比較広告って何?ブロガーやインフルエンサーも必要??>
比較広告って言葉をご存知ですか?
よくブログやCM、サイトでよく見るA社、B社、C社とか電化製品のスペック比較とか、そうあれです。色んな商品を並べて機能を比較したり、性能を比較したり、使用感を比較したり、有用な広告宣伝ツールです。自分がメーカーであったり、サービスを展開する会社であったりする場合、広告を打つ時は必ず守らなければなりません。
この比較広告には実は法律があり、それが景品表示法という法律が関わってきます。私はメーカーだから関係がないと思っている人も多いかもしれませんが、そんなことはありません。ブログやInstagram等のSNS、youtube等でよく見る比較もアフィリエイトでリンクを貼っていたり、何らかの収益を得ていたら立派な広告になります。その場合はもしかしたら景品表示法の範囲内のことをしているかもしれません。その場合は法律を守る必要があります。
景品表示法における比較広告とは
景品表示法における比較広告とは、他社製品と性能などを比較し、自社製品の優位性をうたうものを指しています。
比較広告に関する景品表示法上の考え方改正 平成28年4月1日 消費者庁
景品表示法を管轄していた公正取引委員会(現在は消費者庁)が「比較広告に関する景品表示法上の考え方(比較広告ガイドライン)」を公表し、そこで適正な比較広告の要件、その他注意事項などについての考え方を示しています。重要な一部を抜粋してみましょう。
景品表示法における比較広告ガイドラインのポイント
比較広告が不当表示にならないようにするためには、一般消費者に誤認を与えないようにするため、次の3つの要件をすべて満たす必要があります。
- 比較広告で主張する内容が客観的に実証されていること。
- 実証されている数値や事実を正確かつ適正に引用すること。
- 比較の方法が公正であること。
1~3は、どういう意味なのかそれぞれ見て行きましょう
1. 比較広告で主張する内容が客観的に実証されていることはどういうこと?
<実証が必要な比較広告の範囲とは>
- 比較広告で主張する事項の範囲
例えば、「某市で調査した結果、A商品よりB商品の方が優秀であった。」という比較 広告を行う場合には、
1 某市において、A商品とB商品との優秀性に関する調査が行われていること
2 主張するような調査結果が出ていることが必要
<実証の方法>
- 比較する商品等の特性について確率された方法がある場合にはその確立された方法で行う。
- それが無い場合には社会通念上及び経験則上妥当と考えられる方法によって、主張 しようとする事実が存在すると認識できる程度まで、行われている必要とされています。
- 公的機関が公表している数値や事実及び比較対象商品などを供給する事業者がパンフレットなどで公表し、かつ、客観的に信頼できるものと認められる数値や事実は当該数値や事実を実証されているものとして取り扱い可能。
具体例に関しては景表法の考え方をよく読んでください
<調査機関>
-
調査を行った機関が広告主とは関係のない第三者(例えば、国公立の試験研究機関等の 公的機関、中立的な立場で調査、研究を行う民間機関等)である場合には、その調査は客 観的なものであると考えられるので、このような調査結果を用いることが望ましい。
- 自社もしくは自社に関連する所が行う評価は、良い結果に偏る傾向が否めないため、そういう面から考えれば無関係な第三者によるものが望ましい。
2. 実証されている数値や事実を正確かつ適正に引用すること
<調査結果の引用の方法>
- 実証されている事実の範囲内で引用すること
- 調査結果の一部を引用する場合には、調査結果の趣旨に沿って引用すること
<調査方法に関するデータの表示の仕方>
- ある調査結果を引用して比較する場合には、一般消費者が調査結果を正確に認識する ことができるようにするため、調査機関、調査時点、調査場所等の調査方法に関するデー タを広告中に表示することが適当
- 調査方法を適切に説明できる限り、広告スペース等の関係から、これらのデータを表示しないとしても特に問題ない
-
調査機関や調査時点等をあえて表示せず、調査の客観性や調査時点等に ついて一般消費者に誤認を生じさせることとなるような場合には、不当表示となるおそれ
3. 比較の方法が公正であること
<表示事項(比較項目)の選択基準>
特定の事項について比較し、それが商品等の全体の機能、効用等に余り影響がないにもかかわらず、あたかも商品等の全体の機能、効用等が優良であるかのよう に強調するような場合には、不当表示となるおそれ
<比較の対象となる商品等の選択基準>
- 社会通念上又は取引通念上、同等のものとして認識されていないものと比較し、あたかも同等のものとの比較であるかのように表示する場合には、不当表示となるおそれ
- 製造又は販売が中止されている商品等と比較しているにもかかわらず、あたかも現在製造又は販売されている商品等との比較であるかのように表示することも、不当表示となるおそれ
<短所の表示>
- <一般に、ある事項について比較する場合、これに付随する他の短所を表示しなかったとしても可能。
- 表示を義務付けられており、又は通常表示されている事項であって、主張する長所と不離一体の関係にある短所について、これを殊更表示しなかったり、明りょうに表示しなかったりするような場合は不当表示となるおそれ。
簡単に言うとこのようになります。
口コミサイトはどうなの?
口コミサイトやアプリもたくさんありますが、景品表示法にひっかかるのかどうなのかは気になるところです。最近ではInstagramも口コミサイト化してきており、これについてはどうなのか気になるところだと思います。これについてはインターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項一部改定 平成24年5月9日 消費者庁が参考になります
インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項(一部抜粋)
消費者は口コミ情 報の対象となる商品・サービスを自ら供給する者ではないので、消費者による口コミ情報は景品表示法で定義される「表示」 には該当せず、したがって、景品表示法上の問題が生じることはない。 ただし、商品・サービスを提供する事業者が、顧客を誘引する手段として、口コミサイトに口コミ情報を自ら掲載し、又は第三者に依頼して掲載させ、当該「口コミ」情報が、当該 事業者の商品・サービスの内容又は取引条件について、実際のもの又は競争事業者に係るものよりも著しく優良又は有利であると一般消費者に誤認されるものである場合には、景品表 示法上の不当表示として問題となる。
(4) 景品表示法上の留意事項
商品・サービスを供給する事業者が、口コミサイトに口コミ情報を自ら掲載し、又は第三者に依頼して掲載させる場合には、当該事業者は、当該口コミ情報の対象となった商品・ サービスの内容又は取引条件について、実際のもの又は当該商品・サービスを供給する事 業者の競争事業者に係るものよりも著しく優良又は有利であると一般消費者に誤認され ることのないようにする必要がある。
つまり何て書いてあるのかというと口コミサイトは基本は景品表示法の対象にはならないけど、景品表示法的にあまりにもひどい場合やメーカーが第三者を使って口コミを書く、裏でメーカーと何かしらつながっていた場合などは対象になりますよということです。
アフィリエイトプログラムはどうなの?
ブロガーやインフルエンサーの方はアフィリエイト広告をやっていると思いますが、それについての見解についても上記の留意事項で書かれています。
(2) 景品表示法上の問題点 アフィリエイターがアフィリエイトサイトに掲載する、広告主のバナー広告における表示に関しては、バナー広告に記載された商品・サービスの内容又は取引条件について、実際のもの又は競争事業者に係るものよりも著しく優良又は有利であると一般消費者に誤認され る場合には、景品表示法上の不当表示として問題となる。
広告主のサイトへのリンク(バナー広告等)をクリックさせるために行われる、アフィリ エイターによるアフィリエイトサイト上の表示に関しては、アフィリエイターはアフィリエ イトプログラムの対象となる商品・サービスを自ら供給する者ではないので、景品表示法で 定義される「表示」には該当せず、したがって、景品表示法上の問題が生じることはない。
(4) 景品表示法上の留意事項
○ アフィリエイトプログラムで使用されるバナー広告において、二重価格表示を行う場合には、広告主は、最近相当期間に販売された実績のある同一商品・サービスの価格を比較 対照価格に用いるか、比較対照価格がどのような価格であるかを具体的に表示する必要が ある。
○ アフィリエイトプログラムで使用されるバナー広告において、商品・サービスの効能・ 効果を標ぼうする場合には、広告主は、十分な根拠なく効能・効果があるかのように一般消費者に誤認される表示を行わないようにする必要がある。
結局、アフィリエイトプログラムも景品表示法の対象にはならないけど、明らかにひどい場合や根拠がないのに効果があるように見せる行為は景品表示法を守らないといけなくなるため、何でもできるわけではありません。
化粧品の場合の比較広告は景品表示法だけではない薬機法も守らないといけません
しかーし。この景品表示法はあくまであらゆる商品全部に関わる法律になります。そして、化粧品の場合はさらに知識が必要になってきます。
化粧品の比較広告を考える場合は景品表示法だけではありません。もうひとつのもっと大切な薬機法という法律を守らなければなりません。こちらについては別の記事にてご紹介します
つまり、景品表示法の対象になっていなくても薬機法の対象になっていれば、薬機法を守る必要があるということになります。そしてこの薬機法は景品表示法よりもさらに厳しい内容になっていますので、注意が必要です。