医療広告における「手術の実績」の注意点

医療広告 手術の実績

病院やクリニックの広告でよく見かける手術の実績は、患者さんが医療機関を選択する際に重要な情報といえます。

ただ、医療広告は患者さんに誤った認識を与えないように厳しい規制が設けられています。 医療広告制作の際は、厚生労働省が発表している医療広告ガイドラインの規制を守らなければなりません。 このため、手術実績は医療広告ガイドラインではどのように扱われているかを確認する必要があります。

本記事では、医療広告に「手術の実績」を掲載する際の注意すべきポイントを解説していきます。

「手術の実績」は限定解除が認められる?

医療広告に手術の実績の掲載が認められるかは、医療広告の限定解除が認められるのかどうかが大きなポイントです。 医療広告の限定解除とは、患者さん自身が求めて入手する情報なのかどうかによって、広告に記載できる表現の幅が広がるという考え方です。 限定解除が認められるための要件は次の通りです。

① 医療に関する適切な選択に資する情報であって患者等が自ら求めて入手する情報を表示するウ ェブサイトその他これに準じる広告であること ② 表示される情報の内容について、患者等が容易に照会ができるよう、問い合わせ先を記載する ことその他の方法により明示すること ③ 自由診療に係る通常必要とされる治療等の内容、費用等に関する事項について情報を提供する こと ④ 自由診療に係る治療等に係る主なリスク、副作用等に関する事項について情報を提供すること

出典:医療広告ガイドライン

また、限定解除の要件を表記する際にも次のような注意が必要です。

Q5-11 広告可能事項の限定解除の要件としてウェブページに記載することが求められている事項について、どのような点に留意して記載すればよいのでしょうか。(P.11) A5-11 限定解除要件については、患者が容易に視認できることが必要です。例えば、以下のようなケースは容易に視認できる状態ではないと考えられます。

  • 文字が極端に小さく容易に確認が出来ないと考えられるもの
  • 背景色と同じあるいは同系統の文字色で記載されているなど、配色に問題があると考えられるもの
  • 意図的に情報量を増やし、必要事項を見逃す恐れがあると判断できるもの

なお、患者の求めがあった場合には、広告可能事項の限定解除の要件として記載されたものと同じ内容を紙面等で提供することが望ましいと考えられます。

出典:医療広告ガイドラインに関するQ&A

医師個人の実績か、医療機関としての実績かによって制限が変わる

手術実績は医師個人の実績なのか、病院やクリニック全体としての実績なのかということが重要になります。 この2つのどちらかに当たるかによって、医療広告としての扱われ方が変わってくるのです。

在籍する医師の数によって医療機関合計の症例数は増えていくので、患者さん側に誤った認識を与えないために違いを設けていると考えられています。

「医師個人の実績」の注意点

医師個人の実績として広告表現する場合は、広告媒体が何であるかが重要となります。

Q3-16 特定の医師のキャリアとして、その意思が行った手術件数は、広告可能でしょうか。 A3-16 医師個人が行った手術の件数については広告できません。 なお、患者等が自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイトなどについては、広告可能事項の限定解除要件を満たした場合には、広告可能事項の限定を解除可能ですが、求められれば裏付けとなる根拠を示し、客観的に実証できる必要があります。

出典:医療広告ガイドラインに関するQ&A

つまり、医療広告ガイドラインにより、医師個人の実績として手術件数を広告に記載できる場合は、医療機関のウェブサイトなどの限定解除が認められる広告媒体に限られています。

「病院・クリニックとしての実績」の注意点

病院やクリニックなどの医療機関としての手術実績を広告表現に使用する場合は、すべての広告媒体で掲載が認められています。なお、医療機関としての手術実績の記載には次の条件を満たすことが必要です。

① 診療報酬点数表で認められた手術(自由診療として実施する場合を含む。) ② 先進医療として届出された手術(自由診療として実施する場合を含む。) ③ 医薬品医療機器等法の承認又は認証を得た医療機器を使用し、承認又は認証された範囲で 実施された手術

出典:医療広告ガイドライン

「過去○○以上の実績」の注意点

さらに、手術件数の記載について、次のような注意点があります。

Q3-17 当該医療機関で行われた手術件数について、例えば過去30年分の件数は、実績として広告可能でしょうか。 A3-17 当該医療機関で行われた手術件数について、当該件数に係る期間を併記すれば、 広告可能事項で示した範囲で広告可能です。ただし、手術件数は総手術件数ではなく、それぞれの手術件数を示し、1年ごとに集計したものを複数年にわたって示すことが望ましいです。過去30年分のような長期間の件数であって、現在提供されている医療の内容について誤認させるおそれがあるものについては、誇大広告に該当する可能性があります。

出典:医療広告ガイドラインに関するQ&A

昔の手術内容と現在の手術内容が異なる場合は、その旨も表示しておきましょう。

「絶対安全」などの虚偽広告はNG

手術実績の掲載には虚偽広告とならないように表現することが重要です。 例えば、「この手術は絶対安全です」のような表現方法は虚偽広告とされる恐れがあります。 医学では、絶対安全な手術や必ず成功する手術とは言い切れません。 こうした内容は医療広告ガイドラインや薬機法において虚偽広告とみなされる可能性があります。

「効果が高い」などの誇大広告はNG

また、「この手術は効果が高く、お勧めです」のような表現方法は誇大広告とみなされる可能性があり、不適切な広告といえます。 こうした表現は、何と比較して効果が高い手術であるかが分かりません。また、特定の手術の有効性を強調するのも誇大広告とみなされるため、医療広告として認められないため注意が必要です。

手術前、手術後の写真はNG

手術前・手術後の写真を医療広告として掲載することは認められていません。

Q2-8 手術前のみ又は手術後のみの写真を用いて広告することは、可能でしょうか。 A2-8 手術の前後の写真と同様、手術前のみ又は手術後のみの写真についても、患者等を誤認させるおそれがある治療効果に関する表現に該当するため、広告できません。

出典:医療広告ガイドラインに関するQ&A

患者さんに誤った認識を与える可能性があるため、虚偽・誇大広告となると考えられており、広告への使用はNGとなります。

違反広告には厳しい罰則が設けられている

厚生労働省は、各自治体と連携して医療広告のネットパトロールを行っています。違反広告を発見した際には、指導が行われます。 指導の後も違反広告を使用し続けた場合、懲役6か月以下または罰金30万円以下が科される可能性があります。 医療広告の規制対象とならないよう、関連する法律やルールをしっかり把握しましょう。

まとめ

手術実績を医療広告に使用するときは、まずは医師個人の実績か、病院やクリニックとしての実績なのかをはっきりさせておく必要があります。 また、手術件数の根拠を客観的に裏付けが取れるかが重要になってきます。 医療広告を作るときは、広告表記に誤りがないか・適切な内容であるかしっかりと確認することが必要です。

知らない間に違反広告を使用していた、ということが無いように、関連する法律やルールを十分に理解しておきましょう。そして、手術の実績で広告に記載か不明な場合は、保健所に判断を仰ぐなどの対応ができますので参考にしてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

執筆者:OEMビジネスドットコム 編集部(株式会社Cogane studio)

OEMビジネスドットコムのコンテンツ作成を担当しています。株式会社Cogane studioでは、化粧品や健康食品ビジネスに関するマッチング、専門的な情報発信を行っています。

 

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