オリジナルの健康食品やサプリメントの開発を個人で手掛けるためには、どのような方法があるのでしょうか?健康食品業界への参入者はまったく未経験の方が多いのにもかかわらず、ノウハウ本やマニュアルのようなものがほとんどないため、かなり苦労されるのがほとんどのようです。そこで本記事では、健康食品を個人で開発できるのか?また、その方法はやはりOEMが最適なのか?など、新規参入される方がはじめに知りたくなるような事柄について解説していきたいと思います。
健康食品を個人で開発する方法
健康食品を個人で開発する方法として、次の3つが挙げられます。自作する。輸入販売する。OEMで行う。ここでは、これらの方法についてそれぞれ解説していきます。
自作する方法
- メリット
健康食品を自作するメリットは、どこにもないオリジナルの商品を作り出すことができることです。市販の健康食品には、自分の望んだ成分のほかにもあまり必要性を感じない成分が入っているものが多く、結局どれも似通ったものになってしまうため、なかなか思い通りの商品にはたどり着けないものです。自分で考え、新たに作り出した商品を提供できることは、既存商品との差別化にもつながります。
- デメリット
健康食品を自作するデメリットは、やはりある程度の経験とかなりの費用が必要だということです。健康食品は基本的に食品に分類されるので、医薬品等に比べると製造するにあたっての規制は少ないです。とはいえ、さまざまな手続きや規制などがあるうえに、製造場所としての届け出も必要です。また、商品製造のための設備投資や原材料等の仕入れ費用も決して安いものではありません。さらに、製造段階になっても成分配合や最適な形状選択のノウハウ等も必要となります。このように、まったくの初心者が健康食品を自作することはかなり難しいことは明らかです。
輸入販売する
- メリット
健康食品を個人で輸入販売することのメリットは、まだ日本国内で販売されていない商品をどこよりも早く販売できるということです。健康食品には国によって流行りがあり、ある国で大人気になっている商品(成分)であっても、日本ではまだほとんど知られていないということはよくあります。大手の健康食品メーカーが販売開始し、日本国内での知名度が上がり、類似商品による価格競争が始まってしまうと、個人では到底太刀打ちできないでしょう。そんな商品(成分)にいち早く目を付けて輸入販売することができれば、かなりの売り上げを実現することも不可能ではありません。
- デメリット
健康食品を個人で輸入販売することのデメリットは、安全性に関するリスクがあることです。海外では健康食品としてみなされているものであっても、医薬品成分が含まれていたり、医薬品的な効果・効能が謳われていたりする場合があります。また、日本の食品衛生法では認められていない食品添加物が使われていることもあります。健康被害を未然に防ぐために個人輸入の際には十分なチェックが必要となりますが、これらに関連する法律や該当する成分リストは逐次更新されており、一度覚えたからそれで終わりということはありません。よって、未経験の個人が健康食品を輸入販売する際に安全性を保持することは非常に困難といわざるを得ません。
OEMを行う
- メリット
健康食品製造をOEMで行うメリットは、未経験な部分をカバーしてもらえるうえに、かなりのコストを抑えられるということです。健康食品の自作や個人輸入の場合にはデメリットとなっていた各種手続きや製造時のノウハウ、さらに遵守すべき法律の知識等、経験不足のために困難とされていたほとんどの問題は、経験豊富なOEMメーカーにすべて任せることができます。また、製造工場立ち上げ等の設備投資や人員確保にかかる費用も、OEMを行うことによって大幅に削減することが可能となります。このように、健康食品をOEMにより製造することは、コストを抑えながらプロに任せられるというメリットがあるのです。
- デメリット
健康食品をOEMで製造することのデメリットは、経験やノウハウが身に付きにくいということです。健康食品のOEMを行うと、製造に関するほとんどを委託先のOEMメーカーが行うことになります。製造を任せた分だけ商品の販促等に集中できるという反面、今後自分で健康食品の開発をすることになったとしても経験や知識、技術などに関しては未経験のままということになってしまいます。
総合的に判断するとOEMが最適
紹介してきた3つの方法のうち、健康食品を個人で開発する最適な方法はOEMで行うことではないでしょうか。3つの方法のメリット・デメリットを踏まえたうえで、製造しようとする個人の利益と商品を購入する消費者の安全性を判断すると、健康食品製造のエキスパートといえるOEMメーカーに委託することが最良の方法と考えるのが妥当といえるでしょう。
OEMで健康食品を作る流れ
健康食品OEMの流れは、以下の通りです。
- 問い合わせ・相談OEMメーカーによる商品の内容、予算、数量、納期などについてのヒアリング。
- 提案(見積り)ヒアリングをもとに、OEMメーカーで企画・検討し、商品についての提案と費用を提示する。
- 試作品OEMメーカーが小ロットで商品の試作を行う。
- 商品の確認依頼者は試作品を確認し、改善点があればそれを伝える。調整が完了するまで試作が繰り返されることもあります。
- 工場とのすり合わせOEMメーカーが、実際に商品を製造する工場との生産方法の打ち合わせをする。品質、数量、コストなどを踏まえ、依頼者の要望通りの納期までに仕上げられるよう確認する。
- パッケージデザインOEMメーカーは商品の包装等のパッケージをデザインし、依頼者に確認してもらう。
- 発注・契約パッケージのサンプルを確認し、デザイン確定後に生産を開始する。
- 品質管理完成した製品が仕様書通りにできていて、動作不良や数量不足などがないかなどの検品を行う。
- 納品指定された場所へ納品する。安全かつ低コストに抑えた輸送をしてくれるかも重要ポイントの一つ。
健康食品のOEMメーカーを選ぶうえでのポイント
実際に健康食品のOEMメーカーを調べはじめると、想像以上にその数が多くてどこを選んだらいいか迷ってしまう方も多いはずです。そこで、ここでは数あるOEMメーカーの中から少しでも選定を絞り込みがしやすくなるように、いくつかのポイントを挙げていきます。
小ロットでの依頼が可能か
商品の製造が小ロットでの依頼ができるかどうかが重要なポイントです。やはり、個人での健康食品開発となると、できるだけ費用を抑えたい方がほとんどだからです。かといって、ロット数があまりにも少ないと逆に割増価格になってしまうこともあります。問い合わせの段階で、ロット数とコストの調整に対応してくれる良心的なOEMメーカーを選ぶのが良いでしょう。
健康食品の製造実績が豊富か
健康食品の製造実績が十分なOEMメーカーであることも重要です。健康食品の原料の選定や調達、成分配合のノウハウなどは、多くの製造実績によって培われるものです。最近では、大手の食品メーカーが健康食品の製造を始めているケースも多くみられますが、経験豊富なOEMメーカーにかなわない部分があることも事実です。自分の希望通りの健康食品を製造してくれる実績十分なOEMメーカーを選びましょう。
品質管理基準の認証を受けている工場か
厳しい品質管理基準の認証を受けている工場であることも重要です。衛生・品質管理が徹底されているかを判断する客観的な指標である、食品安全マネジメントシステムに関する国際規格「ISO 22000」を取得していること。原材料の受注・製造過程・製品出荷まで、適切に管理されているかの証明となる「GMP: Good Manufacturing Practice」の認証を取得していること。これらの製造・品質管理に関する基準を満たしている工場を選択することは、信頼のおける健康食品を製造するためにも必須の条件といえるでしょう。
まとめ
本記事では、健康食品を個人で開発するためのいくつかの方法を比較・検討し、OEMで行うことを最適な方法として紹介しました。また、健康食品開発が未経験の方のために、OEMの流れやOEMメーカー選定時のポイントについても解説しました。この記事が、ご希望の健康食品・サプリメント開発の手助けになれば幸いです。