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薬機法 化粧品製造

化粧品を製造するには?知っておくべき薬機法

薬機法 化粧品製造

化粧品の製造を行うにあたり、まず確認する必要のある法律が薬機法(=医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)です。

化粧品製造業の許可の取得というような法的な手続きや、化粧品の法的な定義・種類、化粧品を形作る配合成分に関する規制など、化粧品を製造する上で理解の欠かせないルールが薬機法や薬機法を根拠とする厚生労働省の告示などに定められています。

新たに化粧品の製造事業を始めたときに疑問が生じるであろうこれらの内容について、どの法令を参照すれば疑問が解消するのか、事業者の手引きとなるよう概要を記します。

 

薬機法における「製造」の定義

法令で使用される用語が社会的に幅広い意味を持つ場合には、その法令の解釈が曖昧にならないように法令のなかで当該用語の定義がなされています。

薬機法の第二条には「医薬品」をはじめとしいくつかの用語が16項に分けて定義されていますが、「製造」について定義する項はありません。 法令を参照していて「製造」という語句にあたった場合、文脈によってその「製造」の範囲が異なりますので注意して読み解きましょう。

「製造販売」という用語における”製造”とは

「製造販売」の用語については薬機法第二条第13項で定義されています。「製造販売」という用語を使用した場合の”製造”は下記のように意味内容が限定されています。

13 この法律で「製造販売」とは、その製造(他に委託して製造をする場合を含み、他から委託を受けて製造をする場合を除く。以下「製造等」という。)をし、又は輸入をした医薬品(原薬たる医薬品を除く。)、医薬部外品、化粧品、医療機器若しくは再生医療等製品を、それぞれ販売し、貸与し、若しくは授与し、又は医療機器プログラム(医療機器のうちプログラムであるものをいう。以下同じ。)を電気通信回線を通じて提供することをいう。

出典: 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律

“製造”の語句の後に”他に委託して製造をする場合を含み、他から委託を受けて製造をする場合を除く”と括弧で補足されています。 これは、OEM事業者など他社に委託して化粧品を製造する行為は「製造販売」の”製造”にあたるけれど、企画販売事業者など他社からの依頼を受けて受託製造する場合は「製造販売」の”製造”には該当しないという意味です。

化粧品製造には「製造業」の許可が必要

事業者が化粧品の製造を行うには「化粧品製造業」の許可が必要です。この業許可は厚生労働大臣によって製造所ごとに与えられます。

(製造業の許可) 第十三条 医薬品、医薬部外品又は化粧品の製造業の許可を受けた者でなければ、それぞれ、業として、医薬品、医薬部外品又は化粧品の製造をしてはならない。

出典:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律

 

製造業許可の取得手続きをする前に、所有する製造所の構造設備は厚生労働省の定める基準に適合しているか、製造所に設置する責任技術者はその資格要件を満たしているかなど、必要な条件についてもよく確認しましょう。

出典:東京都健康安全研究センター » 5 許可(登録)取得のための検討

 

「製造業」の許可区分

「化粧品製造業」の許可には、二つの区分があります。化粧品の製造工程の全部または一部を担う「一般」の区分と製造工程のうち包装、表示又は保管のみを担う「包装・表示・保管」の区分です。

例えば、製品の外箱に必要な表示のシールを貼り付けたり、市場に出荷する前の製品を保管する行為も”製造”に該当し、「包装・表示・保管」の区分で「化粧品製造業」の許可を取得している製造所にしかできない行為ということです。

試供品の製造のためバルクを小容器や小袋包装などに充填する行為は、製造工程の一部を行うことにあたりますので「一般」区分の「化粧品製造業」許可が必要となります。

保管のみを行う製造所は「許可」ではなく「登録」

令和3年8月1日の法改正により化粧品の製造業について、「許可」に加え「登録」の制度が新設されました。「登録」は、製造工程のうち”保管”のみを行う製造所が対象となります。

保管のみを行う製造所とは、製造・包装・表示の行為や試験・検査は行わない製造所であり、市場への出荷を行わない(=最終製品の出荷を行わない)製造所を指します。

参考:令和3年4月28日薬生薬審0428第2号医薬品等の保管のみを行う製造所の取扱い等について

パッチテストなどを外部機関に依頼する製造所も試験・検査を担っていることになるため、その場合には「化粧品製造業」の許可が必要になります。

 

化粧品の定義 薬用化粧品の法的位置づけ

化粧品の定義は薬機法第二条第3項で定められています。

3 この法律で「化粧品」とは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌ぼうを変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう。ただし、これらの使用目的のほかに、第一項第二号又は第三号に規定する用途に使用されることも併せて目的とされている物及び医薬部外品を除く。

出典:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律

引用の条文の通り化粧品とは人体に対する作用が緩和なものをいいます。

市場でよくみる化粧品のなかには「肌荒れを防ぐ」と謳うものがありますが、それらの化粧品が”人体に対する作用が緩和”といえるのか疑問を抱く方もいらっしゃるかと思います。実はこのような有効成分を特記した薬用化粧品は、法的には「医薬部外品」に該当します。一般化粧品とは配合成分の基準も全成分表示のルールも異なるのです。

化粧品の配合成分

化粧品を一から作ろうとすれば、化粧品の評価を左右する成分には事業者ごとのこだわりがあるでしょう。配合可能な成分について規定する法令をしっかり理解して処方を決定しましょう。

「化粧品基準」(薬機法を根拠とした厚生労働省の告示)という化粧品の配合成分に関するルールがあります。化粧品に配合してはいけない成分のリスト(ネガティブリスト)と化粧品に配合する場合の配合量に上限が設定されている成分のリスト(ポジティブリスト)については確認必須です。

ネガティブリスト・ポジティブリストに載っていない成分については、化粧品製造販売業者の責任において安全を担保して配合することになります。

参考:化粧品基準

まとめ

新たに化粧品の製造事業を始めたい事業者の手引きとなるよう、関連法令のなかでも特に理解しておきたいポイントを紹介しました。準備段階で知識に不安がある方は参考にしてください。

 


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