プロポリスは、ローヤルゼリーと同様に注目されている健康食品です。ミツバチが巣を補強するために作り出した天然の成分で、多種多様の植物が混ざっており、健康維持にいろいろと期待ができます。プロポリスを摂取することでどのような効果があるのか、摂取方法など、プロポリスについて紹介します。
プロポリスって何?
プロポリスとは、ミツバチが細菌や外敵から巣を守るために使う巣の補強材です。ミツバチは巣にプロポリスを使うことで巣内を清潔に保っています。ミツバチは植物の新芽や樹皮などを使ってプロポリスを作り出すため、プロポリスにはミネラル、ビタミン、アミノ酸、フラボノイド、桂皮酸誘導体など、たくさんの成分が含まれており、貴重な天然の物質です。
プロポリスの語源は、ギリシャ語と言われています。「プロ(PRO)」は「守る」や「防ぐ」という意味の接頭語で、「ポリス(POLIS)」は「都市」という意味です。巣を守ることから「プロポリス」と名付けられたといわれています。
プロポリスの成分
プロポリスには、ミネラル類やフェノール酸類、フラボノイド類、桂皮酸誘導体など、300種類以上の成分が含まれています。これらは植物の樹液やミツバチの体内に含まれるものではなく、その2つが合わさることで作り出される自然の成分です。特に、フラボノイド類と桂皮酸誘導体は、人間の健康維持に大変役立ちます。
プロポリスの種類
プロポリスは世界各地で採取されているのですが、成分を比較してみると、産地ごとに成分や品質、色、香りが異なります。これは、産地によってミツバチの種類が違ったり、周囲の植物が異なったりしているため、成分に違いが出ています。プロポリスの種類は大きく「ヨーロッパタイプ」と「ブラジルタイプ」に分けられます。
プロポリスに期待される効果
プロポリスにはたくさんの成分が含まれており、細菌の繁殖を抑制する働きがあります。また、人間の体調改善や健康維持にも役立ちます。ここではプロポリスの効果について紹介します。
老化の抑制
人の老化は活性酸素が関係しています。活性酸素とは、呼吸で取り込んだ酸素の一部が、通常よりも活性化された状態のことで、活性酸素により、体内の細胞が傷つけられることで老化現象が引き起ります。プロポリスに含まれるフラボノイドは抗酸化物質で、活性酸素の作用を予防する効果があります。プロポリスを摂取することで、抗酸化機能の働きを補うことができ、老化を抑制することが可能となります。
物忘れの防止
年齢とともに物忘れが多くなってきます。これは脳梗塞や認知症など、神経細胞関係の疾患の可能性が考えられます。プロポリスには神経細胞の形成を高める効果があることから、神経細胞の修復をサポートする働きがあり、物忘れの防止に繋がると言えます。
肥満予防
生活習慣においては、肥満は健康上の重大な問題です。原因はさまざまですが、その一つに、体内の脂質代謝が低下していることが関係しています。脂質代謝が低下すると、体内で脂質の流れが調節できなくなり、血液中のコレステロールや中性脂肪が多くなりすぎ、動脈硬化が進んでしまう危険性が大きいです。
プロポリスには、脂質代謝をコントロールする働きがあります。プロポリスを摂取することで、体脂肪が蓄積されにくくなり、コレステロールの低下を手助けしてくれるため、肥満を予防する働きが見込めます。
血糖値の正常化
血糖値は血液中にあるブドウ糖の濃度のことです。食事で炭水化物などが消化されてブドウ糖となり血液に吸収されるので、食事後は血糖値が上昇します。健康な人であれば、膵臓からインスリンが分泌され、食事後2時間ほど経過すると血糖値が下がるのですが、インスリンの分泌が正常に機能しない場合、血糖値が高いままとなり、糖尿病になってしまいます。
プロポリスには、インスリンの分泌を改善する機能があり、プロポリスを摂取することで、血糖値を正常に保つことが可能となります。
風邪の予防
プロポリスには抗菌効果や免疫力を上げる効果があるため、風邪やインフルエンザなどの予防効果があります。
花粉症の予防
花粉症はヒノキやスギなどの花粉が原因で、鼻水やくしゃみなどのアレルギー症状を引き起こす病気です。花粉が目や鼻の粘膜に付着することで、ヒスタミンが放出されてかゆみや炎症を起こします。プロポリスはヒスタミンの放出を抑える効果があるため、プロポリスを摂取することで、かゆみや炎症を軽減する効果が見込めます。
プロポリスの摂取方法
プロポリスには、液体、顆粒、カプセルなど、いろいろな商品があります。プロポリスの摂取量は、1日あたり300mgが目安(※1)です。また、プロポリスにはビタミンCが含まれていないので、柑橘類などのビタミンCと一緒に摂取すると良いとも言われています。
プロポリスの中にはたくさんの成分が含まれているため健康に良いと言われていますが、注意しないといけないのは、健康に良いものだからと言って、過剰に摂取することは良くありません。過剰に摂取すると身体に悪影響を及ぼす可能性があります。また、他のサプリメントと同時に服用する場合、特定の成分のみ過剰に摂取してしまう可能性があるので、同時に服用するサプリメントにも注意が必要です。
まれに、プロポリスを摂取した後に、かゆみ、かぶれ、発疹、胃腸障害などの症状が出る場合があります。プロポリスにはミツバチの体液も含まれるので、ハチアレルギーの方は使用を控えた方が良いかもしれません。
プロポリスの品質
世界各国で採取されているプロポリスですが、原産地や抽出方法によって成分の種類や品質が変わってきます。一般的にブラジル産のプロポリスは高品質と言われています。ブラジルは自然豊かな土地で「バッカリス・ドゥラクンクリフォリア」、「ローズマリー」など、数多くの天然ハーブが自生しており、良質なプロポリスづくりに適した環境です。
特に、南米特有の植物である「バッカリス・ドゥラクンクリフォリア」が使われたプロポリスは、桂皮酸誘導体が多く含まれており、効果が高いと言われています。また、ブラジルのミツバチは「アフリカ蜂化ミツバチ」と言われる種類で、行動範囲が広く、有用な成分を大量に集めてくるのが特徴です。防衛本能が強いハチであることから、自分たちを守るために良質なプロポリスを作り出すと考えられています。
まとめ
この記事では、プロポリスの概要や効果について紹介しました。プロポリスの歴史は古く、古代エジプトにてミイラの防腐剤として用いられたり、古代ギリシャや古代ローマで、感染予防や皮膚の疾患に用いられたりしていた記録が残っています。古代ギリシャの哲学者、アリストテレスの著書の中でも、プロポリスは感染症、切り傷、皮膚の疾患に効果があると記述されており、古代よりプロポリスが使われてきたことがわかります。
ただし、現代においては、プロポリスは健康食品であって医薬品ではありません。したがって、即効性を期待してもすぐに効果は表れません。大切なのは、決まった用量を毎日継続して摂取することです。摂取したりしなかったり、飲まなかった日の分を後日まとめて摂取したりすることは避けてください。1日の摂取量を守りながら、毎日摂取することをおすすめします。
また、プロポリスは原産地によって成分がまったく異なります。例えば同じミツバチから採取するローヤルゼリーは、ミツバチの咽頭腺から分泌される物質のため、産地によって成分が異なることはほとんどありません。しかし、プロポリスはミツバチが集めてくる植物が原料になっているため、周りの環境や植物に大きく影響されます。
同じプロポリスという名前でも、原産地によって成分が異なるため、効果も違ってきます。原産地と成分と効果を考慮し、正しい情報を元に、自分に合ったものを選ぶことが望ましいです。