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「睡眠サポート」を広告で謳える?言い換え表現は?薬機法・景表法を解説

「睡眠サポート」を広告で表現できる?言い換え表現は?薬機法・景表法を解説

「睡眠サポート」を広告で謳える?言い換え表現は?薬機法・景表法を解説

 

最近は「寝つきを良くするサプリメント」や「よく眠れる枕」など、睡眠サポートに関するさまざまな商品が登場しています。

 

しかし、健康食品や雑貨の広告に身体や精神に影響を与える表現を使用すると「医薬品的な効能効果を標榜している」として薬機法違反となるため注意が必要です。

また、優良誤認表示として景表法違反とされる可能性があることも知っておきましょう。

 

本記事では、「睡眠サポート」などの睡眠に関する広告表現の適切な使い方について解説します。

健康食品や雑貨の広告制作に関わる方は、参考にしていただければと思います。

 

健康食品や雑貨で「身体や精神に影響を及ぼす」広告表現はNG

 

「睡眠サポート」「寝つきを良くする」といった表現は、「身体や精神を改善させるなど、何らかの影響を及ぼす内容」と考えられています。

こうした内容の広告表現を健康食品に使用した場合は「医薬品的な効能効果を標榜している」として薬機法違反となるため注意が必要です。

 

(承認前の医薬品、医療機器及び再生医療等製品の広告の禁止)
第六十八条 何人も、医薬品若しくは医療機器又は再生医療等製品であつて、まだ承認又は認証を受けていないものについて、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはならない。

薬機法第68条より引用)

 

また、枕やぬいぐるみ、睡眠系のCDなど雑貨にあたる商品については、身体や精神に影響を与える内容の広告表現は「医療機器的な効能効果を標榜している」とされて薬機法違反に該当します。

 

「医薬品等適正広告基準」に基づいた医療機器的効果の表現はできない。
医師又は歯科医師の治療若しくは医薬品又は医療機器でなければ一般的に治癒が期待できない疾患について、美容・健康関連機器を使用することで改善等が期待できるような広告はしない。

家庭向け美容・健康関連機器等適正広告表示ガイドより引用)

 

こうした不適切な広告表現は、薬機法による規制を受けるだけではありません。景表法においても、優良誤認表示として不適切とみなされる可能性があるのです。

 

(不当な表示の禁止)
第五条 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。
一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの

景表法第5条より引用)

 

「快適な睡眠空間をサポートする表現」なら使用OK

 

健康食品や雑貨では「睡眠サポート」「睡眠の質を高める」「目覚めを良くする」といった広告表現は全て薬機法違反に該当します。

しかし、「快適な睡眠空間」「朝からスッキリ」などの広告表現なら使用が認められるのです。

 

この違いは「睡眠」という身体の変化を直接的に表現しているかどうかによって発生します。

「睡眠中の空間を心地良くする」ための製品であるといった広告表現は、身体の変化を直接的に表現しているとは考えられていません。

 

また、睡眠中に使う雑貨の広告において「眠りを妨げる要素をカットした」という内容を記載することでも、広告規制に違反せずに「睡眠サポート」を表現することが可能です。

 

「夢」を暗示させる内容も薬機法違反となる可能性が

 

眠っている間に見る「夢」も「睡眠」を強くイメージさせるワードと考えられています。

 

そのため、「あなたを「夢」へと誘います」といった広告表現では「睡眠」を強く暗示しているため薬機法や景表法に抵触する可能性があるのです。

こうした広告表現を言い換える際には「夢の世界へと誘います」「夢心地へと誘います」といった「夢のような気分」という意味のワードを使いましょう。

 

これらのワードは、身体の変化を直接的に表しているとはみなされないため、広告への使用が認められるのです。

 

「ストレス」「リラックス」表現の使用にも注意が必要

 

「ストレス」や「リラックス」を標榜することも「睡眠」に繋がると考えられるため、注意が必要です。

 

「ストレス」に関する広告表現を使用する際は「常に忙しい方に」や「心を満たして、良いおやすみ時間に」などの言い換える工夫を行いましょう。

「リラックス」については「リラックスタイムに」などの言い換える表現であれば広告としての使用が認められる可能性が高いとされています。

 

健康食品での違反事例

 

健康食品広告での使用がNGとなる内容には次のようなものがあります。

 

  • 医薬品的な効果効能があるような表現(改善、再生、活性化、治療)
  • 身体機能の変化についての表現(睡眠導入、熟睡、寝つきを良くする、ストレス)
  • 特定部位を表す表現(精神、脳、目、自律神経)
  • 症状や病名の記載(不眠症、うつ病、自律神経失調症)
  • 用法用量の指定(就寝前にお飲みください、1日1回必ずお飲みください)
  • 不安を煽る表現(手遅れになります、後悔する前に、病気の信号ですよ)
  • 安全性の保証(安心安全、大丈夫、副作用の心配なく)
  • その製品を使うだけで良いといった表現(飲むだけで、何もしなくても、病院いらず)
  • 最大級表現(最高、最大、ナンバーワン、抜群)
  • 有名人や専門家が推薦しているとした表現(医師の推薦、大学教授が認めた、検査済み)
  • 他社を誹謗中傷するような内容(○○社製品にはない、これまでにはない)

 

健康食品広告での使用が認められる表現

 

健康食品の広告での使用がOKとなっている表現には次のようなものがあります。

 

  • サポート表現(忙しい毎日に、アクティブな日々を)
  • 使用感の表現(飲みやすい、香りがいい、ひんやり)

 

使用には注意が必要となる表現

身体の部位を表すワードに合わせての使用はNGです。

 

  • 朝からスッキリ
  • ハツラツとした
  • リラックス

 

健康食品広告での言い換え表現例(参考)

健康食品広告でについて「睡眠サポート」について表現する際に認められている言い換え表現をまとめました。

これらの表現例を健康食品の広告を作成する際に参考にしてみてください。

 

「睡眠サポート」に関する表現を言い換えたい時の具体例

NG:寝つきを良くします
OK:良いお休み空間に

NG:夢へと誘います
OK:夢心地へと誘います

NG:リラックス
OK:リラックスタイムに

 

美容機器、雑貨での違反事例

 

美容機器や雑貨広告での使用がNGとなる内容には次のようなものがあります。

 

  • 医薬品的な効果効能があるような表現(改善、再生、活性化、治療)
  • 身体機能の変化についての表現(睡眠導入、寝つきを良くする、ストレス、リラックス)
  • 特定部位を表す表現(精神、脳、目、自律神経)
  • 症状や病名の記載(不眠症、うつ病、自律神経失調症)
  • 用法用量の指定(毎日5分だけ、就寝前にお使いください)
  • 不安を煽る表現(手遅れになる前に、病気の信号ですよ、このままでいいの?)
  • 安全性の保証(安心安全、大丈夫、副作用はありません)
  • その製品を使うだけで良いといった表現(これだけで、何もしなくても、病院いらず)
  • 最大級表現(最高、最大、ナンバーワン、抜群)
  • 有名人や専門家が推薦しているとした表現(医師の推薦、大学教授が認めた、厚生労働省)
  • 他社を誹謗中傷するような内容(○○社製品にはない、これまでにない)

 

美容機器、雑貨広告での使用が認められる表現

 

美容機器や雑貨の広告での使用がOKとなっている表現には次のようなものがあります。

 

  • サポート表現(忙しい方に、美容のために)
  • 使用感の表現(着心地がいい、包まれるような)

 

使用には注意が必要となる表現

身体の部位を表すワードに合わせての使用はNGです。

 

  • 毎朝スッキリ
  • 美をサポート
  • リラックス

 

美容機器、雑貨の広告での言い換え表現(参考)

美容機器、雑貨などの広告で「睡眠サポート」について表現する際に認められている言い換え表現をまとめました。

これらの表現例を健康食品の広告を作成する際に参考にしてみてください。

 

「睡眠サポート」に関する表現を言い換えたい時の具体例

NG:睡眠導入
OK:眠りを妨げる要素をカット

NG:眠れない方に
OK:毎日忙しい方に

NG:リラックス
OK:リラックスタイムに使える

 

まとめ

 

「睡眠サポート」などの睡眠導入を想起させる広告表現は、身体や精神を改善させる内容とみなされるため、薬機法や景表法に違反してしまいます。

 

また、「夢」「ストレス」「リラックス」などの睡眠に大きく関わる内容についても、直接的に使わないよう注意が必要です。

睡眠をサポートすることが目的の健康食品や雑貨には、「睡眠中の空間を心地よくする」までの働きがあるといった広告表現までしか認められていません。

 

広告制作の際には、医薬品や医療機器と同じような効能効果を標榜しないよう十分に気を付けましょう。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

※違反事例、言い換え表現についてはあくまで参考として捉えてください。表現の違反等の判断については各都道府県の薬務課によって見解が異なりますので、ご理解頂きますようお願いいたします。

 


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