薬機法と医療広告ガイドライン 「AGA」の注意点

医療広告 薬機法 aga

近年、髪が薄くなる症状のAGA(男性脱毛症)に悩む方に向けて、AGAに特化したクリニックが増えてきました。

AGAの広告においては、薬機法と医療広告ガイドラインが関わってきます。 なぜ、薬機法と医療広告ガイドラインが関係するのか、AGAの広告においての注意点を解説します。

AGAなどの医療広告は違反件数が多い

AGAに特化したクリニックは、保険適応外となり、全て自由診療となります。

AGAを含む医療広告において、令和2年度に違反とされた件数が3,474件(952サイト)でした。3,474件のうち、約半数の1,799件が美容と歯科のジャンルでの違反となっています。また、美容ジャンルの中で、発毛・AGAに関する違反は2番目に多く10%を占めているのです。

令和元年度の違反件数は、5,884件(1137サイト)だったので減少傾向にあります。しかし、未だに1サイトで平均3.6件の違反が見られるのです。

違反広告が多い医療広告ですが、通報されて違反が発覚する件数が多くしっかり違反とならないようにする必要があります。

AGAは薬機法と医療広告ガイドラインを守る必要がある

AGAに関して、薬機法と医療広告ガイドラインが関わってくるため、これらを守ることが大事です。 薬機法では誇大・虚偽広告、未承認医薬品について、医療広告ガイドラインでは医療広告について定められているため、どちらもAGAに関係しているのです。

AGAと薬機法について

情報を知りたい時にインターネットで検索する方がほとんどかと思います。 WEBサイトが薬機法上の広告にも当てはまるので、AGAは薬機法の医薬品と広告の項目に該当するのです。医薬品を含む広告に関しては、薬機法で以下のように定められています。

第六十六条 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。

第六十八条 何人も、第十四条第一項、第二十三条の二の五第一項若しくは第二十三条の二の二十三第一項に規定する医薬品若しくは医療機器又は再生医療等製品であつて、まだ第十四条第一項、第十九条の二第一項、第二十三条の二の五第一項、第二十三条の二の十七第一項、第二十三条の二十五第一項若しくは第二十三条の三十七第一項の承認又は第二十三条の二の二十三第一項の認証を受けていないものについて、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはならない。

出典:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律

薬機法の第66条では誇大・虚偽の広告の禁止について定められています。 WEBサイトも広告の扱いとなり、効果効能を超えての表現などが禁止されているのです。

第68条では未承認の医薬品に関して、薬の名称や効能効果を謳うことを禁止しています。 AGAの治療に使われる医薬品は、厚生労働省に認可されたものと、海外から輸入し承認を得ていない未承認のものがあるのです。 未承認医薬品に関しては、WEBサイトで薬を紹介する際に承認前の薬の名称を広告で謳うと薬機法違反となります。AGA場合、薬の名称を謳わずに「AGA治療薬」と謳うことは薬機法違反とはなりません。

大まかなジャンルで表現し、未承認医薬品の名称や効能効果の表現や医薬品の効能効果を超えないように気をつけましょう。

医療広告ガイドラインとAGAについて

AGAに特化したクリニックなどにおいて、宣伝するのはWEBサイトを使う方が多いと思います。WEBサイトも広告として扱われるため、医療広告ガイドラインが関係してくるのです。医療広告ガイドラインにおいて、以下のものが広告として扱われます。

  • チラシ、パンフレット、DM、FAXなど
  • WEBサイト
  • ポスターや看板
  • 新聞、雑誌
  • CMなどの放送
  • スライド、ビデオ、口頭説明

クリニックなどの医療機関の宣伝を上記の広告でする場合に、表現できる内容などは全て医療広告ガイドラインで決められています。 医療広告での違反件数も多く、同業者からの告発だけではなく厚生労働省もネットパトロールで監視をする動きも見られるので、より一層ガイドラインを守ることが大切なのです。

医療広告ガイドラインにおける広告の定義

医療広告ガイドラインにおける広告の定義は、以下の2つを満たしたときとされています。

①患者の受診等を誘引する意図があること(誘引性) ②医業若しくは歯科医業を提供する者の氏名若しくは名称又は病院若しくは診療所の名称が特定可能であること(特定性)

出典:医療広告ガイドライン

また、上記の広告の定義が適応されるのは、クリニックなどはもちろん、他の方も適応になります。 医療広告ガイドラインでは以下のように薬機法と同様に「何人も」と示されているのです。

法第6条の5第1項において「何人も、医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関して、文書その他いかなる方法によるを問わず、広告その他の医療を受ける者を誘引する為の手段 としての表示(以下この節において単に「広告」という。)をする場合には、虚偽の広告をしてはならない」とあるように、医師若しくは歯科医師又は病院等の医療機関だけではなく、マスコミ、広告代理店、アフィリエイター(閲覧した人を誘引することを目的としてブログ等で紹介し、 その成果に応じて報酬が支払われる広告を行う者をいう。以下同じ。)、患者又は一般人等、何 人も広告規制の対象とされるものである。

また、日本国内向けの広告であれば、外国人や海外の事業者等による広告(海外から発送され るダイレクトメールやEメール等)も規制の対象である。

出典:医療広告ガイドライン

アフィリエイターやライターもその範囲に含まれるので、その点は気をつけなければいけません。

AGAなどの医療広告は限定解除がポイント

AGAに関してはもちろんですが、医療広告において「限定解除」がポイントとなります。 医療広告ガイドラインにおいて、患者が自らたどり着くWEbサイトなどにおいては、条件を満たした場合に限定解除ができます。限定解除とは条件を満たした場合に、自由診療の医療広告でNGとされる表現が多い中、決められた範囲であれば謳ってOKというものです。

限定解除の定義

医療広告ガイドラインにおいて、限定解除は以下のように示されています。

法第6条の5第3項の規定により、法又は広告告示により広告が可能とされた事項以外は、広告してはならないこととされているが、同項の規定により、患者が自ら求めて入手する情報については、 適切な情報提供が円滑に行われる必要があるとの考え方から、規則第1条の9の2に規定する要件を満たした場合、そうした広告可能事項の限定を解除し、他の事項を広告することができる(以下「広告可能事項の限定解除」という。)。なお、こうした広告可能事項以外の事項についても、法第6条の5第2項及び規則第1条の9に定める広告の内容及び方法の基準に適合するとともに、その内容が虚偽にわたってはならない。

出典:医療広告ガイドライン

限定解除はガイドラインで定められている条件を満たす必要があり、薬機法と同様に虚偽の情報はNGとなります。

限定解除の条件

限定解除をする上で、以下の条件を満たす必要があります。

広告可能事項の限定解除が認められる場合は、以下の①~④のいずれも満たした場合とする。 ただし、③及び④については自由診療について情報を提供する場合に限る。 ① 医療に関する適切な選択に資する情報であって患者等が自ら求めて入手する情報を表示するウ ェブサイトその他これに準じる広告であること ② 表示される情報の内容について、患者等が容易に照会ができるよう、問い合わせ先を記載する ことその他の方法により明示すること ③ 自由診療に係る通常必要とされる治療等の内容、費用等に関する事項について情報を提供する こと ④ 自由診療に係る治療等に係る主なリスク、副作用等に関する事項について情報を提供すること

出典:医療広告ガイドライン

限定解除は、患者が自らたどり着いて情報を得るWEBサイトなどが対象となります。クリニックがお金を払って出した広告については対象外となるので気を付けましょう。また、③と④の条件は自由診療に関するものであるため、AGAのクリニックでは①〜④を全て満たす必要があるのです。自由診療に関しては、リスク・副作用をしっかり伝えることが必要になります。クリニックによって価格が様々な自由診療は、価格もしっかり伝えることが大事です。

限定解除における未承認医薬品

限定解除はなんでも表現できるようになるわけではなく、表現できる項目が決められているので注意が必要です。 薬機法では、未承認の医薬品の名称などを謳うことが禁止されていますが、限定解除の場合のみ未承認の医薬品を謳うこともできるのです。 未承認薬について、医療広告ガイドラインに関するQ&Aでは以下の内容を記載することとしています。

国内で承認されていない未承認医薬品等を自由診療に使用する場合は、 医療広告ガイドラインに記載された限定解除の要件として、具体的には、以下のよ うな内容を含む必要があります。

(未承認医薬品等であることの明示)

  • 用いる未承認医薬品等が、医薬品医療機器等法上の承認を得ていないもので あることを明示すること。

(入手経路等の明示)

  • 医師等の個人輸入による未承認医薬品等を用いる場合は、その旨を明記する こと。また、同一の成分や性能を有する国内承認された医薬品等があり、その効 能・効果で用いる場合であっても、入手経路について明示すること。個人輸入等 により入手した場合は、その旨を明示すること。合わせて、厚生労働省ホームペ ージに掲載された「個人輸入において注意すべき医薬品等について」のページ (※)を情報提供すること。

(※)https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/healthhazard/

(国内の承認医薬品等の有無の明示)

  • 同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等の有無を記載し、その国内承 認医薬品等に流通管理等の承認条件が課されている場合には、その旨を記載す ること。

(諸外国における安全性等に係る情報の明示)

  • 当該未承認医薬品等が主要な欧米各国で承認されている場合は、各国の添付 文書に記載された重大な副作用やその使用状況(承認年月日、使用者数、副作用 報告等)を含めた海外情報についても、日本語で分かりやすく説明すること。
  • 主要な欧米各国で承認されている国がないなど、情報が不足している場合は、 重大なリスクが明らかになっていない可能性があることを明示すること。

出典:医療広告ガイドラインに関するQ&A

未承認医薬品に関しては、未承認医薬品である旨や国内で承認されている薬があるかどうかなど、細かく決められています。謳える内容もしっかり決められているので、この範囲を守る必要があるのです。

限定解除で謳える表現

限定解除の要件を満たすと以下の表現をすることができます。

  • 総合診療科
  • ○○専門医
  • 指定医
  • 認定医
  • 産業医
  • 手術件数(医師個人の件数も可)
  • 審美治療
  • 美容医療におけるプラセンタ注射
  • 再生医療等製品における医療技術
  • 糖尿病外来などの〇〇外来
  • 医薬品、医療機器の販売名を用いた治療
  • 治療の効果
  • 学会が認定している研修施設であること
  • 研修を受けていること
  • 特定行為研修を受けた看護師がいること
  • 未承認医薬品を使用している治療

限定解除の要件を満たすことで、上記のようにホームページに載せられる項目が多くなります。患者が自らたどり着くホームページなどが対象であり、医療機関側がお金を払って出す有料広告は対象外となるので気を付けましょう。

執筆者:OEMビジネスドットコム 編集部(株式会社Cogane studio)

OEMビジネスドットコムのコンテンツ作成を担当しています。株式会社Cogane studioでは、化粧品や健康食品ビジネスに関するマッチング、専門的な情報発信を行っています。

 

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