健康食品OEMメーカーは、クライアントの依頼を受けて健康食品・サプリメントの製造をしている企業ですが、その中で働く企画職の存在を知らない方も多いかもしれません。実はこの企画職、製造される商品をより高品質で魅力的なものにし、さらにしっかりと購入してもらえるためには、欠かせない職業なのです。
そこで本記事では、健康食品OEMメーカーにおける企画職とは、どういった役割を担っているのかについて解説していきたいと思います。
健康食品OEMメーカーの企画職とは?
健康食品OEMメーカーでは、企画職の方はどんな仕事をしているのでしょうか?実際のところ、企画職のことを詳しく知っている方はあまり多くないと思われます。そこで、まず初めに健康食品OEMメーカーにおける、企画職の仕事内容について紹介していきます。
企画職の主な仕事内容
健康食品OEMメーカーの企画職の仕事内容は、基本的にはクライアントから製造依頼を受けた健康食品やサプリメントの企画・立案から製造に至るまで、ほとんどの工程に関わるものです。
- 市場調査消費者のニーズ、関心、競合他社、市場のトレンドなど、さまざまな動向を調査・分析し、新規商材の開発や新規企画の提案をします。またこの分析結果は、販路や顧客層の最適化にも活用され、商品の売り上げを左右する重要なデータとなります。
- 商品企画・開発市場調査の結果をもとに、クライアントから依頼された商品や自社の商品を企画・開発します。既存の商品のリニューアル案の企画提案も行います。クライアントからのヒアリングや市場のニーズを分析するなどして、商品のコンセプト、商品名、価格、販売戦略などを決定します。営業部門や処方開発部門などと連携し、クライアントへ商品企画を提案することもあります。商品の開発が決まったあとには、処方・剤形の検討、原価計算、商品パッケージの作成、裏面表示作成、開発スケジュールの管理など、やることはとても多いです。開発部門・営業部門などとの連携業務や提案資料の作成など、社内のさまざまな部署との関わりがあるため、各部署間の橋渡し的な役をこなすことも多いのが特徴です。
- 広報・PRできあがった新商品を世の中に広める方法を企画し、実行します。メディア向けのプレリリース記事の作成、ローンチイベント(新商品を公開するイベント)の企画・開催も行います。以前は、情報番組などで取り上げてもらえるようにテレビ局へ掛け合ったりすることがよくありました。しかし最近では、各種SNSを有効に活用してPRするOEMメーカーもだんだん増えてきています。
- 販売促進新商品の認知度を上げ、できるだけ多くの人に購入してもらえるような戦略を考え、実行します。広報・PRにくらべると、より消費者に近い位置での宣伝活動となります。たとえば、店頭に飾るポスターやPOP、販売促進グッズを作製したり、ノベルティやサンプリングを配布したりするなどして、目の前にいる消費者のその場で買ってくれるような施策を考えます。
- 営業企画売り上げや販売に関する戦略を提案することによって、営業担当者がスムーズに営業活動できるようにサポートします。クライアントの営業や販売員に対する商品説明の講師をするほか、説明資料の作成や監修を行います。商品への信頼度アップのために、商品エビデンスの強化なども行います。商品の売り上げがなかなか上がらない場合には、自社やクライアントの課題を見つけて、新たな戦略を企画提案し解決へと導きます。また、社員のモチベーションアップのために、社内表彰やインセンティブ制度などを企画することもあります。
健康食品OEMメーカーの企画職に求められるもの
ここまで述べてきたように、健康食品OEMメーカーにおける企画職の仕事内容は多岐にわたり、責任も非常に重いことがわかります。そのため企画職を希望したとしても、すぐに配属されることはあまりないようです。これから健康食品OEMの分野で企画職を目指す方のために、実際にどのような方が求められているのかを項目別で挙げてみたいと思います。
求められる経験
企画職に就くために求められる経験は、そのほとんどがここまでご紹介してきた企画職の仕事内容に関連する、次に挙げるものです。しかし、必ずしもこれらの経験がなければ企画職に就くことができないというわけではなく、優遇される程度のものですのでご安心ください。
- 健康食品メーカーでの商品企画・開発の経験
- マーケティング業務の経験
- 店頭販売用販促物(チラシ、POP、のぼりなど)の企画制作経験
- 店頭・Web広告の施策立案と実務経験
- プレゼンテーション、セミナー講師の経験
求められるスキル
基本的には、「働きはじめてから覚えてくれたらいい」という企業が多いようですが、企画書等の資料作成のためにWord、データ分析のためにExcel、プレゼン資料作成のためにPowerPoint、それぞれの基本的な操作ができることを求めているOEMメーカーもあります。また、海外との取引があるOEMメーカーの場合、ビジネスレベルの英語や中国語が必須というところもありますが、あまり多くはありません。
求められる学歴
求められる学歴に関しては、高校卒業から大学院修了まで幅広いようですが、求人欄などで多く見られるのは「大学卒業・大学院修了」です。また、仕事の内容上、理系の学科出身者を優遇するものや、中には化学・農学など専攻まで指定しているところもあります。
求められる人物像
企画職に求められる人物像も、求められる経験と同様、紹介してきた仕事内容を確実にこなせるような人物像を求めるような項目が多く見られます。
- 新しい分野への関心や意欲、向上心がある人
- コミュニケーション能力が高く、柔軟性に富む人
- フットワークが軽く、バランス感覚の良い人
- マルチタスクがこなせる人
- さまざまな情報収集と分析ができる人
- 忍耐強く地道な作業を続けられる人
求められる資格
まれに薬剤師や管理栄養士などの国家資格の保有を採用の条件に入れている企業もありますが、基本的には健康食品OEMメーカーの企画職に就くために必須の資格はありません。ただし、健康食品OEMメーカーの企画職に就くために、役に立つかもしれない資格をいくつか紹介します。
- 食品保健指導士「食品保健指導士」は、「公益財団法人 日本健康・栄養食品協会」が認定する民間資格です。消費者が、保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品)やその他の健康食品について、正しい知識を持ち、適切に利用できるようにアドバイスできるよう指導する資格です。
- 薬事法管理者「薬事法管理者」とは、「LLP薬事法有識者会議」が認定する民間資格です。健康食品の販売にも関わってくる薬機法(旧薬事法)について体系的に学ぶことができ、法律を遵守したうえで、健康食品やサプリメントの魅力を伝えられるようになります。
- 登録販売者「登録販売者」は、一般用医薬品(市販薬)の販売に必要な専門資格です。一見、健康食品には関係ないようにも思われるかもしれませんが、登録販売者でも薬機法について学ぶことができます。
まとめ
本記事では、健康食品OEMメーカーにおける企画職とは、どのような仕事をしていて、どんな人たちが求められているのかについて紹介してきました。コロナ禍の影響などにより、人々の健康志向はますます高まっているため、健康食品OEMメーカーの企画職の役割は今後さらに重要になっていくことでしょう。この記事をきっかけにして、健康食品OEMの企画職に興味を深めていただけたら幸いです。