化粧品OEMにはじめて依頼をしようと思っても「初回発注個数はいくつなのか」「最小ロットで発注するメリットやデメリットはあるのか」などわからないことだらけですよね。 また、化粧品OEMへの依頼から製造までの流れも知っておきたい方も多いのではないでしょうか。
この記事では、化粧品OEMではじめて発注を検討している方に向けて、初回発注個数のメリットやデメリット、発注の流れについて解説していきたいと思います。
発注個数とは
発注個数とは、何個発注するのかということです。 製造業界ではロットという言葉がよく使用されていますが、ロットは製品を製造する際の最小単位を指します。 例えば、化粧品OEMメーカーの最小ロット数が1ロット200個の場合、発注数は1ロット200個、2ロット400個、3ロット600個・・・のように発注することです。ロット数は、メーカーによって異なり、決まった単位があるわけではありません。
初回発注個数の目安
初回発注ロットの基本的な目安は、6か月先の販売予定個数の合計くらいを目安にするといいと言われています。はじめてOEMへ依頼する場合、在庫をたくさん抱えるリスクを避けたり、予算を抑えるために小ロットの発注からはじめていきたいのではないでしょうか。
最低発注個数
一般的に最小ロットは1,000個や3,000個で設定しているメーカーがほとんどです。中には100個から対応してくれるメーカーもありますが、基本的に1,000個以下で対応してくれるメーカーは少ないといっても過言ではありません。小ロットの場合、処方や使える容器などに制限がかかることもあり得るので、選択肢をできるだけ広げたい場合は、ロット数1,000または3,000個以上から探すことをおすすめします。
化粧品OEMの発注個数を最小限に抑えるメリット
発注個数を最小限に抑えるメリットとして以下の3つがあげられます。
- 在庫を抱えなくてよい
- 費用を抑えられる
- テストマーケティングができる
では、この3つについて詳しく解説していきます。
在庫を抱えなくてよい
1つめのメリットは、在庫を抱えなくてもよいという点です。 在庫を抱えるというだけで、倉庫などの余計な費用がかかってしまいます。商品が売れないという損失だけでなく、在庫を保有している間の費用も発生してしまい、会社の負担にもなりかねません。したがって、化粧品OEMに小ロットで依頼することは、売れなかった場合のリスク回避につながります。
費用を抑えられる
2つめのメリットは、費用の総額を抑えられるという点です。 ロット数が大きいほうが1個あたりの単価は安くなりますが、最初にかかる費用が高くなります。はじめてオリジナル商品を作る場合、販売数の見込みがよめないということもあるので、利益率が落ちたとしても、費用の総額を抑えるほうがいいでしょう。
テストマーケティングが行える
3つめのメリットは、テストマーケティングが行えるという点です。 実際に商品が売れるかどうかは、販売してみないとわからないですよね。小ロットの発注にしておけば、売れ行きを見てから追加発注することも可能ですし、新たに改良を重ねて納得のいく商品を作れます。テストマーケティングを行うことで、売れる商品を量産していくことが可能となり、利益を見込めるようになるでしょう。
化粧品OEMの発注個数を最小限に抑えるデメリット
発注個数を最小限に抑えるデメリットとして、以下の3つがあげられます。
- 1つあたりの費用は高くなる
- ボリュームディスカウントができない
- 資材の選択肢が狭まる
では、この3つについて詳しく解説していきます。
1個あたりの費用は高くなる
1つめのデメリットとしては、1個あたりの費用が高くなるという点です。 OEMメーカーでは、化粧品製造にあたり化粧品の原料などの変動費以外に、工場の保守運営や衛生管理費などの固定費が原価として発生しています。ロット数が少ないということは、1個あたりの商品原価が割高になるということです。解決法としては、他で原価を下げるか、小ロット生産が得意な化粧品OEM会社に依頼することで1個当たりの費用を抑えられるかもしれません。
ボリュームディスカウントができない
2つめのデメリットは、ボリュームディスカウントができないという点です。 ボリュームディスカウントとは、まとめて取引することによって割引価格で仕入れができるという取引方法ですが、ロット数が多ければ、ボリュームディスカウントが効き、1個あたりの原価が安くなるという仕組みです。 例えば、1,000個100万円で作った製品(1個あたり1,000)を、3,000個作った場合240万円(1個あたり800円)に抑えられるというようなディスカウントが効きます。 1個あたりの原価によって、販売価格も影響してくるので、段階的に大ロットで生産するということも考慮しておくといいでしょう。
資材の選択肢がせばまる
3つめのデメリットとしては、資材の選択肢が狭まるという点です。 化粧品OEM会社自身で容器やラベルを作っているわけではなく、他に依頼しているところが多く、発注数もある程度でなければ対応していないこともあります。そうなると、元々工場にある資材を使うことになり、オリジナル性やデザイン性が欠けてしまうことも考えられるでしょう。 化粧品OEM会社によっては、小ロット生産向けに資材選択の対応をしてくれている会社もあるので、オリジナル性やデザイン性も欲しい場合は、そういった会社を選ぶこともひとつの方法です。
化粧品OEMで発注する流れ
化粧品OEMに小ロットで依頼する場合の流れを紹介していきます。 小ロットの発注であってもロット数の大きな発注と流れは変わりません。
- 打ち合わせ どういった商品を作りたいか、予算、生産個数、希望納期等の打ち合わせを行います。
- 試作品製造 打ち合わせ内容を基に要望・コンセプトにあった試作品の製造を行い、テストを行いながら改良を重ねイメージに近づけていきます。
- 製品仕様の検討 容器の形や箱の有無など、商品の包装について考えていきます。
- 製品処方の決定 化粧品の処方と製品仕様が決まれば、見積の作成が行われます。
- 契約 契約を締結し発注書をもらい、ここで薬事申請を行ってくれる場合もあります。
- 資材手配 確定した容器の安全性や、そのほか各種法令に合わせて表示内容などの公正が行われ、資材の手配がされます。
- 製造・生産 実際に商品が製造されます。
- 納品 完成した商品の納品です。
あくまでも目安ですが、打ち合せ開始から見積決定まではスムーズに進んでも3ヶ月程度かかります。 見積決定後も、工場側では原料や資材の調達・処方の安定性・容器との安定性・薬事申請手続きなどの準備も必要になってくるので、納品までにも3ヶ月程度かかるでしょう。 したがって、1つのオリジナル商品が納品されるまでのスケジュールは6ヶ月程度です。小ロットだからといって、早く作れるというわけではありません。 トラブルなどが発生することも予想されるので、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
まとめ
この記事では、化粧品OEMではじめて発注を検討している方に向けて、初回発注個数のメリットやデメリット、発注の流れについて解説しました。 小ロットで発注するメリットは、費用を抑えられ在庫を抱えるリスクを減らせるのはもちろん、テストマーケティングが行えるので市場に対してより良いオリジナルの商品開発が行えるのは大きな魅力でもあります。
ぜひ、この記事を参考に化粧品OEMへの検討を考えてみてはいかがでしょうか。