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コラーゲンマシンの注意点 美容室・エステサロンに関する薬機法

コラーゲンマシンの注意点 美容室・エステサロンに関する薬機法

コラーゲンマシンの注意点 美容室・エステサロンに関する薬機法

コラーゲンマシンは、日焼けマシンの様に身体に光を当てて肌のコラーゲンを刺激するマシンです。コラーゲンマシンには美肌効果や冷え・むくみ対策に効果があるといわれており、エステサロンでも人気のサービスとなっています。
ただし、コラーゲンマシンについての広告作成の際は薬機法や景表法に抵触しないよう注意が必要です。特に、コラーゲンマシンが医療機器であるかのような広告表現は薬機法違反にあたることを知っておきましょう。
本記事では、エステサロンや美容室の広告にコラーゲンマシンについて記載する際の注意点についてご紹介します。

コラーゲンマシンって何?

コラーゲンマシンとは、コラーゲンランプと呼ばれるピンク色の光(可視光線)と赤外線を放出するランプが取り付けられており、全身に光を浴びせる機械です。
コラーゲンマシンの形状は日焼けマシンに似ており、全身に光を当てることで肌のコラーゲンを刺激します。これによって、美肌効果や冷え・むくみの改善、リラックス効果が期待されています。
また、一般的なエステ施術は1回60~90分かかりますが、コラーゲンマシンによる施術はは1回20~30分と短時間であるため、気軽に受けられることも人気の理由となっています。

エステサロン、美容室では広告表現に要注意

「コラーゲンマシン」や「コラーゲン」といったワードに問題はなくても、その前後の文章によって不適切な広告と判断される場合があるため注意が必要です。
例えば、エステサロンや美容室で使われる器具は、法律上「美容機器」と判断されます。そのため、コラーゲンマシンも美容機器といえるでしょう。美容機器の効果をエステサロンや美容室の広告に記載するときには、化粧品と同じ範囲の効能効果表現までに留めることが求められます。
化粧品や美容機器で認められている56の効能効果のうち、肌や皮膚に関わるワードは次のようなものが挙げられます。

(汚れを落とすことにより)皮膚を清浄にする 肌を整える 肌のキメを整える 皮膚を健やかに保つ 肌荒れを防ぐ 肌をひきしめる 皮膚にうるおいを与える 皮膚の水分、油分を補い保つ 皮膚の柔軟性を保つ 皮膚を保護する 皮膚の乾燥を防ぐ 肌をやわらげる 肌にハリを与える 肌にツヤを与える 肌を滑らかにする

出典:化粧品の効能効果の範囲について

なお、化粧品や美容機器には「コラーゲンを生成する」「肌荒れを治療する」など治療効果や薬理作用を標榜することは認められていません。化粧品の効能効果の範囲を超えている広告表現は、虚偽・誇大広告や未承認の医薬品・医療機器の広告として薬機法違反にあたります。

コラーゲンマシンで医療機器と同じような効果効能表現は薬機法違反

コラーゲンマシンに「肌の病気が治る」「肌のコラーゲンが再生」といった医療機器と同じ効能効果があるようなワードを使用すると、「未承認の医療機器の広告」として薬機法違反となります。

(承認前の医薬品、医療機器及び再生医療等製品の広告の禁止) 第六十八条 何人も、医薬品若しくは医療機器又は再生医療等製品であつて、まだ承認又は認証を受けていないものについて、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはならない。

出典:薬機法第68条

また、こうした広告表現は、虚偽・誇大広告にも該当するため注意が必要です。

(誇大広告等) 第六十六条 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。

出典:薬機法第66条

ビフォーアフター画像の掲載は薬機法違反

エステサロンや美容室において、コラーゲンマシン施術前と施術後の画像を広告に掲載することは「安全性の保証表現」として不適切とされています。

図面、写真等について 使用前、後に関わらず図面、写真等による表現については、承認等外の効能効果等を想起させるもの、効果発現までの時間及び効果持続時間の保証となるもの又は安全性の保証表現となるものは認められない。

出典:医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について

過剰な広告表示は表現は景表法違反にあたる場合も

エステサロンや美容室の広告にコラーゲンマシンについて記載するときは、薬機法だけでなく景表法(景品表示法)の規制についても把握することが重要です。

景表法において、商品やサービスが事実よりも著しく優良であるような広告は「優良誤認表示」として禁止されています。優良誤認表示が疑われた場合は、表示内容についての合理的な根拠となる資料の提出が求められるため十分注意しましょう。 (不当な表示の禁止) 第五条 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。 一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの

出典:景表法第5条

エステサロンでのNG例

エステサロンの広告において、「コラーゲンを生成」「肌を再生」といったワードを使用すると、薬機法に抵触するため注意が必要です。
薬機法やエステ業界の自主規制に違反する具体例として、次のようなワードが挙げられます。

① 全く欠けることがないことを意味する用語 (例)「完全」「完ぺき」「絶対」「永久」「保証」「必ず」

「万全」など ② 他よりも優位に立つことを意味する用語
(例)「世界初」「日本初」「世界一」「日本一」「超」「業界一」「当社だけ」「他に類を見な い」「抜群」など ③ 最上級を意味する用語 (例)「最高」「最高級」「極」「一級」など

※①~③は立証できる場合は除く ④ 医師法・医療法・医薬品医療機器法など、医療および医療類似行為に抵触する用語 (例)「治す」「治る」「治療」「療法」「医学的」「医療」「診察」「診療」「診断」「効く」など

出典:徳島新聞広告掲載基準

エステサロンでは医薬品や医療機器の使用は認められていません。そのため、医薬品や医療機器のような効果があると誤解を招く表現は避けましょう。

美容室でのNG例

美容室の広告でコラーゲンマシンについて記載する際は、「美容師がおすすめ」といったワードを避けることが大切です。美容師や理容師といった国家資格を持つ人がコラーゲンマシンをおすすめする広告表現は、一般の消費者に対する影響が大きい考えられています。
仮にコラーゲンマシンをおすすめしていることが事実であっても、不適切な広告とされる恐れがあります。

薬機法の解釈基準である「医薬品等適正広告基準」には、次ように記載されています。

医薬関係者等の推せん 医薬関係者、理容師、美容師、病院、診療所、薬局、その他医薬品等の効能効果等に関し、世人の認識に相当の影響を与える公務所、学校又は学会を含む団体が指定し、公認し、推せんし、指導し、又は選用している等の広告を行ってはならない。

出典:医薬品等適正広告基準

なお、コラーゲンマシンをおすすめする記載自体が事実無根である場合は、虚偽広告や景表法における優良誤認表示に該当することも知っておきましょう。

まとめ

エステサロンや美容室で使用されているコラーゲンマシンは、法律上美容機器にあたります。したがって、コラーゲンマシンに医療機器と同じような効能効果があるような広告表現は、「未承認の医療機器の広告」として薬機法に抵触します。
また、美容師がコラーゲンマシンをおすすめしているような広告表現は薬機法違反にあたるため使わないようにしましょう。
さらに、コラーゲンマシンによる効果が事実以上に優良であるかのような広告表示は、優良誤認表示として景表法違反にあたります。コラーゲンマシン広告制作に関わる際は、薬機法だけでなく景表法の確認も忘れずに行いましょう。


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