レンジや熱湯で温めるだけで手軽に食べられるレトルト食品は、忙しい方の食事を手助けするだけでなく、緊急時の保存食としても活躍します。普段からいくつかは常備しておきたいものですが、頻繁に食べるとなると考えたいのが「種類」。飽きずに楽しめるレトルト食品を、OEM製造で生み出す方法をご紹介します。
健康食品OEMでレトルト食品は作れる?
健康食品OEMと聞くと、最初にイメージするのはサプリメントやドリンク類ではないでしょうか。体に必要な成分を凝縮しており、効率的に摂取できるのがポイントです。
一方、錠剤やカプセル剤の形状が苦手だったり、個性的なフレーバーのドリンクを好まない人にとって、健康食品選びは困難を極めます。手軽に摂取したくても、結果として普段の食生活を見直すことで落ち着いている人も多いでしょう。
そんな中注目したいのが、レトルト食品のOEM製造です。一般にイメージされるレトルト食品に一工夫加え、体に良い製品を生み出しましょう。
製作可能なレトルト食品例と特徴
それでは、実際にOEMで製作可能なレトルト食品の一例をご紹介します。イメージしやすいものから予想外のものまでさまざまですが、レトルト食品を選ぶ消費者にとってもっとも重要なのは「手軽さ」。普段食べている食品と同じように、シンプルな手順で食べられる健康食品が求められているのです。
カレー・シチュー
レトルト食品の代表ともいえるのがカレーやシチューといったペーストタイプの製品です。パウチに入れることで鮮度が保たれ、常温で長い間保管できるのもポイントですね。湯せんであたためたり、中身を出してレンジをかけるだけで食べられるため、子供から高齢者まで幅広く愛用されています。
とはいえカレーやシチューのレトルト食品は既に市場にあふれており、消費者の目に留まる製品作りが必要不可欠です。特にカレーはスパイスによる抗酸化や抗炎症作用などに重点を置き、香辛料の配合を工夫する必要があるでしょう。
調味料類
日々使わない日はないほど食事に欠かせない「調味料」。摂取する頻度が高いため、より一層成分には気を付けたいものです。塩分や糖分といった項目はもちろん、化学調味料を使っているかどうかにも注目する消費者が増えています。
また、近年調味料で脚光を浴びているのが「麹」を代表とする発酵食品。中でも塩麴は、和食はもちろん洋食にも合うと様々なレシピが開発されています。
スープ
お湯を注ぐだけで楽しめるスープは、食卓に彩りを添えるための一品として欠かせません。主菜のイメージは湧いても、汁物のレパートリーが少ない方も多いでしょう。手軽に楽しめるレトルトタイプのスープを常備しておけば、ダイエット中などで小腹が空いた時にも重宝します。
スープ系の商品を生み出す上で重要なのはターゲット層です。中でも女性をターゲットとしたヘルシーかつお腹に溜まりやすい商品は、見た目も可愛らしくバリエーション豊かなラインナップが特徴です。
パン
一般的に売られているパンといえば、小麦粉を使った比較的カロリーが高めなものを思い浮かべるのではないでしょうか。糖質制限中だったり、ダイエットをしていたりする方にとって、パンは避けたい食品の中でも上位に位置するはずです。
一方近年、大豆を原料とした粉末や大麦、小麦の中でも外側の皮のみを使用した「ふすま」などを使った低糖質のパンが続々と登場しています。噛み応えがあったり、塩気があったりと小麦粉のパンに比べて違和感を覚える消費者も多いものの、食物繊維をはじめとする各種栄養素が豊富なため健康食品としても有用です。
デザート類
こちらも同じく糖質制限やダイエットなどの救世主として愛されているデザートタイプの健康食品。パウチに入ったレトルトタイプのゼリーなどは、携帯性に優れサッと食べられると会社勤めの女性にも大人気です。ビタミンや食物繊維など幅広い栄養素を入れられるほか、食べやすいようさまざまなフレーバーをつけることで集客効果も高くなります。
惣菜
食卓に一品プラスしたい時に役立つのが惣菜です。特に和食中心の食生活を送っている場合、小鉢で何品も用意するのは手間がかかりますね。とはいえメインだけでは彩りはもちろん栄養素も偏ってしまいます。
カレーなどと同じく、あたためるだけで食卓に出せるレトルトタイプの惣菜は、幅広い世代に愛される商品でもあります。一品ごと選んで買うも良し、人気商品を詰め合わせてセット販売にしても良し、保存のきくレトルトだからこそできる技といえるでしょう。
介護食
健康食品を製造する上で忘れてはならないのが介護食です。通常の食事とは違い、柔らかく煮込んであったり、ペーストにしてあったりとレベル別で食材の形状も選ばなくてはなりません。見た目を工夫しなければ、食事を楽しむ気持ちもなくなってしまうという難しさもあります。
実際に作った料理をミキサーにかけて介護食を作る場合、一見簡単そうに見えても作り手の苦労は計り知れません。毎日の食事だからこそ、手軽に用意できるレトルト食品を活用しましょう。
レトルト食品をOEM製造する際の注意点
続いて、実際にレトルト食品をOEM製造する場合、どのようなポイントに注意すべきかをご紹介します。検討しているOEMメーカーの特色を把握し、必要に応じて複数の企業に相見積もりを取りましょう。
小ロット生産が可能かどうか
委託する側が新たにレトルト食品のOEMを検討している場合、いきなり多数の在庫を抱えるリスクは避けたいものです。小ロットから対応してくれるメーカーを選び、仕様変更等にも負担なく対応できるようにしましょう。複数のフレーバーやメニューを用意したい場合もそれぞれ小ロットから試すことで人気度を測りやすくなります。
また、小ロット生産は製造が短時間で済むため、開発サイクルが回りやすいというメリットもあります。試行錯誤する上で、一定のリズム感で高いモチベーションを保つのは重要なこと。複数の案を試したい場合も、小ロット生産ならば可能となるでしょう。
レシピの開発が得意かどうか
自社でレトルト食品のレシピを開発できる場合は、製造ラインの充実度でメーカーを選ぶのが良いでしょう。しかしこれまでに経験がなく、開発からメーカーに委託したい場合は、どのようなカテゴリを得意とするメーカーなのかを把握しなければなりません。
自社に開発可能な人材が少ない場合、メーカーと結託してレシピを生み出せるかどうかもポイントとなります。
一方、最初の内は開発から委託するのも方法の一つですが、仮にメーカーが独立したいとなった時、そのノウハウが自社に残る可能性が低くなります。いずれは自社で開発から営業までを担うことを考え、必要な人材確保に向けて動き出しておく必要があるでしょう。
加圧加熱殺菌の設備は整っているか
レトルト食品と一般的な健康食品の大きな違いの一つに、「加圧加熱殺菌」ができるかどうかというポイントがあります。これはレトルト食品を製造する上で欠かせないため、まずこちらをチェックするようにしましょう。逆に言えば、加圧加熱殺菌のできるラインが整っているメーカーの場合、さまざまなレトルト食品に対応できる可能性が高まります。
また、加圧加熱殺菌の設備を活かして缶詰やビン詰めタイプの製品を生み出すことも可能です。広くいえば缶詰やビン詰めも「レトルト食品」にカテゴライズされますが、こちらも徹底的な管理が必要不可欠。しかしそれさえクリアすれば、長期間保存可能な健康食品が誕生します。
容器の種類は豊富か
一般的な食品とは異なり、加圧加熱殺菌を経て製造されたレトルト食品はある程度決まった容器を選ばなくてはなりません。先ほど挙げた缶詰やビン詰めをはじめ、カレーでよく見る平袋タイプ、マチが広がることで自立するスタンディングパウチなど様々な種類があります。
また、缶やビンをはじめとする容器は、コストがかかりやすいというデメリットもあります。見積もりの際は容器コストを念頭に置き、試算に加えておくと安心です。
まとめ
健康食品とレトルト食品は、一見イメージしにくいものの、実は相性の良い製品でもあります。保存がきく点、さらには調理のしやすさといったメリットをうまく活かし、健康かつ便利な製品づくりを心がけましょう。