化粧品は昔から女性に需要が高く、近年では化粧品の市場規模が増大して需要はより高まってきています。そんな化粧品は他業界と比べて、化粧品の扱いは難しく品質が重要になるため物流で販売するには課題があります。また、物流を外部委託する際にも選定の条件が厳しくあります。この記事では、そんな化粧品の物流に関する課題や物流委託についてのメリットや注意点、化粧品の取り扱い方について紹介します。
化粧品の物流業界での課題
化粧品を扱う物流業界では次の3つの課題が挙げられます。
- 梱包デザインや設備管理
- 温度や湿度などの環境の変化に敏感であるため、しっかりとした管理が必要
- 包装や製品表示、保管などで改正薬事法の化粧品製造販売業許可が必要
このように課題が挙げられますが、今回は化粧品の物流は取り扱いが難しいという課題に注目していきます。ユーザーを満足させるためには、化粧品を包装するデザインや装飾にこだわりを持って行う必要があります。化粧品は温度や湿度の環境の変化に敏感なため適切な管理のもと扱う必要があります。そして、化粧品を扱うために化粧品製造販売業許可といった許可などが必要となってきます。化粧品の物流業界は需要が高い中、物流の過程で多くのことに注意する必要があります。
化粧品の物流の流れ
まず、一般的な化粧品の物流の流れについて紹介していきます。
1.検品
国内や海外の工場で製造された化粧品がしっかりと届けられているかを確認します。
2.同梱物の確認
購入した化粧品と共に新商品や試供品を同伴する場合があります。この場合、試供品の欠品がないかや同伴漏れ、間違いがないかなどチェックも行います。
3.データ作成
これらのチェックが完了したら商品を管理するためにデータを作ります。取り扱った商品やどのような製品が求められているかなど、製品の販売に関するデータを管理します。
4.発送
小売店やユーザーのもとに発送します。
以上が一般的な化粧品の出荷の流れになってきます。では、次に化粧品の発送代行についてお話していきます。
化粧品の物流を外部委託する際のメリットや注意点
物流のアウトソーシングについて
化粧品業界などは、物流の際に注意する観点が多く自社で管理するのが難しいという点があります。そのため化粧品の物流を外部へ委託するアウトソーシングを取る会社も少なくありません。化粧品は温度や湿度の変化に敏感で、適切な管理のもと扱う必要があり顧客からのクレームなどで突発的な返品などが多く入ります。このような手がかかるサービスなどは、一括して外部へ委託することで解消することができます。さらに、外部委託することでパッケージの更新や梱包アレンジ、新商品の完成による試供品の同伴などといった細かい業務も同時に依頼することができます。では、物流を外部委託する際のメリットについて紹介します。
アウトソーシングする際のメリット
まず、化粧品の物流をアウトソーシングすることによるメリットは以下の2つが挙げられます。
・商品開発に集中できる
商品開発に集中できるメリットとして、化粧品を取り扱う上で、梱包や化粧品の質が変化しないような環境管理など様々な製品管理が求められます。管理業務にも作業をするため人員を割かなければなりません。しかし、そのような業務を外部業者に委託することによって人員を割く必要がなくなります。それにより、流通までの過程における人的リソースを製品制作や研究開発など、化粧品の製品向上などに人員を投入することができます。結果的に化粧品の品質は向上し、会社同士の繋がりを作ることができます。
・人手を減らしコスト削減
人手を減らしコスト削減できるメリットとしては、発送を行う際返品対応や注文物を把握し適切に発送しなければなりません。しかし、返品連絡などはいつどのタイミングで来るか不明瞭です。そのため、常時対応できるための人件費などを確保しなければなりません。しかし、外部に委託することで返品対応がスムーズに行えるとともに、業務の人手を減らしコスト削減に繋がります。
アウトソーシングする際の注意点
化粧品でアウトソーシングを行う際に注意しておきたいポイントは以下の3つが挙げられます。
- 作業の正確性
- 化粧品を扱うのに必要な許可や要件
- 梱包現場や施設内の設備管理
作業の正確性では、誤った製品をユーザーのもとに送ってしまいそれにより正規の使い方とは外れた使い方で支障が出た場合、訴訟などのリスクとなる可能性があります。製品がきちんと管理され、混在したりすることがないように正確な作業性にも注目する必要があります。
化粧品を扱うのに必要な許可や要件では、化粧品は特殊な商品で、包装、ラベル貼付、保管などの流通加工を担う3PL業者には、化粧品製造販売業許可が必要になります。また、医薬部外品の梱包を行うには医薬部外品製造許可の認可を別途取得する必要があります。化粧品製造販売業許可とは、市場に対する最終責任を負って化粧品を日本国内市場に出荷・流通させる業者に対する許可で、平成26年11月に施行された「医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律」(薬機法)に定められています。この許認可を受けるには、以下の2点を網羅する必要があります。
製造所で適正な品質管理体制のもとで製造が行われているかを管理監督できる能力
市場に出荷した製品が不適切な使用はされていないかをチェックするとともに、副作用情報やクレーム情報を国内外から積極的に収集し、製品自体に問題がないかを分析して国への副作用報告、研究報告など適切な安全対策を行うことができる能力
化粧品製造販売業許可によって出荷判定の済んでいない製品の受入から製造(包装・表示、品質試験、各種記録の確認、出荷判定など)、市場への出荷まで一貫したサービスが可能になります。また、医薬品医療機器等法が適用される業務であっても、セット組みやラべリングなど様々な製造作業を行うことができます。
梱包現場や施設内の設備管理は、品物をユーザーなどに届ける際に品質やクオリティは重要視していきます。そのため梱包現場や施設内の設備管理は大切になってきます。先ほども述べた通り、化粧品の管理には温度や湿度などに細心の注意をはらって取り扱わなければなりません。そのため温度や湿度など、製品に影響を極力なくすような設備を整えている必要があります。そのような点を考慮している代行企業を選びましょう。
アウトソーシングを選ぶ際のポイント
これまで化粧品のアウトソーシングについて触れてきました。これらの内容をまとめるとアウトソーシングを選ぶ際のポイントが見えてきます。アウトソーシングする際のポイントは、以下の3つが挙げられます。
- 作業に正確性があり、発注においてミスがなく、安心して任せれる所
- 化粧品製造販売業許可を得ている所
- 温度や湿度などの環境管理ができており、取扱いが丁寧で設備管理が行き届いている所
以上の点を踏まえてアウトソーシングを選ぶことが化粧品の物流を良くする一つの手段です。
まとめ
化粧品は試行錯誤が常に行われ、新商品がリリースされる業界です。日常生活において人の手元にあり、需要がとても高いものです。そのため化粧品の物流業界は目まぐるしく動いています。そんな物流業界の課題点や物流委託についてお話してきました。この記事を読んで物流業界の現状や対応の仕方を知っていただければと思います。