%、タイ10.4%となっています。また、韓国、ベトナムなどアジアからの輸入率も上昇傾向にあります。
ただし、こちらも新型コロナの影響によって、今後減少傾向になることら予測することができます。 また、ECでの販路拡大など新たな動きも活発化している傾向があります。
化粧品を輸入する場合も薬機法のルールに従い行動する必要があります。化粧品を輸入して販売ビジネスを行うためには、「化粧品製造販売業」と「化粧品製造業」のライセンスを取得が必要です。(ライセンスに基づいた行為は他社に委託することができます)
化粧品製造販売業とは
化粧品製造販売業とは、海外から化粧品を輸入する製造業者を管理する、また日本へ市場出荷判定するためのに必要とされる書類です。化粧品製造販売業者という立場の人たちが市場で販売する流れでの最終責任者です。
輸入販売することはもちろんのこと、他社に製造を委託している場合についてもそのクオリティーを保証する責任が生まれます。
化粧品製造業とは
化粧品製造業は、化粧品を製造するのに必要な許可です。化粧品を輸入する場合、日本で製造する形ではありませんが、薬機法において国内での二次加工・包装・表示・保管行為に対しても製造の一部という位置づけがされています。よって、「化粧品製造業(一般区分/包装・表示・保管区分)」の許可が必要なのです。
例えば、化粧品を輸入して、自分の企業で保管・加工作業して市場へ出荷しようとする場合には、「化粧品製造販売業」「化粧品製造業」のライセンス取得が必要となります。
一方で他の会社に化粧品輸入を委託し、自社では保管・加工作業して市場へ出荷する場合には、「化粧品製造業」のライセンスのみが必要です。
更に、自社で化粧品を輸入し、他社で保管・加工作業し市場へ出荷する場合には、「化粧品製造販売業」のライセンス取得が必要です。
まとめ
いかがでしょうか。今回、化粧品ビジネス 輸入・輸出に関する薬機法について解説をしました。
化粧品は薬機法の規制対象となっているので取扱いには十分な注意が必要です。
また、取扱う商品が化粧品ではなく「医薬部外品」に該当する場合異なるライセンスが必要となります。
正しい判断のもと化粧品ビジネスと向きあうようにしてください。