ネット社会といわれる近年は、店頭販売だけで十分な需要を獲得することは難しい可能性があります。公式サイトでのPRはもちろんですが、まずは各種広告を利用して消費者の目に留まりやすくしなくてはなりません。今回は数ある広告の中から「リスティング広告」と呼ばれるものに焦点を当て、基本情報や注意すべき点についてご紹介します。
リスティング広告とは
数々の種類がある広告ですが、その中でも2000年代から主流となったのが「リスティング広告」です。ユーザーの検索意図と関連するため、消費者の興味を引きやすいのが特徴といえるでしょう。
例として「健康食品 OEM」と検索したとき、トップにテキストとして表示されるのがリスティング広告です。他のサイトと同じようなテキストのため見分けがつきにくいですが、「広告」と小さな文字で記載されているのが分かるでしょう。
広告といえば、動画やアプリを使用しているときに流れてくるものだったり、テレビCMのようなものをイメージしたりする場合がほとんどではないでしょうか。これらは見るのが億劫に感じ、一般の消費者からは敬遠されることも多いもの。これに対しリスティング広告は、検索した語句と似た内容の広告が表示されるため、ユーザーのクリック率も高まるというわけです。
また、リスティング広告で記載される文章は、こちらで自由に設定できるという点も嬉しいポイントです。SEOを意識した文章にすることはもちろん、個性的な文章にすれば自然と視線を誘導できるでしょう。
リスティング広告は、大きく分けて「Google広告」と「Yahoo! 広告」の2種類に分けられます。どちらもネットを媒体とした広告であることは変わりませんが、近年ではGoogleが約7割、Yahoo! が約2割、その他が約1割とGoogleが多くを占めています。
続いて、GoogleとYahoo! でどんなポイントが異なるのかを確認していきましょう。
ターゲットの範囲をどのくらい指定できるか
リスティング広告を設定するときは、ある程度ターゲットを絞って表示させることが必要不可欠です。年齢層やユーザー属性、使っているデバイス、地域や日付などを指定できますが、Googleの方が指定項目が多いのが特徴です。
Googleにあり、Yahoo! にない項目として、過去に似たページを訪れていたり、関連する話題を調べていたりといった経歴のあるユーザーを指定できるという点が挙げられます。現在は興味がなくても、これまでに一度は調べていた……という経験から、一般ユーザーに比べるとクリック率が高まると予想できます。
また、両者同じ項目である地域や日付指定は、Googleの方が細かく指定できるのがポイント。ターゲットが詳細に決められるということは、それだけ意識が向きやすいということ。ページ滞在時間も長くなり、より一層商品に興味を持ってもらえるでしょう。
いかに広告に力を入れていたとしても、興味のないユーザーに反映していては意味がありません。細かく範囲を指定できるGoogleの場合は特に、ターゲット層の指定を念入りに行いましょう。
表示できる文字数の違い
広告の場合、文字数が多ければ多いほどユーザーを惹きつける……というわけではありません。しかし数文字で検索意図を満たすことができないように、長文ならばより興味のあるワードを盛り込みやすいのも事実です。GoogleとYahoo! を比べてみると、Googleは見出しを3つまで設定できるのに対し、Yahoo! では2つまでしか入れられません。
全ての見出しを総合すると、Googleでは300文字まで入れられるリスティング広告。170文字までに制限されているYahoo! に比べると、より表現しやすくなっているのが分かります。
とはいえ半角で300文字となると、こちらも文章を厳選して入力しなくてはなりません。興味のあるワードを最初に持ってくるのはもちろん、限られた文字数でいかに分かりやすい文章にできるか工夫してみてくださいね。
ツールの利用者層の違い
昨今、検索時にYahoo! を使っているのは主に40~50代の男女といわれています。特にスマートフォンではYahoo! を使っている割合が低く、主に自宅や職場にPCがある人に限られてしまうでしょう。そうなると、若い世代を狙った商品をYahoo! のリスティング広告に載せても思うような結果が得られない場合があります。
これに対しGoogleはというと、PC層・スマートフォン層のどちらにも一定のユーザーがいるのが特徴です。特にスマートフォンは若い世代の中心ツールであり、日頃から広告を目にする機会も多いもの。20代~30代向けの美肌サプリやストレスケアサプリなどを筆頭に、「Googleの方が望ましい」という商品も多数存在します。
リスティング広告の費用と効果
リスティング広告を出稿する際には、その効果だけでなく費用のことも念頭に置いておかなければなりません。とはいえ初めて広告を検討する場合、相場が分からなければ予算を決めることすらできません。
そもそもリスティング広告を出稿したいと考えていても、人気のキーワードで表示される枠には限りがあります。そこに食い込もうとする場合、他のキーワードに比べて費用が跳ね上がってしまいます。いわばオークションのようなもので、より高い費用を投じられる企業が広告枠を獲得できるのです。
さらに、ユーザーが何回その広告をクリックしたかによって月の費用が変わってきます。広告の内容や枠の人気度によっても異なりますが、平均で1クリック50~1,000円程度と考えておくと良いでしょう。月間で100人がクリックしてくれた場合は最低5,000円で済みますが、人気コンテンツになると10万人レベルのクリック数となることも。
全てのリスティング広告を平均すると、月間20万~50万円の費用が掛かっているといわれています。もちろん売上や目指すクリック数などによって調整しなくてはならないため、月の数字をしっかりチェックしておくことが大切です。
リスティング広告を利用する際の注意点
最後に、リスティング広告を利用する際にはどんなことに注意すべきなのか、そのポイントを確認しておきましょう。
まず最初に、先ほども触れたように人気のキーワードを攻める場合は広告費用が高額になりがちです。逆にいえば、同業他社の穴を突ければ、コストを削減できるということ。いかに注目を浴びていて、他社が気づかない点を見つけられるかが鍵になるでしょう。
また、長期にわたりニーズがあるような商品ならば良いですが、流行に応じてニーズが増減するような商品の場合、広告の撤退時期を定めておかなければなりません。長期になればなるほど無駄にコストがかかってしまうため、新たな広告の出稿を検討するとともに、いつ広告を下げるか考えておきましょう。
そして最後に、リスティング広告で誘導できるユーザーは、ある程度その商品が欲しくて検索しているユーザーに限ります。似た商品同士でどちらが良いのか悩んでいたり、詳しく調べてみたかったりする場合です。ということは、欲しいとは思っていても検索まで至っていないユーザーや、興味はあるがそのことに気が付いていないユーザーを誘導することは難しくなります。
大手企業になればなるほど、リスティング広告を始めさまざまな種類の広告を組み合わせて商品のPRを行っています。自社の製品のターゲット層を改めて理解した上で、もっとも効果的な広告を選びましょう。
まとめ
Google・Yahoo! の2種類が主となるリスティング広告ですが、それぞれに特徴があり、合致する商品も異なります。リスティング広告のデメリットや注意点を理解した上で、自社製品のPRに役立ててみてくださいね。