化粧品や健康食品を扱う企業では、BtoBやBtoCサービスを展開する上重要なことが多くあります。例えば、品質を損なわない工夫や効率よく配送するための工夫などです。普段の生活で直接関わる機会がないため、意識しないかもしれませんがドラッグストアなどの実店舗やECサービスで化粧品や健康食品などを購入できるのは、物流企業がサービスをおこない様々な工夫によって成り立っています。この記事では、化粧品や・健康食品を取り扱う物流企業のサービスについて紹介します。
物流企業がおこなっている管理
物流企業は、大きく分けて3つの管理をおこなっています。
- 品質管理
- 消費管理
- 衛星管理
この3つの管理が整っている環境ではないと、化粧品や健康食品を扱うことができません。この3つの管理に関して、紹介します。
徹底した品質管理
化粧品や健康食品などは、適切な環境で保管しておかなければ、商品として劣化してしまい、売り物にならなくなってしまいます。そのため、適切な品質管理をすることが重要です。品質管理には、保管温度や湿度の調整なども含まれます。化粧品やサプリメントなどの健康食品は、高温多湿に弱いため、保管する時は温度と湿度の両方に気を配らなければいけません。通常、品質を保つために直射日光が当たらず、温度変化が少ない15度~25度の場所で保管をしています。また、ほとんどの健康食品は化粧品同様に常温で保存すれば問題ないのですが、ソフトカプセルの皮膜は、湿気と温度に敏感で、低音・低湿度の環境では硬く、高温・高湿度の環境では柔らかくなるので特に注意が必要です。
消費管理
化粧品や、健康食品を始めとして様々な商品には購入者に対して品質を保証し、安心して購入してもらえるように、「トレーサビリティ」という仕組みがあります。トレーサビリティとは、商品が製造されてから消費者に届くまでの過程を把握できる状態を指します。 そのため、全ての商品にはロット番号や製造業者を記載することが義務付けられており、品質の保証が担保されています。また、食品を扱っているので商品の消費期限の管理も徹底して健康被害を起こさないようにしています。
衛生管理
食品を扱うので、商品の衛生管理も大切になります。人が出入りする際には、倉庫の出入り口にシャワーを設置したり、防虫対策、防塵対策なども対策して異物が入らないようにして衛生管理に努めています。
化粧品製造業許可・製造販売業許可の取得
化粧品を製造する際には、法律で許認可を取得する必要があります。物流企業が化粧品などを扱う際は、「化粧品製造業許可」と「製造販売業許可」の取得が必須になっています。許認可化粧品製造業許可は、製造された化粧品を市場に出す際に必要になります。化粧品の製造とは、包装や表示や保管行為などがあります。化粧品を市場に出すのも物流企業の仕事になるため、化粧品製造業許可・製造販売業許可のどちらも必要になります。
出荷方法
化粧品や健康食品を扱う物流はBtoBやBtoCのどちらにも対応する必要があるため、出荷する際の包装などに特徴があります。商品と販促物をセット販売するためにシュリンク包装が行われています。シュリンク包装とは、熱を加えることで収縮するフィルムの性質を利用して、容器の形に沿って包装できるモノです。ノベルティ(企業が認知度を向上させる目的で無料で消費者に提供する商品)やサンプル品の出荷では、販促物も無料で提供するのは同じですが販促物は、企業が商品の購買意欲を持ってもらう、もしくは自社の商品やサービスをもっと利用してほしいなどといった直接的な目的があります。
新商品のお試しノベルティとして購入商品につけたり、初回限定でサンプル品を提供することもあるため重要な商品になります。
輸入化粧品の販売
輸入されてきた化粧品を販売するには、国内で製造された化粧品とは別に作業工程が以下の2つあります。
- 受入検査
- ラベルの日本語表記
受入検査
国外から輸入されてきた化粧品や健康食品が、市場に出すための規格に合っているのか、安全性や品質を確認します。一般的な検査方法として商品に破損がないか確認する目視検査や商品の色や香りに問題がないかを確認する官能検査があります。
日本市場で販売するための包装
化粧品本体や化粧箱へ日本語の法定表示ラベルを貼り付けたり、商品の安全性を高めるために透明フィルムを貼りつけたりします。
ECサービス
皆さんの生活に浸透したECサービスですが、化粧品や健康食品に関しても物流企業の工夫したサービスによって卸売業者や消費者に供給されています。また、ECサイトで購入する場合は実店舗よりも幅広い選択肢から条件を指定して商品を選ぶことが出でき、自分のニーズに合った商品を購入できます。
- 最も近い拠点から配送できるので配達日数を短縮できます。
- 万が一拠点内で災害や事故は起きた場合でも、商品が一箇所に集まっていないので、運営が継続できます。
- 最も近い拠点から配送できるので配送コストを抑えることができます。
- 一度の出荷数が少ない場合も、配送コストが低いので、コスパよく利用できます。
リピート販売
ECサービスでは、次のような理由からリピート販売に適しています。
- 顧客のデータを管理して、まとめ買いや定期購入をするお客様に割引サービスをできる
- 顧客が実店舗に行く手間をかけずにすむので楽
- リピーターの数から需要を計算した上で必要な分を確保しやすいこと
これらのシステムは、システムの自動化を使い誤配送などを防ぐことにより手元に確実に欲しい商品・購入した商品が届く安心感を与えています。
即日配達
ネット通販で受注した場合は、商品の保管から梱包や伝票の作成などの周辺作業を効率的なシステムを使用することによって即日配達を実現しています。即日に配達することができなくても2~3日で自宅に届くことも珍しくありません。このような配達ができる背景として分散出荷があります。ECサービスを展開するにあたっては、拠点を分散させることにより、次のようなメリットがあります。
- 最も近い拠点から配送できるので配達日数を短縮できます。
- 万が一拠点内で災害や事故は起きた場合でも、商品が一箇所に集まっていないので、運営が継続できます。
- 最も近い拠点から配送できるので配送コストを抑えることができます。
- 一度の出荷数が少ない場合も、配送コストが低いので、コスパよく利用できます。
取引先企業に合わせた柔軟な対応
化粧品や健康食品のECサービスと取引をする物流企業は、取引先の規模や成長段階に合わせて、様々な施策や、改善策を行わなければなりません。具体的には、EC事業者の売上拡大に合わせた作業規模の拡大、最適な配送方法の選定などが挙げられます。物流企業の対応力によってEC事業の売上が決まるので、柔軟な対応ができる物流企業であることが望ましいです。
まとめ
日々皆さんが利用している化粧品や、健康食品を物流企業のサービスはどのように供給されているのか紹介しました。保管している倉庫では、品質を損なわないように、温度・湿度を管理することや、製品をロット単位で管理することによって、問題が起きた際のリスク管理もできます。製造会社や物流企業の努力によって安全で高品質な製品を使うことができています。化粧品は管理が難しく、製造したり販売する際は許認可が必要になります。私たちの生活に馴染んで便利な存在となったECサービスは、システムを効率的に使うことによって、リピート販売が容易にできます。また、豊富な品揃えがあるので、近所の店舗では見つからない商品が手に入るのもECサービスの強みと言えるでしょう。