化粧品や健康食品を販売したい方へ、ショップ開設に必要な手続きをまとめました。 この手続きは、ショップ開設に不可欠ですので、ぜひ参考にしてください。
化粧品製造販売届出とは?関連する薬機法について
化粧品・健康食品を販売する場合、ショップ開設の手続きが必要です。
これは、取り扱う商品が日本人の体に影響がないことを約束するものです。 届出には「化粧品製造販売届出」と付随する書類の提出が「品目ごとに」必要です。「品目」とは、お店で商品を選ぶ単位を指します。 例:ファンデーション、口紅、化粧水など
関連する薬機法は、以下の通りです。
医薬品、医薬部外品及び化粧品の製造販売の承認
第十四条 医薬品(厚生労働大臣が基準を定めて指定する医薬品を除く。)、医薬部外品(厚生労働大臣が基準を定めて指定する医薬部外品を除く。)又は厚生労働大臣の指定する成分を含有する化粧品の製造販売をしようとする者は、品目ごとにその製造販売についての厚生労働大臣の承認を受けなければならない。
出典:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
製造販売の届出
第十四条の九 医薬品、医薬部外品又は化粧品の製造販売業者は、第十四条第一項に規定する医薬品、医薬部外品及び化粧品以外の医薬品、医薬部外品又は化粧品の製造販売をしようとするときは、あらかじめ、品目ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣にその旨を届け出なければならない。 2 医薬品、医薬部外品又は化粧品の製造販売業者は、前項の規定により届け出た事項を変更したときは、三十日以内に、厚生労働大臣にその旨を届け出なければならない。
出典:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
製造販売の届出
第七十条 法第十四条の九第一項の規定による届出は、様式第三十九による届書(厚生労働大臣に提出する場合にあつては正本一通及び副本二通、都道府県知事に提出する場合にあつては正副二通)を提出することによつて行うものとする。
出典:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則
提出日
もし、「この日に商品販売を開始したい。」と思うタイミングがあるならば、届出は、販売開始日から3~4か月前からスタートした方がよいでしょう。
届出には、責任者の選出と、安全管理体制の整備が必須です。また、審査で改善を行う必要がある場合は、1か月かけて改善をし、再審査を行うためです。余裕を持って届出ができるよう、準備しておきましょう。
事前準備
「化粧品製造販売届出」の提出をする前に、準備があります。
いざ書類を提出したいときに取り決めるのでは、遅いです。また、不備があって書類提出自体ができなくならないよう、1つずつしっかり覚えておきましょう。
1. 製造販売三役(総括製造販売責任者・品質保証管理責任者・安全管理責任者)を決める
化粧品を製造する際に、安定した品質を保証し、安全に問題なく利用者へ届ける義務があります。
この義務を守るために、監督責任を負う立場の社員を「三役」と呼びます。 「化粧品製造販売届出」へ記載する必要があることと、届出後に安全管理についての審査があるので、2~3か月前には取り決めておきましょう。
- 総括製造販売責任者 製造~購入者が利用するまでの過程全てにおいて、総監督責する責任者。法人が少人数の場合、兼務も可能
- 品質保証管理責任者 製造~出荷までの過程において、品質を保つよう、管理監督する責任者。総括製造販売責任者との兼務も可能
- 安全管理責任者 出荷~購入者が利用するまでの過程において、安全上の問題がおきないよう、管理監督する責任者。総括製造販売責任者との兼務も可能
この三役は、誰でもなれる訳ではありません。三役になるには以下のいずれかを満たした者がなれます。
- 薬剤師
- 薬学や化学に関する専門課程を卒業 例:高校の工業化学科を卒業した、大学の化学科・農学科・理化学科を卒業したなど
- 学校で薬学や化学の科目を履修して卒業 + 3年の実務経験 例:高校の授業で化学を履修し、化粧品製造の安全管理業務を3年経験
2. 業者コード登録
業者コードとは、「化粧品製造販売届出」を出すにあたり必要となる登録番号のことです。この登録番号は、申請者(法人)に1つ、製造所で1つ、事務所で1つ付与されるので、新規開設の場合は、複数の番号があることが一般的です。 登録申請は、e-Gov電子申請サービスより行い、発番までに1~2週間かかります。
3. 必要書類の整備
届出には、合わせて提出する書類があります。あらかじめ作成しておくものであればよいですが、各市町村、卒業大学など、取得までに日数がかかるものがあります。慌てない様、次の項で確認しておきましょう。
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化粧品製造販売届出に必要な書類は?
「化粧品製造販売届出」には、届出の他に必要書類があります。都道府県により違いがありますが、主なものをここに列挙しておきます。取得漏れのないよう、チェックしてください。
- 製造販売業許可申請書
- 登記事項証明書(法人のみ。履歴事項全部証明書) 事業目的に「医薬部外品(化粧品)の製造販売」を行う旨の記載が必要
- 申請者と総括製造販売責任者との雇用関係を証する書類 雇用契約書、雇用保険証の写し、事業所名がある場合は保険証の写しも可
- 総括製造販売責任者の資格を証明する書類 理系の学校を卒業した場合=卒業証明書や卒業証書の写し、実務経験を伴う場合=従事証明書
- 既にに製造販売業許可証がある場合は、その写し 品目を追加する場合、製造所を追加で開設する場合、他県から移転する場合など
- 品質管理及び製造後安全管理に係る体制に関する書類 体制図の作成が必要各都道府県の見本参照
- 製造販売品目一覧表(参考資料)フォームは各都道府県の見本参照
- 案内図(参考資料)
この他に、安全基準、品質基準を定めた資料や、チェック体制などを合わせて作成しておくとよいでしょう。基準を設けて、全社で統一した品質を保つことは、企業の体制管理という点においても、大切な項目です。
提出場所
「製造販売業許可申請書」は、各都道府県に提出します。申請書作成は、FD申請サイトで行い、作成データと添付書類を都道府県へ郵送します。申請書は、正・副・控を1通ずつ、合計3通作成しておくとよいでしょう。
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提出した後の流れ
提出した書類にある、体制の元、品質管理・安全管理がされているか調査が入ります。調査の結果次第で、申請や添付資料の修正、体制の改善などが必要となる場合があります。この調査~改善は、審査に合格するまで繰り返し行います。
まとめ
ここまで、「化粧品製造販売届出」についてまとめてきました。特に大事なことは、以下の7つです。
- 申請に関わる作業は3~4か月前からスタートする
- 一番最初に申請の前に業者コードを取得する
- 三役を決め、安全管理・品質管理に関わる体制・基準を設けておく
- 三役に就任する社員へ、学位の証明書を取り寄せを依頼する
- 一品目ごとに申請を行う
- 作成した「化粧品製造販売届出」一式は、正・副・控を1部ずつ作成し、押印を忘れない
- 申請後は審査がある
実務に即すので、ボリュームが多いですが、しっかりと覚えて不備なく一度で承認されるようにしてください。