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カプセル

健康食品OEMでカプセルは作れる?

健康食品のOEM製造を始める際に重視しなくてはならないのが、どのような形状の製品を生み出すかといった点です。中でもメジャーな「カプセル」は、生産におけるメリットが大きい反面、消費者にとってのデメリットも存在するタイプ。カプセルの特徴や注意点を念頭に置き、より一層消費者に寄り添った健康食品づくりに役立ててみてくださいね。

カプセルの定義とは

まず、カプセル剤とはそもそもどのようなタイプを指すのかといった定義について確認しておきましょう。

 

カプセル剤とは、液状や粉状の医薬品をシートや容器で包んだもの。シートや容器は、体内で溶ける原料によって作られている。基本的には内服薬として用いられるが、中には坐剤として用いられる種類のカプセル剤も存在する。

 

形は円筒形や球形、楕円形が大半である。カプセル剤には薬効成分以外に、保存剤や着色料などを添加する場合が多い。 薬を包むシートや容器によって、体内に薬が溶け出すまでの時間を調節できるため、放出制御製剤*によく用いられる。 *放出制御製剤…薬効成分が体内に放出されるまでの時間を調整した薬。コントロールドリリース製剤ともいわれる。

 

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実際のカプセル剤を見てみると、多くは透明度の高いカプセルの中に実際に液体や粉末の有効成分が入っているのが確認できます。そのままでは苦みがあったり飲みにくかったりする成分を、胃や腸に達して初めてカプセルが解けることで身体に吸収されやすくしているのです。

 

また、カプセル剤は大きく分けて以下の2種類に分類されます。

  • ハードカプセル(硬カプセル剤)
  • ソフトカプセル(軟カプセル剤)

ハードカプセルの場合は、中に入っている成分の多くが粉末や顆粒です。一般的な医薬品にもよく用いられており、製造から摂取するまでにカプセルが破損する心配が少ないというメリットがあります。

一方のソフトカプセルは、液状やゲル状の成分を摂取するために開発されたもの。ハードカプセルに比べて柔らかく弾力のあるカプセルが使われており、一部では坐薬に用いられることもあります。比較的飲み込みやすく、カプセル剤が苦手な場合でも安心して摂取できるでしょう。

また、カプセル剤と聞いてイメージされやすいのが、赤や黄色に着色されたカプセル。人体に害のない色素で着色すれば、他のサプリメントや医薬品と混在する危険性も低くなりますね。目立つ形状や色をしているため、万が一落とした場合も見つかりやすくなります。

 

カプセルのメリット・デメリット

錠剤タイプと同じく、多くの健康食品やサプリメントがカプセルタイプを採用しています。製造側と消費者の2つの観点からメリット・デメリットを把握し、双方に利のある健康食品づくりを心掛けましょう。

メリット

カプセルタイプの健康食品を摂取するメリットには、以下のようなものがあります。

  • 他のタイプでは不可能な、油分の多い液体を入れられる
  • カプセル内部は密閉性が高く、成分が劣化しにくい
  • 摂取から何分後に溶け出すかを調整することで、胃や腸など効果を発揮する部位をある程度指定できる
  • 錠剤に比べ1つ1つを均一に製造できる
  • 味や匂いを付け足すことで飲みやすく加工できる
  • 色をつけ、他製品との区別を明確にできる
  • 製造工程が少なく、効率的に製造が可能

中でも注目したいのが、カプセル内部に注入された成分が他のタイプに比べて劣化しにくいという点。特に水分を多く含む液状の成分は酸化や劣化が進みやすく、摂取が可能な期限が短くなる傾向にあります。これをカプセルに詰めることで、外界からの刺激を遮断し、内部を均一に保つことが可能となるのです。

また、圧縮するなどの製造工程が不要となり、比較的単純なラインで製造が可能なのもポイントの一つ。錠剤では摂取できなかった成分が注入可能となるため、より幅広いお悩みに併せた製品づくりに繋がるでしょう。

 

デメリット

カプセルタイプの健康食品を摂取するデメリットには、以下のようなものがあります。

  • 粒が大きくなり、飲み込みにくい場合がある
  • かさばるためたくさんの量を持ち歩くには不向き
  • 湿度に弱く、保存方法によっては崩壊し中身が出てしまう可能性がある
  • 錠剤などに比べて価格が高くなりやすい

カプセル剤は多くがゼラチンでできており、体温で溶け出すよう設計されています。そのため湿度が高い場所に置いておくと変形し、中身が出てしまう危険があるため注意しましょう。複数が触れ合った状態で保管した場合、他のカプセルとくっついてしまうケースも見られます。

また、錠剤などに比べ高価になりやすいのもカプセル剤のデメリット。嚥下機能が弱い場合は飲み込みにくさを感じることがあるため、服薬補助製品などをプラスする必要も出てくるでしょう。

カプセルの健康食品の一例

続いて、カプセル剤として販売される健康食品の主なものをピックアップしてご紹介します。

  • ビタミンC
  • ビタミンA
  • マルチビタミン
  • コエンザイムQ10
  • DHA、EPA
  • 亜鉛
  • カルシウム
  • マグネシウム
  • ヘム鉄
  • ルテイン
  • メリロート
  • シトルリン
  • オルニチン
  • アントシアニン(ブルーベリーエキス)
  • エラスチン
  • マカ
  • 乳酸菌
  • ビフィズス菌
  • ユーグレナ

ビタミンCは黄色いカプセル、アントシアニンは紫色のカプセルなど、製品をイメージしやすい着色がされているものも多く見られます。

さらに、近年注目を浴びているのがミドリムシから抽出される「ユーグレナ」。乳酸菌と一緒に摂取することではたらきを活性化させ、腸内環境を整える効果が期待されています。こういった菌類は腸内で溶けることを目的とされているため、溶ける時間を調整できるカプセル剤が向いているといえるでしょう。

 

カプセルタイプの健康食品における注意点

一見手軽に思われがちなカプセルタイプの健康食品ですが、販売するにあたって気をつけなければいけない点がいくつかあります。

まず、国民生活センターが2019年に調査した「錠剤・カプセル状の健康食品の品質等に関する実態調査」によれば、錠剤・カプセルタイプの健康食品100銘柄のうちなんと42銘柄が指定時間内に崩壊を始めなかったことが報告されています。

第十七改正日本薬局方によれば、カプセル剤は摂取から20分以内に崩壊しなければなりません。長時間喉や食堂の粘膜に触れ続けた場合、炎症や潰瘍となる危険性があります。

さらに、パッケージには摂取方法や一日の目安量などの記載がありましたが、どの程度長く摂取し続けて良いのかなどについては記載がありませんでした。これにより不必要に長く摂取するケースや、逆に効果が得られる前に飲むのを止めてしまうケースが増加。パッケージに記載できないものは公式HPに掲載するなどし、消費者が迷わないように配慮が必要です。同じ成分が配合されていても、他製品とは大きく摂取量が異なる場合もあるため、大きくわかりやすい表示を心掛けましょう。

ドリンクやゼリータイプとは違い、カプセルタイプの健康食品は消費者が医薬品と混同してしまう可能性が高くなります。健康食品はあくまでも健康の維持を目的としており、症状の緩和や病気の治癒を目的とするものではないことを明確にしなくてはなりません。

 

健康食品OEMの大まかな発注手順

健康食品OEM、つまり「受託製造」を検討する場合、いくつかのポイントに注意する必要があります。今や大手メーカーだけでなく、中小企業もOEM制を導入しており、受託先にいくつかの依頼が集中することも少なくありません。人気の商品が集中し納期が遅れることのないよう、あらかじめ理想とするスケジュールについて書面を作成しておくと安心です。受託先のキャパシティを理解するため、どの程度の製造ラインを有しているかなどのキャパシティもおさえておきましょう。

また、どれだけ付き合いの深い受託先であったとしても、同時に複数の企業に相見積もりを取ることは必須です。中でも企業によって価格に差が出やすいパッケージや容器、梱包材などの価格は要チェック。契約前に確認し、考慮した上で発注書を作成しましょう。

その他健康食品OEMの大まかな発注手順は以下の通りです。

  1. コンセプト、内容、成分などの話し合いとレビュー
  2. サンプリング
  3. 一度持ち帰りサンプルのチェック
  4. 最終的な仕様やデザイン、単価などを決定
  5. 正式発注
  6. 製造開始
  7. 検査、検品を経て納品

まとめ

今回はカプセルタイプの健康食品を製造するにあたり、基本知識や気を付けるべきポイントをご紹介しました。成分を効率良く吸収させるために有効とされるカプセル剤ですが、時には飲みにくさやカプセルの破損といったトラブルに繋がる場合があることを念頭に置いておくと安心です。


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