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薬機法 化粧品 シリーズ商品

化粧品製造に関する薬機法 シリーズ商品はまとめて届出ができる?

薬機法 化粧品 シリーズ商品

化粧品、特にメイクアップ製品では色や香りのバリエーションをつけて販売することがよくあります。

このような製品群を「シリーズ商品」といい、成分表示や届出に特有の注意点があります。

そこでこの記事では、シリーズ商品の製造販売届出のルールについて解説します。

 

シリーズ商品について

ここでいうシリーズ商品は、処方のベースの部分はそのままで、色素や香料や添加剤などを調整して商品のバリエーションを増やした製品群を指します。

分かりやすいものがメイクアップ用化粧品や洗浄料で、色調や香りの違いで複数の商品を製造することがほとんどです。 ファンデーションやリップクリーム、アイメイク製品(色違い)やボディーソープ、ハンドクリーム(香り違い)などが挙げられます。

こういったシリーズ商品は、条件を満たせば全成分表示の情報を1つにまとめて、製造販売届出を1商品として1件で済ませることが可能です。

化粧品製造販売届出とは

化粧品の製造販売業者が、製造販売しようとする化粧品の品目名について、製造販売業許可所在地の都道府県に届け出ることです。 届出に必要な書式のことを、「化粧品製造販売届書」といいます。

製品を製造する前に届出ておく必要がある

製品を製造販売する際には、あらかじめ製品ごとに製造販売届書を提出する必要があります。

「あらかじめ」とあるので、届出が後出しになってはいけません。届け出が認められていない状態で製造販売することは薬機法違反です。

製造販売届出に関する法律

この届け出は、医薬品医療機器等法の14条の9、及び同施行規則の70条で定められていて、必ず行うものです。

第十四条の九 医薬品、医薬部外品又は化粧品の製造販売業者は、第十四条第一項に規定する医薬品、医薬部外品及び化粧品以外の医薬品、医薬部外品又は化粧品の製造販売をしようとするときは、あらかじめ、品目ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣にその旨を届け出なければならない。

出典:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律

第七十条 法第十四条の九第一項の規定による届出は、様式第三十九による届書(厚生労働大臣に提出する場合にあつては正本一通及び副本二通、都道府県知事に提出する場合にあつては正副二通)を提出することによつて行うものとする。

出典:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則

化粧品を製造販売する上でとても重要な法律なので、知っておくことをおすすめします。

製造販売届出を1件にまとめるための条件

シリーズ商品として認められるためには、その製品の処方においてバリエーションをもたせる色素や香料や補助剤などの添加成分が1%を超えないことが条件となります。

配合量が1%を超えない場合

1%以下の成分の記載順が異なる場合は、順不同のルールやMay Contain表記ルールを活用して全成分表示の一本化が可能となり、化粧品製造販売届出も「シリーズ商品(色調違い、香り違い)」として一本化できます。 この1本化できることが、シリーズ商品において重要な基準です。 シリーズ化粧品の届出の際には、配合量が1%を超える成分の処方量に注目し、変わっていなければ1件で届出をしてかまいません。

配合量が1%を超える場合

1%を超える配合の変化がある場合は別製品となり、化粧品製造販売届出も処方別に届出となります。 なぜなら、配合比率1%を超える成分の場合、記載順が異なり個別に全成分表示が必要だからです。 また、1%を超える成分の配合の変化は、テクスチャーや安全性においても変化をもたらす恐れが出てきます。配合量が1%を超える処方の変化がある場合は、個別の製品として各製品について届出をします。

シリーズ商品の製造販売届書の書き方

化粧品の製造販売届書は以下の項目を記載して提出します。 シリーズ化粧品で注意しなければならないのは「販売名」と「備考」の欄です。

  • 製造販売業の許可の種類 化粧品製造販売業と記載します。
  • 製造販売業の許可番号及び年月日 製造販売業許可を取得した日と許可番号を記載します。
  • 一般名称 化粧品の場合記載は不要です。
  • 販売名 製品の販売名を記載します。 「シリーズ商品」を1製品として届け出る場合は、色番号、色名、香名等の色又は香りの識別に関する部分を除いたものを記載します。 (例)
    • しっとりハンドクリーム ローズ
    • しっとりハンドクリーム ラベンダー
    • しっとりハンドクリーム 無香料

    の3製品をシリーズとして登録する場合は、販売名は共通部分の「しっとりハンドクリーム」となり、香り部分は記載しません。異なる処方の製品に同一の販売名は使用できません。 したがって、同じシリーズとして販売する場合でも、処方量が変わった(成分表示の順番が変わった)場合は同じ名前で届け出ることができません。通例、香り名や色調名までを販売名にして別名にします。

  • 「成分及び分量又は本質」、「用法及び用量」、「効能又は効果」、「貯蔵方法及び有効期間」及び「規格及び試験方法」 化粧品の場合は製品標準所に記載される事項なので、「記載省略」と記入して差し支えありません。
  • 「製造販売する品目の製造所」及び「原薬の製造所」 製造業許可を受けた製造所及び外国製造販売(製造)業者を全て記載することになっています。外国製造販売(製造)業者については、別途届出が必要です。
  • 備考 シリーズ商品を1製品として届け出る場合は「シリーズ」と記載します。シリーズ商品の色調又は香調の異なる化粧品の数や種類を記載しておくと分かりやすいです。

シリーズ製品の製品標準書の作り方

化粧品の製造販売届出には製品標準書も求められる場合がありますので、基準を満たすものを作成しておきます。

化粧品では、「実際に製造販売しようとする化粧品の具体的内容を明らかにするため、以下に掲げる事項を記載した書類(品質標準書)を個々の製品について作成すること」と決められているため、絶対に作成する必要があります。 こちらも、シリーズ範囲内の個々の化粧品をまとめて、ひとつの品質標準書として作成することは差しつかえありません。その場合、色調又は香調の異なる化粧品ごとに整理しておきましょう。

一般的には製品標準書の最初に販売名一覧、成分分量表、表示内容など、シリーズによって異なる事項についてその違いが分かるように別表などを添付しておきます。

販売名については、シリーズ製品の場合には、色や香りの識別に関する部分を付記することになっていますので、間違いなく記載するようにしましょう。

特に間違いの多い事項は表示内容です。表示内容だけが違っていても製品に問題はでないため、見落とされがちです。 品質標準書を作成する際は、必ず複数の担当者による表示内容の確認をおこなってください。

シリーズ製品の製品追加や廃止

シリーズの中で、人気のない色や香りを廃止したり、カラーバリエーションの変更をしたりする場合は、変更届を出す必要があります。

化粧品製造販売届出事項変更届出の方法

すでに届出してある「化粧品製造販売届」の届出事項に何らかの変更が生じた場合に提出します。変更があった日から30日以内に届出を行う必要があります。 もし30日を超えてしまっている場合、通常の届出書類に追加で遅延理由書の添付が必要になります。

まとめ

シリーズ商品の製造販売届出で重要なポイントは、成分の配合量が1%を超えて変化しないことです。1%を超えた場合は、法律上別製品として扱います。

この記事を参考にして、シリーズ化粧品の届出をスムーズにおこなってください。


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