飲料タイプの健康食品は、手軽にサッと飲める点やさまざまなフレーバーがある点などで人気を集めています。ドラッグストアだけでなく、コンビニエンスストアなどでも気軽に手に入る点もメリットの一つといえますね。今回はそんな飲料タイプの健康食品の詳細や一例、OEM製造する際の注意点などについてご紹介します。
飲料タイプの健康食品とは
「健康食品」と呼ばれるものに明確な定義はなく、各企業が身体に有効とされる成分を謳ったものがそう呼ばれています。特に届け出をする必要がないため、すぐに売り出しやすいというメリットも兼ね備えています。
一方健康食品の中には、消費者庁における基準を満たした「保健機能食品」と呼ばれるカテゴリが存在します。
- 機能性表示食品
- 栄養機能食品
- 特定保健用食品
このうち「機能性表示食品」は、企業自らが責任を被る形で有用性の根拠を示し、届け出をするもの。許可が下りれば、国の審査がなくても「機能性」を謳うことが可能です。
続いて「栄養機能食品」は、あらかじめ決められた栄養成分を補給する目的で作られた食品のこと。n-3系脂肪酸や6種類のミネラル、13種類のビタミンを基準値内の成分量で含んでいるものを指します。
そして「特定保健用食品」は、一般的にも広く普及している「トクホ」のこと。どのような成分が入っていて、さらに身体機能がどうなるかといった内容を記載できるものを言います。おなじみのマークが記載されるため、消費者にとっても安全性がわかりやすくなりますね。商品ごとに許可を得る必要があり、安全性や有用性が認められなければ販売に至りません。
消費者がより安心して摂取するためには、厳しい審査をクリアした「保健機能食品」であることがベストです。有用性をわかりやすく表示できるため、他製品と比べた際も手に取りやすくなるでしょう。
飲料のメリット・デメリット
飲料タイプの健康食品には、メリットとデメリットの両方が存在します。錠剤やカプセル剤と比べて深刻なトラブルを招くことは少ないですが、必要に応じて審査を受けるなど、より安心して摂取できる製品づくりを心掛けましょう。
メリット
飲料タイプの健康食品を摂取するメリットには、以下のようなものがあります。
- コンビニエンスストアなど最寄りの店舗で手軽に購入できる
- 飲みたいタイミングでサッと摂取できる
- さまざまなフレーバーがつけられる
- 同時に水分補給が可能
- 栄養成分の吸収が速い
もっとも大きなメリットとしては、やはり気に入った味のものをジュース感覚で手軽に摂取できることでしょう。錠剤やカプセル剤などは医薬品と混同しがちですが、ドリンクならば「健康食品」であることを意識しやすくなります。購入の際、健康食品は即効性を期待するものではなく、あくまでも健康を維持するものだと認識してもらわなくてはなりません。
デメリット
飲料タイプの健康食品を摂取するデメリットには、以下のようなものがあります。
- 1日の規定量が分かりにくい
- 飲み過ぎると糖分過多になる可能性がある
- フレーバーが苦手な場合は継続して飲みにくい
- 製造時に容器代等のコストがかかる
飲料タイプの健康食品の場合、「1日1本まで」と記載があってもつい何本も飲んでしまう……というケースが見られます。腸内環境を整える製品の場合、複数本を一度に摂取することで下痢や腹痛を起こす可能性も。
また、1本ずつプラスチックやガラス瓶に詰める場合、それだけのコストがかかります。余剰在庫を抱えれば、容器代が占める割合が痛手になりかねません。かといって少ないロット数で依頼すると費用が割増になりやすいため、見積もりの際には双方のつり合いが取れたロット数を検討しましょう。
飲料タイプの健康食品の一例
続いて、飲料タイプの健康食品にはどんなものがあるか見てみましょう。
- カフェイン
- 乳酸菌、ビフィズス菌、ラブレ菌
- ユーグレナ
- カルシウム
- コエンザイムQ10
- コラーゲン
- プラセンタ
- オルニチン
- GABA
- プロテイン
- ウコン
- 酵素ドリンク
- 青汁
- 黒酢
代表的なものとして挙げられるのが乳酸菌やビフィズス菌といった腸内環境を整えるはたらきをもつ健康食品です。ヨーグルト風味で飲みやすいものが多く、1日に1本を目安に定期的に摂取している人も少なくありません。
一方、美容目的で作られるコエンザイムQ10やコラーゲン、プラセンタなどは女性を中心に需要の高い製品です。液体であるため吸収が速いのが特徴ですが、飲みやすくするため糖分や甘味料が入っているとそれだけカロリーが高くなるため注意しましょう。ダイエット目的はもちろん、ニキビなどの肌荒れにも影響を及ぼす可能性があります。
飲料タイプの健康食品における注意点
飲料タイプの健康食品の中で、若い世代を中心に人気があるのが「エナジードリンク」です。カフェインが含まれており、炭酸の刺激と合わせて脳を活性化させたり、眠気を飛ばしたりする目的で摂取する人が多いでしょう。手軽に購入できる点も、ジュース感覚で飲める点も他の健康食品と変わらないように見えます。
しかし、エナジードリンクを飲むことが日常となっている人は、さらにスッキリするために過剰なカフェインを摂取してしまうことがあります。カフェインは摂れば摂るほどだるさを誘発するため、まさに悪循環というわけです。カフェインの量が増えるにつれてカフェイン中毒となれば、動悸や血圧の上昇、吐き気や不安といった症状が見られることも。
さらに、アルコールや医薬品と併用した結果、カフェイン中毒で死亡したケースも報告されています。こういった危険性を知らないまま摂取することのないよう、わかりやすい記載で注意を促すことが必要不可欠といえるでしょう。
また、多くの消費者が「栄養ドリンク」を健康食品と認識している傾向にあります。滋養強壮などの目的で製造された栄養ドリンクは「医薬部外品」となり、1日の摂取量が明確に決められているものがほとんど。両者を混在することのないよう、似通ったデザインを避けることも重要です。
健康食品OEMの大まかな発注手順
健康食品OEM、つまり「受託製造」を検討する場合、いくつかのポイントに注意する必要があります。今や大手メーカーだけでなく、中小企業もOEM制を導入しており、受託先にいくつかの依頼が集中することも少なくありません。人気の商品が集中し納期が遅れることのないよう、あらかじめ理想とするスケジュールについて書面を作成しておくと安心です。受託先のキャパシティを理解するため、どの程度の製造ラインを有しているかなどのキャパシティもおさえておきましょう。
また、どれだけ付き合いの深い受託先であったとしても、同時に複数の企業に相見積もりを取ることは必須です。中でも企業によって価格に差が出やすいパッケージや容器、梱包材などの価格は要チェック。契約前に確認し、考慮した上で発注書を作成しましょう。
その他健康食品OEMの大まかな発注手順は以下の通りです。
- コンセプト、内容、成分などの話し合いとレビュー
- サンプリング
- 一度持ち帰りサンプルのチェック
- 最終的な仕様やデザイン、単価などを決定
- 正式発注
- 製造開始
- 検査、検品を経て納品
まとめ
今回は飲料タイプの健康食品についてご紹介しました。手軽に摂取できる反面、過剰摂取や糖分過多などの注意喚起が必要不可欠となる飲料タイプ。消費者に寄り添った掲示ができるか否かで、製品価値が大きく変わるといっても過言ではないでしょう。