新たな健康食品開発をする際、OEMに依頼すると多くのメリットがあります。
人員の確保から環境整備において、また機械のメンテナンスや修理となると、製造工程には莫大なコストがかかります。
OEMは製造に特化した企業であるため、ブランド企業の要望に応じて製造を全て任せることができるので、コストの削減は一番のメリットになるといえます。
しかし、依頼するOEM会社の特徴をしっかりと把握し、自社の要望とマッチしている会社を選ばなければ、イメージ通りの商品に仕上がらなかったり、余計な手間やコスト、時間がかかってしまうことに繋がり、せっかくのメリットを活かすことができなくなります。
OEMを活用することで、不利益になってしまわないよう、OEMメーカーへ依頼するときに抑えておかないといけないポイントを知っておく必要があります。
この記事では、健康食品OEMを依頼するときのリスクと、その注意点をまとめていきます。
健康食品OEMを依頼するときのリスク
コストパフォーマンスが悪くなる
依頼主が事前にOEMを利用する際に、費用の相場についての知識がなく、OEMメーカー側との細かなやり取りがおろそかになると、企画段階での予算を上まってしまうという失敗に繋がります。
企画通りのクオリティに仕上がらない
開発する健康食品に使用する原材料によっては、依頼するOEMメーカー側の取り扱い商材の数や提携している工場、また、原料・資材メーカーの数が少ないと、委託者の要望に柔軟に応えることが難しく、完成品のクオリティが当初企画していたものの水準をクリアできないリスクがあります。
納品予定がスケージュールより押してしまう
事前にメーカーからスケジュールを確認し、製造中も蜜にコミュニケーションを取ることで、納期予定を常に把握しておくことができます。
売り上げ状況に応じてロット数を変えられず、ビジネスチャンスを逃してしまう
最小ロット数への知識を持っておくことで、希望のロット数に対応できるOEMメーカーを探すことができます。
また、売り上げに応じて柔軟な対応が可能かを事前に把握しておかないと、思わぬ在庫を抱えるリスクが出てきます。
健康食品OEMを依頼するときのポイント
1.開発や製造工程で発生するコストを分析する
健康食品OEMに製造を任せたいと考えたら、まず、OEMメーカーに発注する前に、開発の工程や製造で発生するコストを十分に分析する必要があります。
健康食品と一括りにいっても、粉末、錠剤、液体などさまざまな形状があります。
加工のプロセスによって費用は異なり、原材料にどのようなものを使うかによって、製造コストも大幅に違ってきます。
基本的に、まずはOEMメーカーに見積りをとることで、前もってコスト分析をすることができます。
すでに予算の上限がある場合は、「〇〇を目的としたサプリメントで〇〇万円ぐらい」というように、OEMメーカーに先に伝えて、その範囲内でどのような商品が生産可能かを相談する方法もあります。
事前にコストに対して、お互い理解の上で、OEMメーカーを決定すると良いでしょう。
費用の内訳と目安を参考程度に以下にまとめておきます。
- 食費用
サンプル製作は無料というところもありますが、高価な原材料を使用したり、数量が多い場合は有料(実費)になることが多いようです。
OEMメーカーが自社でパッケージデザイナーを抱えていて、デザインからパッケージ製造までトータルで依頼できる場合と、持ち込みの場合があります。
いずれの場合でもデザイン代やパッケージ製造・印刷の費用は別途かかります。
パッケージ製作の費用を抑えたい場合は、既存の容器を使用し、印刷やラベル添付で対応するなどの方法もあるので、メーカーに相談すると良いでしょう。
- 健康食品の中身(バルク代)
バルクとは、完成した健康食品を容器詰めする直前のものを指します。
OEMメーカー側で、ゼロから全ての材料を考えて製造する場合があります。そのケースにおいて、OEMメーカー独自の原料を使用する場合は、研究開発費・加工費・品質や安全性の検査も必要となるため、その分のコストと時間がかかることを把握しておく必要があります。
コストや時間を抑えたい場合は、OEMメーカーが保有している既存の原料の組み合わせをベースに工夫することもできます。
- 健康食品の容器やラベル、印刷代など
健康食品の形状によって、例えばドリンクなら瓶や缶、もしくはペットボトル、粉末状ならパウチ袋、というように中身によって最適な容器を準備する必要があります。
また、消費者に手に取ってもらったり興味を持ってもらうためには、デザインや謳い文句を工夫し、消費者の目に留まるパッケージに仕上げる必要があります。
どこまでこだわるかによって、コストもさまざまです。
例えば、発売当初はシンプルにコストを抑えることからスタートして、改良しながらステップアップしていくのも一つの方法です。
- 梱包や配送代
完成した健康食品へのラベル貼りやシュリンク包装、倉庫やお店に配送するための箱詰めをするといった最終工程でかかる人件費と配送代を確認しておく必要があります。
見積り時に提示されることが多いですが、はじめに確認しておく必要があります。
2.メーカーに発注するロット数への柔軟な対応が可能かを確認する
発注したい個数(ロット数)での製造が可能かどうかは、保有している設備・工場によって大きな違いがあるため、基本情報としてはじめに確認することが大切です。
世間的なニーズを掴めていない状態で最初から多めに製造してしまうと、上手くいかなかったときにリカバリーしづらくなります。
また、事業が軌道に乗って商品を大量に確保したい場合は注文ロット数を増やそうとしますが、そのとき、メーカーのキャパシティが追いつかないようなことが起こると大きなチャンスを逃すことになります。
さらに、健康食品の市場はその年の消費者の流行りや、社会情勢によっても大きく変動します。大ロットで発注をお願いしていても、その時の売り上げ状況によって小ロットに戻したりと、柔軟な対応が行われなければ、商品が売れ残ったときに大量の在庫を抱える恐れがあります。
テストマーケティングのために小ロットから対応してくれる会社や、売り上げに応じて柔軟に対応してくれる会社を探すことも大切なポイントです。
最小ロット数の目安として、例えば、青汁やプロテインなどの粉末状のものであれば10㎏~30㎏ぐらい、錠剤やカプセルタイプなら1,000~3,000個が一般的な最低ロット数となっています。
3.製造スケジュールの目安を確認しておく
一般的に、商品の全ての詳細が確定してから、約1~2か月程度が納品の目安と言われています。
原材料の種類によっては、抽出、精製、加工に手間がかかるような場合、さらに納期が延びる場合もあります。
また、原材料だけでなく、その時のOEMメーカーの製造稼働状況にも左右されることもあります。
できるだけコストを抑えたい場合は、スケジュールに余裕をもって依頼する必要があります。
4.健康食品開発の信頼できる実績の有無を確認する
同じ健康食品OEMメーカーでも、企業ごとでその実績に差があります。
OEMメーカーによっては「粉末状」「カプセル」「錠剤」が得意というように形状に特化したメーカーや、「美容ダイエット」「健康維持」「栄養補助食品」などの、それぞれの細かいジャンルに特化したメーカーがあります。
それぞれのメーカーの得意分野やその実績を見極めてから依頼すると、コストパフォーマンスが良くなったり、小ロット数でも製造依頼できたりとメリットがあります。
まとめ
以上、健康食品OEMを依頼するときのリスクと、その注意点をまとめました。
新たなオリジナル健康食品の開発に是非役立ててください。