健康食品の倉庫保管を委託しようと考えている方は多いと思います。新型コロナ禍で健康食品市場は堅調に推移しており、出荷量の増大に伴って物流コストも増大していることが要因です。本記事では、これから物流業務を健康食品の倉庫保管を委託しようと考えている事業者様向けに、委託する際の注意点について解説していきます。
健康食品の倉庫保管委託のメリット・デメリット
自社で行っている物流業務を委託することで以下のようなメリットがあります。
コスト削減
倉庫保管を委託する場合も費用は掛かります。一方で、外部業者に委託することで、社内で物流業務に割いていた時間や人件費を削減できます。社内のリソースを気にすることなく万全な物流体制が構築できるため、今後の販売拡大に備えることができます。
サービスの質の向上
委託する外部業者は物流に関して熟練のノウハウを持っており、倉庫管理システム等を用いて業務効率化を行っています。自社で物流業務を行うよりも、より早いスピードで質の高いサービスを提供することが可能です。
人的ミスの削減
消費期限管理や同梱物の封入などは人による管理の場合、ミスが起きやすいポイントです。そのため、ノウハウがある、またはシステムを活用している企業では自社で物流業務を行うよりも効率的に保管・発送してもらうことができます。
基幹業務へ注力できる
社内で物流業務へ割いていたリソースを大幅に削減することができます。物流業務を行っていた時間を、商品企画や広告業務などにあてることができるため、出荷量の増加やプロモーションの強化につながります。一方で下記のようなデメリットが考えられます。
個人情報が洩れる危険性
委託する企業にお客様の個人情報を渡すため、漏洩のリスクがあります。悪用されてしまうと、倉庫委託を行った事業者様自身の評判を落としかねません。個人情報保護に関して認証を取得しているか、管理体制が甘くないかなど確認しなければなりません。
物流ノウハウが蓄積できない
一度外部に委託してしまうと、自社内に物流業務のノウハウが残りません。在庫管理や発注業務に精通した人材を育成することができないため、事業を続ける限り外部へ委託することになります。将来的に内製化したいと考えているのであれば、どのように自社にノウハウを残すか検討が必要です。
柔軟な対応が難しい
化粧品・健康食品の発送についてイレギュラーが発生することがよくあります。自社で対応している場合はチラシやノベルティを同梱したり、定期便の中止やスキップをしたり、柔軟に対応が可能です。しかし、外部業者に委託する場合は、自社ほどのきめ細かな対応は行ってもらえない場合や、追加料金が発生する場合があります。上記のメリット・デメリットを把握したうえで、コスト削減とリスクのバランスが取れた物流業務の方法を探していきましょう。
倉庫保管委託のサービス範囲
外部業者に委託するといっても、業者によってカバーできる範囲は異なります。倉庫保管の委託の場合は、自社で行っている物流業務を丸ごと委託するイメージが近しいでしょう。これを「3PL(=サードパーティー・ロジスティクスの略称)」といいます。上記に対して、化粧品・健康食品をD2Cで販売する際に「フルフィルメントサービス」についてもよく耳にすると思います。こちらは、3PLのように物流を委託するだけでなく、商品の受注から決済までのバックヤード業務全体を委託するサービスを指します。委託する範囲が広いほどコスト削減の効果は大きくなります。自社にあった委託範囲も含めて検討していくことがおすすめです。
倉庫保管の注意点
では、実際に外部業者に倉庫保管を委託する場合、どのような条件をチェックしたらよいのでしょうか。ぜひ下記の点に注意してみてください。
保管温度
健康食品は一般的に「直射日光の当たらない涼しい場所」で保管することが推奨されています。年間を通して気温が変化しやすい日本では、極度な低温や高温にならないよう温度管理が徹底されている倉庫が望ましいでしょう。特に、一定の温度での保管が推奨される商品の物流を依頼するのであれば、希望する温度での保管が容易にできるかが重要なポイントです。
消費期限管理
健康食品の中には消費期限が記載されている商品もあります。消費期限が切れている、または、切れそうな商品が手元に届くと、ネットで拡散されお客様からの信頼を失ってしまうリスクがあります。先入れ先出しで商品の品質を正しくコントロールすることができる業者がベストです。
ロット管理
ロットが管理できていると、万が一不良品が発見されたとしても影響範囲を特定しやすくなります。近年では消費期限管理やロット管理ができるWMS(倉庫管理システム)を利用している業者も少なくありません。システムでの管理体制が整っている業者を選ぶと安心です。
在庫管理
在庫が最適化されると余分な在庫を抱えずに済み、保管コストを削減できます。保管期間が長くなると、前述した消費期限が切れてしまうなどの商品劣化のリスクも高まります。在庫が減ると自動で発注できるシステムを導入している業者もあるようです。熟練のスタッフがいるか、周知・共有が徹底されているかどうかと併せて確認しましょう。
倉庫の立地
物流においては、倉庫自体の立地、交通の利便性も重要なポイントです。サービスの質がどれだけ良くても、交通の便が悪い場合と損失が発生するお恐れもあります。空港や高速道路に近いなど、物流業務のみならず倉庫で働く従業員にとってもアクセスが良いかどうか確認しておくとよいかもしれません。
定期便への対応
健康食品は1回のみの購入ではなく、定期便での提供がほぼ必須の対応になります。委託する業者が定期便への対応を行っているかどうかの確認は重要です。定期便をスキップしたり中止したりする場合にも対応してもらえるかを確認します。フルフィルメントサービスの場合は顧客とのコミュニケーションも委託している場合がありますので、そうした顧客の申し出にも真摯に対応してもらえるか、よく見極めましょう。
ノベルティ、サンプルの出荷への対応
初回購入のお客様にはチラシを同梱する、複数回購入いただいたお客様には購入回数に応じたノベルティを同梱するなど、個別対応を行っている事業者様も多いはずです。自社では細かく対応できていたが、委託にあたりきめ細かな対応はできなくなってしまうと、アップセルやクロスセルの機会を損失してしまうことにつながります。この点については個別見積もりになることが多いため、業者にしっかりと希望を伝え対応できるか確認しましょう。
おわりに
今回は、健康食品の物流における倉庫保管の委託についてチェックポイントをご紹介しました。お客様に大切な商品を届けるために、安心して商品を任せられる業者を選ぶことが重要です。Bentenでは、化粧品・健康食品のOEMや倉庫管理の委託に関してビジネスマッチングを行っています。今回ご紹介したポイントをもとに、ぜひ自社にあった委託企業を探してみてくださいね。
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