化粧品・医薬部外品の広告で「肌への浸透」は薬機法違反?

薬機法 化粧品 医薬部外品 肌への浸透

スキンケア商品など化粧品の広告で一度は見たこと、聞いたことがあるワード「浸透」。

「浸透」と聞くと、肌がしっかり潤ってそうだな、と思ってしまいますよね。 この一見シンプルな「浸透」というワードにも細かいルールや決まりがあることをご存知でしょうか。

今回の記事では化粧品でよく見るワード「浸透」についてご説明していきたいと思います。

肌に関する基礎知識

まず、浸透について掘り下げる前に、肌の基礎知識についてご説明したいと思います。

肌は表面から奥にかけて、「表皮」「真皮」「皮下組織」の3つの層からできています。

表皮

表皮の主な役割は、外側から異物や化学物質などが入ってこないよう保護する役割があります。 更に、体内の水分の蒸発を防ぎ、肌の潤いを保つ役割も担っています。 表皮は表面から奥にかけて「皮脂膜」「角質層」「顆粒層」「有棘層」「基底層」の5つの層に分けられ、皮脂膜を除く4つの層の大部分を「ケラチノサイト(角化細胞)」とそれが変化した細胞が占めています。

皮脂膜

皮脂膜は肌の表面に存在する肌全体を覆う膜で、皮脂腺から分泌された皮脂や汗腺から分泌された汗、皮膚表面の角質分解物などが混ざり合って構成されています。

角質層

角質層は角層とも呼ばれる表皮の最外層に位置する層で、「角質細胞」という死んだ角化細胞で構成されており、角質細胞がパイの様に数十層積み重なった「ラメラ構造」を形成しています。 角質細胞の中にはNMF(Natural Moisture Factor=天然保湿因子)が含まれており、皮膚の内側から染み出してきた水分を角質細胞内に取り込む役割を持ちます。 また、角質細胞と角質細胞の間には細胞間脂質が存在し、これらは角質細胞が取り込んだ水分を逃さないよう保持する役割を持ちます。この細胞間脂質は脂質二重層と脂質の膜が何層も積み重ねられたラメラ構造を形成しており、成分としては「セラミド」が50%、「コレステロール」が25%、「遊離脂肪酸」が10〜20%の割合で構成されています。 角質層の厚さは0.01〜0.03mmと非常に薄い層ではあるものの、数十層積み重なった層に潤いが蓄えられているため、外界とのバリアとして重要な役割を担っています。

顆粒層

顆粒層は1〜3層に重なった細胞層でできており、その中には紫外線を反射させて深部に届くことを防ぐ、ケラトヒアリン顆粒が大量に含まれています。

有棘層

有棘層は数層〜10層程度の細胞層でできており、表皮の層の中でも最も厚い層となります。有棘層にはリンパが流れており、知覚神経も通っています。また、有棘層には免疫細胞の一種である「ランゲルハンス細胞」が網目状に存在しており、体内に入ろうとする異物を察知して体外に排出する役割を担っています。

基底層

基底層は1層の基底細胞などでできた層で、基底膜を介して真皮と接着しています。 基底層に含まれる基底細胞は細胞分裂を繰り返すことで新しい角化細胞を上へ上へと作り出す一方、基底層には「メラノサイト(色素細胞)」も含まれており、そこでは紫外線から肌を守る色素「メラニン」が合成されます。

真皮

真皮は表皮の下に位置する約2mm程度の層であり、「コラーゲン」という繊維状のタンパク質が大部分を占めており、その間を「ヒアルロン酸」などのゼリー状の基質が水分を蓄えています。 この繊維状のコラーゲンがあることにより、肌の形状を支え、弾力が保たれています。 また、真皮には毛細血管や皮脂腺、汗腺などもあり、表皮の基底細胞やコラーゲンの元になる細胞へ栄養や酸素、水分を届けたり、発汗などの生理的作用を担っています。

皮下組織

皮下組織は真皮の下に位置する組織で、その大部分が皮下脂肪で構成されており、表皮と真皮を支えるクッション的な役割を担っています。また、皮下組織には動脈や静脈が通っていることから肌に栄養を届けたり、老廃物の運び出しも行なわれています。

化粧品や医薬部外品の肌への浸透表現 薬機法上の注意点とは

それでは化粧品の広告ではどのような浸透表現がなされているのでしょうか。

結論としては、化粧品の浸透表現の対象部位は「肌」と「髪」であり、肌については「角質層まで」が鉄則となっています。 日本化粧品工業連合会が公開する「化粧品等の適正広告ガイドライン2020年版(第2刷)」には下記の記載がなされています。

E3「肌・毛髪への浸透」等の作用部位の表現 浸透等の表現は、化粧品の効能効果の発現が確実であるかのような暗示、及び効能効果の範囲を逸脱した効果を暗示するおそれがあるため、原則として行わないこと。 ただし、作用部位が角質層であることを明記した場合であって、かつ、広告全体の印象から効能効果の保証や効能効果の範囲の逸脱に該当するものでない場合に限って表現することができる。 なお、医薬部外品の有効成分の浸透等の表現を行う場合は、事実に基づき、承認を受けた効能効果の範囲を逸脱しないこと。 ①**「肌への浸透」等の表現** 「肌への浸透」の表現は「角質層」の範囲内であること。 [表現できる例] 「角質層へ浸透」、「角質層のすみずみへ」 [表現できない例] 「肌へ浸透」(「角質層」の範囲内であることが明記されていない) 「肌内部のいくつもの層*  *角質層」、「肌*の奥深く *角質層」 (注釈で「角質層」とあっても「肌内部」「肌の奥深く」という表現は、角質層の範囲を越えて浸透する印象を与えるため不適切) 「肌の内側(角質層)から・・・」(医薬品的) ②**「毛髪への浸透」等の表現** 「毛髪への浸透」表現は、角化した毛髪部分の範囲内で行うこと。 [表現できる例] 「髪の内部へ浸透」、「髪の芯まで浸透」 [表現できない例] 「傷んだ髪へ浸透して健康な髪へ甦ります」(回復的) 【関連法令等】 医薬品等適正広告基準 第4の3(5)

出典:化粧品等の適正広告ガイドライン2020年版(第2刷)

つまり、肌に対しては「浸透」と表現する場合は必ず角質層までである旨を明記する必要があり、さらに「肌の奥深く」「肌内部」と言った表現も、厚さ0.01〜0.03mmの極めて薄い角質層を越えるような表現とみなされてしまうため表現できないとされています。

一方、髪に対しては「髪の内部へ浸透」や「髪の芯まで浸透」と言った表現が可能であり、肌と比べてやや表現の幅が広くなっています。 しかし、髪への標榜を行う際にも注意が必要です。

髪の構造は、髪の中心組織である「メデュラ(髄質)」を中心に「コルテックス(皮質)」、「キューティクル(毛小皮)」で構成されています。

髪の構造と合わせて浸透表現を行う際、キューティクルを越えてコルテックスやメデュラまでの浸透を標榜してしまうと、過剰な表現と見なされてしまう恐れがあります。 また、あくまで対象は髪であるため、毛根などへの標榜も不可となるため、注意が必要です。

以上を端的にまとめると、

  • 肌への浸透表現は「角質層まで」に留める。
  • 角質層を超えるような「奥深く」「肌内部」のような表現は使用しない。
  • 髪への浸透訴求は「髪内部」「髪の芯まで」が可能。
  • 「キューティクルを超える表現」や「毛根への表現」は行わない。

という点に注意して広告表現を行う必要があります。

まとめ

今回は肌の基礎知識と共に、化粧品で多く標榜されている「浸透表現」についてご説明させていただきました。

角質層やキューティクルは非常に薄い層であり、過剰な表現にならない事が最も重要なポイントです。

化粧品広告で浸透表現についてお考えの方は、是非この記事を参考にしてみてください。

執筆者:OEMビジネスドットコム 編集部(株式会社Cogane studio)

OEMビジネスドットコムのコンテンツ作成を担当しています。株式会社Cogane studioでは、化粧品や健康食品ビジネスに関するマッチング、専門的な情報発信を行っています。

 

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