化粧品・医薬部外品に関わる薬機法 「安心」表現は使える?

薬機法 化粧品 医薬部外品 安心 表現

小さなお子さまから大人まで誰もが等しく「安心」して使用できる化粧品・医薬部外品は存在するでしょうか。 意外に感じられるかもしれませんが、誰にとっても絶対に「安全」と言える化粧品・医薬部外品を製造することはできません。 なぜなら、成分に対する身体の反応に個人差があるからです。

人によって異なる配合成分への反応

基礎化粧品のパッケージで「アルコールフリー」という表記をよく目にすると思います。 こうした製品が市場に数多く流通していることから、アルコールを使用した基礎化粧品が肌にあまりよくないと解釈している方がいらっしゃいます。しかしながら、アルコールを含有する基礎化粧品が「アルコールフリー」のものより品質が劣るとは一概に言えないのです。 肌質によってはアルコールを含む基礎化粧品が有用な場合もあります。

もともと「アルコールフリー」の基礎化粧品はアルコールに過敏に反応してしまう体質の方のために考案されたものでした。決してアルコールが万人にとって良くない成分と判断され、「アルコールフリー」の基礎化粧品が主流になったわけではありません。

アルコールには肌をひきしめる効果があります。日本の基礎化粧品の市場ではあまり支持されていませんが、収れん化粧水はアルコールが有用なはたらきをする代表的な化粧品です。

アルコール以外にも化粧品・医薬部外品に配合される成分で、肌質によっては刺激となってしまう成分は多く存在します。食べ物のアレルギー反応に個人差があることはご存じの方が多いと思います。実は化粧品・医薬部外品に配合される成分への反応も、食品アレルギーと同じように個人差があるのです。

化粧品・医薬部外品における「安心」の表現

化粧品・医薬部外品の広告表現に「安心」という言葉はほとんどの場合用いることができません。

薬機法や「医薬品等適正広告基準」、日本化粧品工業連合会の設ける自主基準「化粧品等の適正広告ガイドライン」と照らし合わせながら解説します。

薬機法

第六十六条 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。  医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の効能、効果又は性能について、医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、又は流布することは、前項に該当するものとする。  何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品に関して堕胎を暗示し、又はわいせつにわたる文書又は図画を用いてはならない。

出典:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律

薬機法の第六十六条には広告に関する規制が定められています。上記の通り、虚偽・誇大な表現で化粧品・医薬部外品を広告することは禁じられています。また、虚偽・誇大な内容をはっきりと標ぼうすることは言うまでもなく、それとなく感じさせるような間接的な表現についても禁じられています。

例えば、白衣を着た人物を化粧品・医薬部外品のパッケージやCMに用いれば、その人物を医師と明言せずとも医師であることを暗示するものと判断され法令違反にあたるでしょう。

医薬品等適正広告基準

第4(基準) 3 効能効果、性能及び安全性関係 (1)承認等を要する医薬品等についての効能効果等の表現の範囲 承認等を要する医薬品等の効能効果又は性能(以下「効能効果等」という。) についての表現は、明示的又は暗示的であるか否かにかかわらず承認等を受けた効能効果等の範囲をこえてはならない。 (2)承認等を要しない医薬品等についての効能効果等の表現の範囲 承認等を要しない医薬品等(化粧品を除く。)の効能効果等の表現は、医学、薬学上認められている範囲をこえてはならない。また、承認を要しない化粧品の効能効果についての表現は、平成 23 年7月 21 日薬食発第 0721 第1号医薬食品局長通知「化粧品の効能の範囲の改正について」に定める範囲をこえてはならない。 (3)医薬品等の成分等及び医療機器の原材料等についての表現の範囲 医薬品等の成分及びその分量又は本質等並びに医療機器の原材料、形状、構造及び原理について、承認書等への記載の有無にかかわらず、虚偽の表現、不正確な表現等を用い効能効果等又は安全性について事実に反する認識を得させるおそれのある広告をしてはならない。 (4)用法用量についての表現の範囲 医薬品等の用法用量について、承認等を要する医薬品等にあっては承認等を受けた範囲を、承認等を要しない医薬品等にあっては医学、薬学上認められている範囲をこえた表現**、不正確な表現等を用いて効能効果等又は 安全性について事実に反する認識を得させるおそれのある広告をしてはならない。** (5)効能効果等又は安全性を保証する表現の禁止 医薬品等の効能効果等又は安全性について、具体的効能効果等又は安全性を摘示して、それが確実である保証をするような表現をしてはならない。 (6)効能効果等又は安全性についての最大級の表現又はこれに類する表現の禁止 医薬品等の効能効果等又は安全性について、最大級の表現又はこれに類する表現をしてはならない。 (7)効能効果の発現程度についての表現の範囲 医薬品等の速効性、持続性等についての表現は、医学、薬学上認められている範囲をこえてはならない。

出典:医薬品等適正広告基準の改正について

薬機法の第六十六条から第六十八条の法令解釈として、厚生労働省 医薬・生活衛生局長発の通知という形で設けられた基準です。なかでも安全性を担保するような表現が禁止されている旨、記載されている部分を一部抜粋し太字で示しました。

このように「安心」や「安全」という言葉で、消費者にとってその製品が確実に安全だと誤認させる広告は固く禁じられています。

化粧品等の適正広告ガイドライン

「医薬品等適正広告基準」の内容をご覧になると医薬品や医療機器を含めて広告の基準を記載しているため、化粧品の製造・販売を検討する方が広告の基準を確認するには少し難解な内容と感じられるかもしれません。

そこで化粧品業界で働く人々が理解しやすいようにより実務に即した形で設けられた自主基準が、日本化粧品工業連合会の「化粧品等の適正広告ガイドライン 2020年版」です。下記の各表題で具体的にどのような表現が不適切と判断されるのか詳細に記述されています。(「F7 効能効果又は安全性を保証する表現の禁止 (24頁)」の具体例として「これさえあれば」、「安全性は確認済み」、「赤ちゃんにも安心」など)

  • F7 効能効果又は安全性を保証する表現の禁止 (24頁)
  • F8 効能効果又は安全性についての最大級の表現等の禁止 (26頁)
  • F9 効能効果の発現程度についての表現の範囲 (26頁)

化粧品等の適正広告ガイドライン

これまでにご紹介した法令を根拠とした内容になりますので、こちらの自主基準を遵守することは法令を遵守することに繋がります。 非常に読みやすい文章になりますので、法令の原文を通読することに抵抗のある方はこちらから読みはじめても良いでしょう。

まとめ

本記事はなぜ化粧品・医薬部外品の広告表現において「安心」や「安全」が禁止されているのか、配合成分に対する身体反応と法令の観点からご説明しました。

広告・宣伝活動の参考になれば幸いです。

執筆者:OEMビジネスドットコム 編集部(株式会社Cogane studio)

OEMビジネスドットコムのコンテンツ作成を担当しています。株式会社Cogane studioでは、化粧品や健康食品ビジネスに関するマッチング、専門的な情報発信を行っています。

 

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