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## サロンでよく使用される「髪質改善」は薬機法違反?

サロンでよく使用される「髪質改善」は薬機法違反?

## サロンでよく使用される「髪質改善」は薬機法違反?

髪の毛のケアは、男女問わず多くの人にとって悩みの種となっています。
シャンプーやコンディショナーなどのヘアケア商品や美容サロンには、髪の毛の質感を良くする効果があるといった広告が掲載されています。しかし、髪の毛の質感を改善させるような「髪質改善」というワードは、薬機法や広告ガイドラインに違反するため注意が必要です。
本記事では、化粧品や健康食品、美容機器における「髪質改善」の広告表現について、薬機法や広告ガイドライン等に抵触する理由や言い換え表現について解説します。

化粧品、美容機器の広告に「髪質改善」表示はNG

ケア商品であるシャンプーやコンディショナー、ヘアスタイリング剤は、薬機法において「化粧品」に分類されています。
これら化粧品の広告表現は、その製品の効能効果として使用が認められる範囲が定められており、この範囲を超えた過剰な表現は「虚偽・誇大広告」として薬機法違反となるため注意が必要です。
また、頭皮をマッサージする美容機器やヘアケア用の雑貨の広告表現についても、化粧品と同じ範囲の効能効果の使用に限られていることも併せて知っておきましょう。
化粧品や美容機器の広告表現に使用が認められている効能効果のうち、髪の毛に関わる項目には次のようなものがあります。

  • 頭皮、毛髪を清浄にする。
  • 香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える。
  • 頭皮、毛髪をすこやかに保つ。
  • 毛髪にはり、こしを与える。
  • 頭皮、毛髪にうるおいを与える。
  • 頭皮、毛髪のうるおいを保つ。
  • 毛髪をしなやかにする。
  • クシどおりをよくする。
  • 毛髪のつやを保つ。
  • 毛髪につやを与える。
  • フケ、カユミがとれる。
  • フケ、カユミを抑える。
  • 毛髪の水分、油分を補い保つ。
  • 裂毛、切毛、枝毛を防ぐ。
  • 髪型を整え、保持する。
  • 毛髪の帯電を防止する。

化粧品等の適正広告ガイドラインより引用)

ちなみに、ヘアケア商品において薬用化粧品とされているものは「医薬部外品」とされていますが、それらの広告表現についても承認されている範囲を超えた効能効果を表示することは禁止されています。

サプリメント・健康食品広告に「髪質改善」表示しても薬機法違反に

髪の毛に良さそうな成分のサプリメントであっても、「髪質改善」というワードは広告表現が認められません。
サプリメントや健康食品は法律上「食品」に分類され、髪質改善といった身体の機能に影響を及ぼす目的はないものとされています。
そのため、これらの広告に「傷んだ髪を修復する」といった表示を行うと、「未承認の医薬品」として薬機法違反にあたるのです。

(承認前の医薬品、医療機器及び再生医療等製品の広告の禁止)

第六十八条 何人も、医薬品若しくは医療機器又は再生医療等製品であつて、承認認証を受けていないものについて、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはならない。

薬機法第68条より引用)

サプリメントや健康食品は普段の食生活のサポート役として使われています。そのため、「食生活が気になる方に」「健康維持のために」といったサポート表現に留めておくのが良いでしょう。

「美容師がおすすめ」表現も不適切

ヘアケア商品の広告を表示するときは、「美容師がおすすめ!」というワードをつい使ってしまいたくなります。しかし、医薬品等適正広告基準では、医師や美容師などの専門家が製品を推奨しているかのような広告表現を禁止しています。

医薬関係者等の推せん

医薬関係者、理容師、美容師、病院、診療所その他医薬品等の効能効果等に関し、世人の認識に相当の影響を与える公務所、学校又は団体が指定し、公認し、推せんし、指導し、又は選用している等の広告は行わないものとする。

ただし、公衆衛生の維持増進のため公務所又はこれに準ずるものが指定等をしている事実を広告することが必要な場合等特別の場合はこの限りでない。

医薬品等適正広告基準より引用)

この「医薬関係者」とは、医師や歯科医師、美容師、理容師、該当する分野の大学教授などが該当します。
美容師は国家資格であるため、美容師がおすすめしていることは効能効果や安全性を保証していると消費者に思われてしまうため、広告として不適切とされているのです。
ちなみに、「美容師と共同開発」というワードはあくまで事実であれば広告への使用が認められる場合があります。

化粧品での違反事例

化粧品広告での使用がNGとなる内容には次のようなものがあります。

  • 治療表現(改善、再生、治る)
  • 承認されていない効能効果(髪質改善、傷んだ髪を修復)
  • 症状や病名の記載(脱毛症、皮膚炎、アトピー)
  • 不安を煽る表現(病気の信号ですよ、このままでいいの?)
  • 安全性の保証(安心安全、100%、必ず効く)
  • 最大級表現(最高、最大、ナンバーワン、絶対)
  • 有名人や専門家が推薦しているとした表現(芸能人もおすすめ、専門家が認めた)
  • 他社を誹謗中傷するような内容(他社製品にはない、今までにない)

化粧品広告での言い換え表現例(参考)

化粧品広告で髪質改善について表現する際に認められている言い換え表現をまとめました。これらの表現例を化粧品の広告を作成する際に参考にしてみてください。

髪質改善を言い換えたい時の具体例

NG:傷んだ髪を修復
OK:傷んだ髪に

NG:髪のダメージを再生
OK:ダメージケア

NG:髪質改善
OK:髪の質感を整える

健康食品での違反事例

健康食品広告での使用がNGとなる内容には次のようなものがあります。

  • 医薬品的な効果効能があるような表現(改善、再生、甦る)
  • 身体機能の変化についての表現(髪質改善、新陳代謝を活性化させる)
  • 特定部位を表す表現(髪の毛、頭皮、自律神経)
  • 症状や病名の記載(脱毛症、アトピー、更年期障害)
  • 用法用量の指定(夕食後に、1日1回必ず)
  • 不安を煽る表現(病気の信号ですよ、異性に嫌われる)
  • 安全性の保証(安心安全、問題なし、絶対に)
  • その製品を使うだけで良いといった表現(飲むだけで、何もしなくても)
  • 最大級表現(最高、最大、世界初、ナンバーワン)
  • 有名人や専門家が推薦しているとした表現(芸能人がおすすめ、専門家が認めた)
  • 他社を誹謗中傷するような内容(他社製品にはない、いままでにない)

健康食品広告での使用が認められる表現

健康食品の広告での使用がOKとなっている表現には次のようなものがあります。

  • サポート表現(栄養バランスが気になる方に、美容のために)
  • 使用感の表現(もちもち、爽やかな香り)

使用には注意が必要となる表現

身体の部位を表すワードに合わせての使用はNGです。

  • ビューティーレベルを底上げ
  • 女子力アップ

健康食品広告での言い換え表現例(参考)

健康食品広告で髪質改善について表現する際に認められている言い換え表現をまとめました。これらの表現例を健康食品の広告を作成する際に参考にしてみてください。

髪質改善を言い換えたい時の具体例

NG:髪質改善
OK:女子力アップに

NG:女性ホルモンと同様の効果
OK:女性らしさを出す

NG:芸能人も使っている
OK:SNSで話題

美容機器、雑貨での違反事例

美容機器や雑貨広告での使用がNGとなる内容には次のようなものがあります。

  • 医薬品的な効果効能があるような表現(改善、治療、修復)
  • 身体機能の変化についての表現(アンチエイジング、髪を補修する)
  • 特定部位を表す表現(髪の毛、頭皮、女性ホルモン)
  • 症状や病名の記載(脱毛症、皮膚炎、アトピー)
  • 用法用量の指定(就寝前にお使いください、1日1回必ずご使用ください)
  • 不安を煽る表現(異性に嫌われる、病気の信号ですよ)
  • 安全性の保証(安心安全、大丈夫、副作用の心配なし)
  • その製品を使うだけで良いといった表現(使うだけで、病院いらず)
  • 最大級表現(最高、最大、最高峰、ナンバーワン)
  • 有名人や専門家が推薦しているとした表現(医師推薦、芸能人がおすすめ)
  • 他社を誹謗中傷するような内容(他社製品よりも優れて、従来の商品にはない)

美容機器、雑貨広告での使用が認められる表現

美容機器や雑貨の広告での使用がOKとなっている表現には次のようなものがあります。

  • サポート表現(健康維持のために、美容のために)
  • 使用感の表現(ひんやり、温かい、気持ちいい)

使用には注意が必要となる表現

身体の部位を表すワードに合わせての使用はNGです。

  • 生活習慣が気になる方に
  • キレイな毎日を

美容機器、雑貨広告での言い換え表現例(参考)

美容機器、雑貨などの広告で髪質改善について表現する際に認められている言い換え表現をまとめました。これらの表現例を健康食品の広告を作成する際に参考にしてみてください。

髪質改善を言い換えたい時の具体例

NG:髪質改善
OK:髪の毛をしなやかにする

NG:サラサラな髪質に
OK:サラサラした質感で、クシ通りがよくなる

NG:美しい髪質に
OK:女子力アップに

まとめ

ヘアケア商品や美容サロンにおいて、「髪質改善」というワードは身体機能に影響を及ぼす表現として広告への使用が認められていません。
薬機法や広告ガイドラインでは、消費者に誤解を与える恐れのある表現について規制を設けており、健康被害やトラブルから消費者を守る役割を担っています。
近年では虚偽・誇大広告に課徴金制度を設けるなど、薬機法による広告規制はますます厳しくなっています。ヘアケア商品や美容サロンの広告制作に関わる方は、必ず関連の法律やガイドラインを定期的に確認しておきましょう。

※違反事例、言い換え表現についてはあくまで参考として捉えてください。表現の違反等の判断については各都道府県の薬務課によって見解が異なりますので、ご理解頂きますようお願いいたします。


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