「化粧品製造販売届出」に届け出た内容に変更があった場合、「化粧品製造販売届出事項変更届出」を出します。 届出のタイミング、注意点について確認しましょう。
化粧品製造販売届出事項変更届出とは?
並行輸入で化粧品を販売するときに、一品目ごとに「化粧品製造販売届出」を提出します。 この「化粧品製造販売届出」の内容に変更が発生したときに提出するのが「化粧品製造販売届出事項変更届出」です。これは、薬機法第14条の9、2項に定められています。
第十四条の九 2 医薬品、医薬部外品又は化粧品の製造販売業者は、前項の規定により届け出た事項を変更したときは、三十日以内に、厚生労働大臣にその旨を届け出なければならない。
出典:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
いつ、誰が、どこに出す?
「化粧品製造販売届出事項変更届出」は、主たる事務所の代表が、変更から30日以内に、変更がある都道府県全てに提出します。 変更事項によっては、複数の都道府県に同じ内容を提出する必要がでてきますので、注意が必要です。合わせて、現在整備している書類や届出の中に変更があるかを確認することが大切です。
この手続きは、自社が販売する商品を、責任もって消費者へ届けるために並行輸入業者が主導で行います。具体的な事例と合わせて、次項以降にご説明します。
遅れたらどうなる?
変更が発生した日から30日以内に提出が必要な「化粧品製造販売届出事項変更届出」ですが、もし提出が遅れたらどうなるのでしょうか? ご安心ください。罰則などは特にありません。ですが、「化粧品製造販売届出事項変更届出」の他に「遅延理由書」が必要です。
特定のフォーマットは、各都道府県により違いますが、記載内容は同じです。今回は、茨城県の公式サイトから記載例よをご確認ください。
【例】国内の製品保管場所を1つ追加する場合
化粧品の輸入をはじめたところ、売り上げは好調で、輸入量を増やすことになったとします。輸入量増加に伴い、製品の保管場所を追加するという例では、どのタイミングでどんな申請が必要でしょうか? なお、ラベリングは国内の各保管場所で行っているとします。
1. 変更箇所を確認
変更となる箇所と、それに必要な手続きを洗い出すプロセスです。最初に何をいつするか確認することで、その後の申請作業や、いつから動き出さないといけないかを明確にできるので、必ず行った方がよいでしょう。
現在の輸入の流れ:海外→通関→倉庫業者A→販売店 変更後の輸入の流れ:海外→通関→倉庫業者Aまたは倉庫業者B→販売店
この「倉庫業者B」は新たに業者として登録するので、以下の対応が必要です。
対応
- 輸入の流れが変わるので、GQP省令、GVP省令に則った手順書の追加、修正
- 倉庫業者Bの「化粧品製造業許可」を倉庫業者Bがある都道府県に申請
- 倉庫業者Aがある都道府県へ、「製造販売届出事項変更届」を提出
- 倉庫業者Bがある都道府県へ、「製造販売届出」を提出
これらの対応は、「化粧品製造業許可」に2ヶ月、「製造販売届出事項変更届」と「製造販売届出」でそれぞれ1ヶ月近くと、トータルで3~4ヶ月かかります。事前準備を行う場合は、半年近く前から倉庫業者がある都道府県へ相談に行くことをおすすめします。
2. GQP省令、GVP省令に則った手順書の追加、修正
輸入後の流れが変わるので、現在使っている組織図や輸入~ラベリングの流れが変わります。そこで、GQP省令、GVP省令に則った手順書の追加、修正が発生します。 このステップは、変更前に対応していた倉庫Aの分も変更が必要なので、注意しましょう。
3. 倉庫業者B分の「化粧品製造業許可」を倉庫業者Bがある都道府県に申請
倉庫業者Bが初めて並行輸入業者の商品を保管する場合、「化粧品製造業許可」を得ることが必要です。 「化粧品製造業許可」を申請するならば、申請先の都道府県の審査を受けます。1~2番目の工程で運用手順を見直しておけば、審査もスムーズに通過できるので安心です。
4. 倉庫業者Aがある都道府県へ、「製造販売届出事項変更届」を提出
倉庫業者Aからすると、一部品目について、倉庫保管の業務がなくなります。 そこで、「製造販売届出事項変更届」には、品目廃止の申請を出します。この「製造販売届出事項変更届」は、一品目につき1部の提出が必要です。品目の数も合わせて確認をしておきましょう。
変更届の参考例として、東京都のサイトよりご確認ください。
5. 倉庫業者Bがある都道府県へ、「製造販売届出」を提出
今回の倉庫追加を倉庫業者Bから見ると、新たに取り扱い品目が増えることになるので、「製造販売届出」を提出します。これは、倉庫がある都道府県へ提出します。 「製造販売届出」変更届と同じく、一品目につき1部の提出が必要ですので、ご注意ください。x
特筆すべき申請
事業を行う上で、変更が発生した場合、「化粧品製造販売届出事項変更届出」の提出が必要となります。 しかし、変更内容によっては、「化粧品製造販売届出事項変更届出」ではなく、別の申請が必要となるケースがあります。その一例をあげておきます。以下の場合は、申請が変わりますので、注意した方がよいでしょう。また、申請の前に該当する都道府県へ事前相談することで、手続きもスムーズに進みますので、おすすめします。
製造業の許可区分が変わる場合
製造業の許可は、2つの区分に分かれています。この、業務区分が変更となる場合は、「製造業許可区分追加(変更)申請書」と「化粧品製造販売届出事項変更届出」の両方を提出する必要がある可能性が高いです。 また「化粧品製造販売届出事項変更届出」については、一品目につき1部の提出が必要です。多くの品目を取り扱う場合は、たくさんの「化粧品製造販売届出事項変更届出」が必要になります。合わせてご注意ください。
- 化粧品の製造工程の全部又は一部を行う製造区分
- 包装/表示/保管のみの製造区分
倉庫移転または建替えすることになった場合
移転または建替えする場合、「製造業許可申請書」を新たに提出しなければなりません。これは、移転等することで、運用が変更となる部分が発生するためです。「製造業許可申請」を行うとなれば、GQP、GVPの手順変更や都道府県の審査が発生します。早めに移転元、移転先両方の都道府県へ相談する方がよいでしょう。 また、移転先が都道府県をまたぐか否かにより、提出する書類が変わる可能性が高いです。
- 移転先が都道府県をまたぐ場合 移転先:「製造業許可申請書」+「製造販売届出」 移転元:「休止・廃止・再開届書」+「化粧品製造販売届出事項変更届出」
- 移転先が同じ都道府県の場合 「製造業許可申請書」+「化粧品製造販売届出事項変更届出」
倉庫に設備を追加することになった場合
倉庫の移転や建替えの場合は、「製造業許可申請書」に合わせて追加の書類が発生する旨をお伝えしました。ですが、設備を追加する場合は、「化粧品製造販売届出事項変更届出」のみの提出となります。変更届の提出を行った後、GQP、GVPに伴う手順書の更新は必ず行っておいた方がよいでしょう。
まとめ
「化粧品製造販売届出事項変更届出」が必要な場合と注意点について解説してきました。注意すべきポイントは4つです。
- 「化粧品製造販売届出事項変更届出」は、主たる事務所の代表が、変更から30日以内に、変更がある都道府県全てに提出。
- 「化粧品製造販売届出事項変更届出」は、一品目につき1部の提出が必要
- 変更内容により、「化粧品製造販売届出事項変更届出」の提出以外に必要な手続きがあるため、事前に該当都道府県へ相談すべし
- 「化粧品製造販売届出事項変更届出」の他に、GQP、GVPに則った書類の更新も忘れずに