化粧品OEMを初めて検討しているので最初は小ロットで始めたい。
小ロットで依頼する場合メリットやデメリットはあるの?
と考えている企業は多いかと思います。
初めてのことだとわからないことや不安なことが多くありますよね。
また、小ロット発注についての全体的なプロセスを知りたいという方もいらっしゃるかもしれません。
本記事では、化粧品OEMの小ロット発注を検討している方に向けて、小ロット発注の解説や全体的なプロセス、メリットやデメリットについて説明していきます。
化粧品OEMを小ロットで発注することは可能?
OEM会社によって小ロットで発注できる会社と、できない会社があります。
なぜできる会社、できない会社があるかというと、小ロットで商品を作ることは会社が製造過程や資材の仕入れの工夫、無駄を減らすなど、自社の利益を削ることによって成り立っています。
一度に作る商品の個数が少ないと、その都度製造ラインの組み立てを行う必要があったり、製造する頻度が増えたりするため、手間の分採算がとれなくなり、商品1つあたりの原価がその分上乗せされ、高くなります。
多くのOEM会社は大きなロット発注を引き受け、商品をたくさん製造し、リピートで作ることで経営が成り立っているのです。
結果として、多くのロット数を生産するほうが利益率も高く効率的であるため、OEM会社は大きなロットでの依頼を歓迎しています。
大手の化粧品OEMメーカーや有名な化粧品OEMメーカーでは、依頼する最低ロット数が大きい傾向があります。
しかし中小・ベンチャー企業、他業界からの新規参入をする企業にとっては多くの商品を作ってもブランド力や知名度も低いので、在庫を抱えるリスクなどがあり、最初は少ない数で作りたいという要望があります。
また、こういった売れる見込みがない企業は、会社によって大ロットでの注文を受け入れてくれない場合もあります。
ですが、そのような企業に向けて会社の強みを活かし、経営努力によって受け入れてくれるOEM会社も存在します。
小ロットでの発注を希望するのであれば、小ロット生産が得意なOEM会社を探して依頼しましょう。
ここからは小ロット発注をするメリット、デメリットについて紹介させていただきます。
化粧品OEMを小ロットで発注するメリット
小ロット発注をするメリットはどんなことがあげられるでしょうか。
3つのメリットを紹介していきます。
- 費用を抑えることができる
- 在庫を抱える心配がない
- テストマーケティングができる
それぞれの詳細を解説します。
小ロットで化粧品OEMに依頼する1つ目のメリットは、トータルでかかる費用を抑えることが可能という点です。
ロット数が大きい方が1つあたりの単価を抑えることができますが、その分最初に支払う総額が多くなります。
製造したオリジナル商品が軌道に乗るまでは、利益率が落ちても在庫としての費用のトータルを抑える方が、リスクを減らすことができます。
2つ目のメリットは、在庫を抱えるリスクがないことです。
在庫は保有しているだけで、倉庫などの費用がかかってきてしまいます。
商品が売れない分損をするというだけでなく、売れない在庫を抱えている期間も、費用が発生するということです。
売れなかったときのことを考え、最小限の量を注文すること、在庫リスクのことを頭に入れておくのは非常に大切なことです。
3つ目のメリットは、テストマーケティングができることです。
商品は追加発注することが可能になっているので、小ロットで作って顧客の反応をみて、売れそうだという状況なら追加で発注することも可能です。
商品が実際に売れるかどうかは、やってみないとわかりません。
発売後に改良を重ねて、少しずつ商品を育てていき、納得のいくオリジナル商品を作ることができます。
化粧品OEMを小ロット発注するデメリット
小ロット発注するデメリットはどんなことがあげられるでしょうか。
2つのデメリットを紹介します。
- 商品1個の価格は高くなる
- 資材の選択肢は狭くなる
それぞれの詳細を解説します。
小ロットで化粧品OEMに依頼する1つ目のデメリットは、商品1個の価格が高くなることです。
OEM会社では化粧品の原料などの変動費だけでなく、工場の保守運営や衛生管理などの固定費が原価として発生しています。
小ロットにするとそれが1個あたりに上乗せされ、原価が上がり高くなります。
ですが、それは仕方ないことであり、他で原価をさげるなどの工夫をしたり、小ロット生産を得意とするOEM会社に依頼することである程度解決できるかもしれません。
2つ目のデメリットは、資材の選択肢が狭くなることです。
OEM会社は自分たちで容器やシールを作っているわけではありません。
他の会社に依頼をすることが多く、これもまた3000個程度から対応しているところが多いのです。
小ロットの場合はすでに工場にあるもので活用することも多いため、そうなるとオリジナル性やデザイン性がなくなってしまいます。
しかし、OEM会社によっては小ロット生産に向けて、資材を選択できるように展開しているところや、資材を依頼先が全て用意してくれるところもあるので、オリジその場合はナル性に欠けることなく商品の制作が可能です。
小ロット発注の製造プロセス
全体のスケジュール感をつかむために、しょうロット発注の製造プロセスを紹介します。
小ロットであっても、ロット数の大きな発注との流れはかわりません。
①打ち合せ
どういった化粧品を作りたいか、予算、生産個数、希望納期を打ち合せします。
②試作品の製造
打ち合せを元に要望・コンセプトに沿った試作品の製造。
さらにテストしながら改良しイメージに近付けていきます。
③製品仕様の検討
容器の形状や箱の有無など、どのような包装形態にするのかを考えます。
④製品処方の決定
化粧品の処方と製品仕様が決まったら、見積もりの作成をします。
⑤契約
契約書を締結し、発注書をもらいます。
希望納期に合わせて原料の手配、調整を行います。
薬事申請を行ってくれる場合もあります。
⑥資材手配
確定した容器の安全性試験や、資材の表示内容に関して各種法律に照らし合わせ、薬事校正を行います。
⑦製造・生産
実際に商品を製造していきます。
⑧納品
完成した商品の納品です。
企画や開発に3か月、製造に3か月かかると考えると、1つのオリジナル商品を開発するにあたり、約半年ほどがかかります。
見積もり決定後も原料の調達や、処方、容器の安定性の試験などさまざまな準備が必要になってきます。
小ロット=作る数が少ないから早く作れるというわけではありません。
全てがスムーズに進むとは限りませんので、トラブルや予想外のできごとに備えて余裕を持ったスケジュールを組み立てましょう。
小ロットに対応しているさまざまなOEM会社があるので、適切な発注個数を設定した上で、OEM会社に相談しましょう。
まとめ
本記事では、化粧品OEMを初めて検討している方に向けて、小ロット発注の解説やプロセス、メリットやデメリットについて紹介させていただきました。
小ロットで依頼することで、依頼主である自社のリスクを減らすことができますし、テストマーケティングで市場に出すことにより、顧客の反応をみながらオリジナル商品の改良をしていくことができます。
ぜひ参考にしてくださいね。