意識すべき物流業のマーケティング戦略
新型コロナウイルスの感染拡大により、物流を取りまく状況は大きく変わっています。そして物流は「勝つ企業は、戦略物流を重視する」と言われるほど、商品を販売するにあたって大切なポイントです。
これから健康食品OEMを始めようとしている人は商品の企画だけではなく、包装を工夫するなど、物流面を重視したマーケティング戦略を意識すべきです。
今回は物流業を取りまく状況・物流業で意識すべきマーケティング戦略とは?について解説します。
物流業を取りまく状況
大きく変化し続ける物流業を取りまく状況を紹介します。
物流の外部委託化の増加
新型コロナウイルス感染拡大を受け、物流を見直す企業が増えています。巣ごもり需要の高まりにより、通販需要の拡大し、宅配便の取扱量が増加傾向にあるためです。
「物流委託先選びに関するアンケート調査」では36.7%のEC業者が「オンライン売上増に伴う物流業務改善のために、物流の委託を導入した」と回答。これまで自社で担ってきた物流を他者に委託する企業が増えていることがわかります。
また、物流を委託する企業を選ぶ際に重要視する項目上位には
- 「委託コストを最小限に抑えられるか」……62.4%
- 「保管方法や設備が整っているか」……40.4%
- 「自社に合った柔軟なオプションを用意してくれるか」……39.4%
が上がりました。
物流を他社に委託する場合、多くの企業は委託する企業の費用や設備やサービス内容など、多様なニーズに応えてくれるかを重視していることがわかりました。
(※アンケート結果はhttps://www.shopowner-support.net/attracting_customers/shipping_car/transport/logistics-consignment-survey/から引用)
モーダルシフト等物流効率化の促進
モーダルシフトとは、トラックなどの自動車で行われる貨物輸送を、環境問題を鑑み、環境負荷の小さな鉄道や船舶へと転換する動きを指します。
国土交通省の掲げる「モーダルシフト等推進事業」において、物流総合効率化法の枠組みのもと、「物流分野の労働力不足カバーするため」「温室効果ガスの排出量を削減するため」有効な方法としてモーダルシフトを促進しています。
そのため、モーダルシフトに関する協議会の開催や調査事業、総合効率化計画にもとづく初年度の運航経費の一部を国が補助する動きがあります。
参照元:国土交通省「モーダルシフトとは」(https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/modalshift.html)
運送トラック運転者の高齢化により将来的に人材不足となる
「労働市場の未来推計2030(パーソル)」は、2030年には労働需要における運輸・郵便分野の労働供給が、21万人不足すると予測しています。
さらに国土交通省が公開している資料「道路貨物運送事業における労働力の状況」によると、トラックドライバーは他の産業と比べ平均以上のペースで高齢化が進んでいるため、高齢層が退職してしまうと、さらに労働力不足が深刻化する恐れがあるといわれています。
参照元:国土交通省資料「物流を取り巻く動向について(令和2年7月)」(https://www.mlit.go.jp/common/001354692.pdf) 参照元:パーソル総合研究所「労働市場の未来推計2030」(https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/research/activity/spe/roudou2030/)
物流業で意識すべきマーケティング戦略とは
物流業界は今後ますます活発な動きを見せ、需要が高まり続け、コロナ収束後もこの流れが変わることはないと言われています。よって、物流が取り組むべき課題をしっかりと把握し、マーケティング戦略を再構築する必要があります。
課題や問題ばかりで頭を抱えている会社も少なくないとは思いますが、「勝つ企業は、戦略物流を重視する」とも言われています。物流が取りまく状況をチャンスとできるかどうかはマーケティング戦略次第なのです。
この章では今後物流業で意識すべきマーケティング戦略を紹介します。
物流業界の課題解決
まずは物流業界を取りまく状況が抱える
- 人手不足
- 高齢層の退職、働き方改革による労働時間削減により退職者が増加する恐れがある
- 運送会社による荷主の選別
- 貨物自動車運送事業法の改正による荷主への影響や責任の変化
これらの問題を経営課題として、マーケティング戦略を構築することを意識せねばなりません。
インバウンドマーケティングの強化
インバウンドマーケティングとは、WebサイトやSNSなどで情報を発信し、顧客から自社サービスを「みつけてもらう」マーケティング手法です。インバウンドマーケティングには自社のホームページやスタッフブログ、メールマガジンなども含まれます。
新型コロナウイルスの感染拡大により、営業に出向くといったアウトバウンドマーケティングが難しくなり、また展示会などの客足も減少しているため、インバウンドマーケティングに力を入れる企業が増えています。
そして、物流業界も例外ではなく、Webマーケティング全般を見直し、自社を見つけてもらい選んでもらうための戦略を意識する必要があります。
インサイドセールスの確立
インサイドセールスとは、成約につながる見込み顧客をみつけ、社内で営業に引継ぎアプローチする手法のことです。インサイドセールスには、下記の重要なポイントがあります。
インサイドセールスを成功させるためには、
- 営業担当の効率と成約率を上げるため、見込み顧客に優先順位をつける
- 見込み顧客との関係性を維持する
- 営業担当者との情報連携を強化する
という3つのポイントがあります。
インサイドセールスの手法は、メルマガやSNSでの定期的な情報発信、ホームページへのコンテンツ追加やプレスリリース、さらにアプリでのプッシュ通知など、多岐にわたります。
特にSNSやHPからついた見込み顧客の情報を営業が把握し、アプローチすることができれば営業確度を向上させることが可能となるため、物流業界もインサイドセールスの確立が急がれます。
まとめ
今回は
- 物流業を取りまく状況
- 物流業で意識すべきマーケティング戦略
を紹介しました。
物流業界を取りまく問題は、今後健康食品OEMを始めようとしている人にも無関係ではありません。
健康食品OEMの販売をする人は商品の企画だけではなく、物流も重視すると思わぬチャンスが舞い込んでくるかもしれません。