ヘアケア製品はほとんどがOEM生産されていると言われます。
そうなると自社ブランドのヘアケア製品を作りたくなりますよね。
しかし初めてのOEMでは、種類や製造コストなどわからないことばかりです。
そこで本記事では、ヘアケア製品のOEMを初めて検討している方に向けて、ヘアケア製品の種類とOEMで作る方法やポイントについて説明します。
化粧品OEMで作ることが出来るヘアケア製品
ヘアケア製品には洗髪用化粧品と整髪用化粧品、育毛剤などが含まれますが、この記事ではOEM生産に適している洗髪用化粧品について説明します。使用目的と、機能性、容器の3つの観点から説明します。
ヘアケア製品の種類
ヘアケア製品は頭皮と髪を洗浄するもの、髪の保や傷んだ髪の補修、指通りをなめらかにしたりクセを抑えたりするなどの目的に応じて、専用の製品があります。
それぞれに特徴があり処方も変わってくるので、どのようなラインナップにするか最初に考えておきたいところです。
シャンプーは洗浄成分別に3種類に別れます。
アミノ酸主体のものは洗浄成分としてココイルグルタミン酸TEA、ラウロイルメチルアラニンNaを含み、髪との相性がいいので、人気です。
洗浄力が程よく皮脂の落としすぎを予防できるので、頭皮にも優しく敏感肌の方でも使えます。
原料が高価で、製造コスト高いのが難点です。
石鹸系のものは洗浄成分として脂肪酸カリウム、脂肪酸ナトリウムを含み自然な処方を好む方が使います。
高級アルコール系は洗浄成分としてラウレス硫酸アンモニウムやラウレス硫酸Naが使われています。洗浄力・泡立ちよく・安価ですが、石油系界面活性剤で自然派志向の方が嫌います。刺激が強いので敏感肌の方はかゆみが出ることもあります。
基本的にシャンプーとセットで使われますので、シャンプーとともにOEM依頼されることも多いです。
毛髪になめらかさを与えて毛髪の表面を整える事を目的として、界面活性剤である長鎖アルキル第四級アンモニウム塩や高級アルコールやシリコンが使われます。
保湿成分やキューティクル補修効果をつけることもあります。
ヘアトリートメントは失われた油分や水分を与えて傷んだ髪を補修し、髪の内側に浸透させて手触りを柔らかくする目的で使います。
インバストリートメントはリンス剤と同様の使い方をします。
アウトバストリートメントは洗い流さずに、寝ている間に成分を浸透させるものです。
ヘアクリームはなめらかな手触りでクリーミーなエマルジョンタイプのヘアケア製品です。
乾いた髪に使うもので、洗い流さずに使用します。
ヘアオイルは天然油または合成油で作られたヘアケア製品です。
ドライヤーの熱や、外出時の紫外線によるダメージの修復を目的として、ドライヤー前につける事が多いです。整髪用としても使われます。
ヘアケア製品のタイプ
ヘアケア製品は洗浄や髪の保護といった基本的な用途と合わせて、特別な機能や特徴を持たせることもあります。ここではよく求められる機能や特徴4つを紹介します。
- スカルプシャンプー
頭皮ケアを目的とした、植物由来の界面活性剤が主に配合されています。
育毛効果や抜け毛防止の効果が期待される処方で、育毛意識の強い人むけの製品です。
- ノンシリコンシャンプー
シリコン不使用で自然派に人気です。保湿力が不十分で、指通りがシリコン入りに比べてやや劣ります。
- 無添加シャンプー
厚生労働省によって認定されている表示指定成分が配合されていない製品になります。
皮膚障害やアレルギー反応成分がなく、敏感肌の人に人気です。
- オーガニックシャンプー
有機栽培された成分を使った製品です。
香料剤なども天然香料が使われており、保湿成分としては植物油が使用されます。
オーガニック製品にこだわりを持つ方が増加傾向にあり、需要も比例して上がってきています。
しかし、オーガニック認証が必要で、厳しい試験をクリアする必要性があるため高コストです。
薬用のヘアケア製品
ヘアケア製品、特にシャンプーやトリートメント剤には「薬用」とついているものがあります。
薬用と一般の違いは、医薬部外品の指定を受けた商品かそうでないかの差です。
薬用のヘアケア製品には症状の改善に効果が期待できる有効成分が含まれています。
この有効成分が入っているものが医薬部外品で、商品に「薬用」と表示できるようになり、一般のヘアケア製品との大きな違いです。
ヘアケア製品の容器の種類
ヘアケア製品は容器にも種類があり、使い勝手やブランドイメージを左右します。
また、容器によってOEM製造のコストも変わってきますので、気を使いたいところです。
- ポンプボトル
使いやすく一番人気がありますが、ポンプの製造コストも付くので、高価な容器のため、小ロット生産に向きません。
- ソフトボトル
ポンプのついたディスペンサーではなく、キャップを開けてボトルを押して中身を出すタイプの容器です。柔らかいプラスチック製のボトルになります。
ポンプボトルほど便利ではないですが、コストを抑えられるので採算性は高くなります。
- チューブ容器
ポンプボトルでは出しにくいトリートメント剤やヘアクリームなどに向いています。
コストが安いため、採算性は良くなります。
ヘアケア製品をOEMで作るときのポイント
ヘアケア製品をOEMでつくる場合のポイントを紹介します。
コストや、会社の選び方、製造の大まかな流れなど参考にしてください。
OEMのコスト
ヘアケア製品は、一個当たりの容量が多く、割と小ロットで製造しやすい製品群になります。
シャンプーの場合、500mLであれば500個からでも製造できることが多いです。
そのため、初めてOEM生産をするのに向いています。
初めてなら500~1000個など、小ロットから始めるのがいいでしょう。
仕入れ値の1.3倍~1.5倍くらいで売るのが標準で、利益を出すためには市販品を超えるブランド力が必要になります。
OEM会社の選び方
ヘアケア製品をOEMで作るときの会社の選び方には3つのポイントがあります。
コストも大事ですが、初めてのOEMなら的確な助言を受けられてフォローの手厚い企業を選ぶことが肝要です。
各種のヘアケア製品を長年製造してきている会社を選びましょう。
そのような会社は実績とノウハウが蓄積されていて、マーケティングや企画に対するアドバイスが受けられたりします。
ヘアケア製品は基礎化粧品と同様に、有効成分によっては部外品になります。
医薬部外品の処方が豊富であれば、さまざまな機能をもたせた製品を作ることが出来るので、製品アピールに役立つでしょう。
初めてのOEMは販売予測が立てにくいため、小ロットからのスタートになります。
利益が低いからといっておざなりに対応せずに、親身になってくれる会社を選んでください。
OEMの流れ
化粧品のOEM生産は以下のステップで行ないます。それぞれの段階で密にコミュニケーションを取ることで、納得のいく製品ができあがります。
- 打ち合わせ
- 試作品の提出
- お見積り提出
- ご発注
- 製造・納品
打ち合わせでは作りたいヘアケア製品のイメージや種類を決め、処方をすり合わせます。
それから試作品の提出とフィードバックが繰り返されて、製品の処方が決定します。
処方が確定したら見積もりを提出し、合意が得られたら発注となります。
発注を受けて製造が開始され、製品が納品されます
まとめ
ヘアケア製品は一個当たりの容量が多く、小ロットで製造しやすい製品ですのでOEMに適しています。
本記事では、ヘアケア製品をOEMで作りたいと考えている方に向けて、ヘアケア製品の種類とOEMで作る際のポイントをご紹介させていただきました。
ぜひ参考にしていただき、素敵なヘアケア製品を作ってくださいね。