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薬機法 健康食品

健康食品と薬機法

薬機法 健康食品

健康食品の製造販売において、製品表示や広告表現への規制は厳しく、一歩間違えると法律違反となり罰則を受ける可能性があります。

法律上の処罰を受けると企業ブランドに傷が付くだけではなく、販売や広告の取り下げを命じられる恐れもあります。

では、違反の基準はどこにあるのでしょうか、健康食品の種別や関係する法律を交えて、解説していきます。

 

健康食品は2種類に分けられる

健康食品は、大きく「保健機能食品」と「一般健康食品」に分類されます。

さらに「保健機能食品」は、以下の3つに分類されます。

  • 特定保健用食品(トクホ):有効性や安全性の試験を実施し、国(消費者庁)の許可を受けた食品。
  • 栄養機能食品:一定の栄養成分を含み、栄養成分の機能を表示した食品(自己認証制度)。
  • 機能性表示食品:事業者の責任でパッケージに機能性を表示したものとして消費者庁に届け出た食品。

認められた範囲で、効能効果の標榜や許可された保健機能についての表示が可能となります。 その機能とは、3次機能(生体調整機能)と呼ばれるもので、一般的に以下の内容があります。

  • 生体防御
  • 体調リズムの調整
  • 老化制御
  • 疾患の防止
  • 疾病の回復調整など生体の生理機能を調整する機能

上記以外の、いわゆる健康食品とは、国が保健効果や健康効果を許可していない一般食品を指します。 食品である以上、当然医薬品的な効能効果を謳うことは、一切できません。仮に表現内容が法律で抵触する場合、薬機法上の規制を受けることになります。

薬機法とは

薬機法とは、正式名称「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」、化粧品、医薬部外品、医薬品、医療機器の製造、販売、広告について定めた法律です。管轄は、厚生労働省、都道府県庁、警察となります。

医薬品として、許可されていない商品をまるで医薬品かの様な効能効果で表現してしまう、そのような商品を規制する法律が薬機法です。 なかでも、特に第10章医薬品等の広告については、広告に関わる立場の方は、しっかりと理解する必要があります。

第六十六条 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。 2 医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の効能、効果又は性能について、医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、又は流布することは、前項に該当するものとする。 3 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品に関して堕胎を暗示し、又はわいせつにわたる文書又は図画を用いてはならない。

上記条文をわかりやすくお伝えすると、事実と異なる表現や情報を広告に使うことは規制の対象となる。

医薬品、医薬品部外品等の効果やその効能について、大げさな表現をしてはいけないことや堕胎の暗示やわいせつと見なされる表現や画像等は使用してはいけないとあります。

つまり薬機法上、事実とは異なる大げさな表現や不適切な表記を使用して、利用者に対し、「この商品は必ず効果を発揮する」ような印象を与えることを禁じている法律なのです。

また、この条文から、薬機法上の広告規制対象者は、すべての人であることがわかります。 薬機法における広告表示の規制対象者は、「何人も」と規定されており、広告代理店や広告物制作会社の従業員であっても違反広告を掲載した際は、当然、規制の対象になり得ます。広告媒体に限定はなく、当然、個人のブログやホームページ上で表示した内容も規制の対象になります。

 

薬機法上の健康食品と医薬品の違いとは

医薬品は、何かしらの疾患を抱える方が、治療するために使用するものです。病気の人を対象にした、臨床試験を行った上で利用者が安全に利用でき、効果が得られることを確認しています。

一方、健康食品の多くの製品では、そもそも人での効果は調べられていない場合が多く、臨床試験済みの表示をする商品も含まれますが、医薬品とは全く別物です。その効果においても、誰にでも発揮するわけではありません。

そもそも医薬品と健康食品は、全く異なるものであることを前提に、薬機法上の規制に照らし合わせて、健康食品における、広告表現、製品表示を行う必要があります。 誤認する様な表現が使用者の健康被害を発生させる危険もある為、慎重な表現が求められます。

薬機法上のOK表現とNG表現

繰り返しになりますが、健康食品である以上医薬品的な効果は表現できませんし、特に一般健康食品の場合はあくまでも食品ですので効果を表示した時点で違反表現となってしまいます。 では、一般健康食品の広告において、OKとNG表現の基準はどこにあるか、具体的に見ていきましょう。

OK

このプロテインを朝食と置き換えることでダイエットができます。」

朝食とプロテインを置き換えることで食事制限を謳う内容ですので、特別な効果や効能を表現していません。 「このプロテインを飲めば痩せる」この様に記載するとNG表現になってしまいます。

「食べやすいタブレット形状でカルシウムを手軽に摂取できる。」

単純にカルシウムを摂取できる旨を謳っているだけです。

NG

「お肌をキレイに、このドリンクで美肌成分を補給!」

美肌成分が効果効能を思わせる点とお肌をキレイにする根拠が非常に曖昧な点が問題です。

このサプリメントには、便秘症を100%解消する、スッキリ成分配合!」

「100%解消」の表現が誇大表現にあたり、症状を改善する効果を表現することも規制の対象となります。「100%」「絶対に」「必ず」「日本一」「絶大」などの誇大表現にも注意が必要です。また、便秘解消や〇〇が治る、痩せる、などの医薬品的な表現も当然使用できません。

「個人の感想」を用いて打ち消すことはできない

薬機法の認識を誤るとNG表現を用いても「個人の感想」の様に表現することで規制対象にはならないと考えている人も多いようです。

例えば

「この商品を使用して、わずか1ヶ月で痩せました。 (個人の感想です)」

効果を体験談に置き換えた広告ですが、このような打消し表現は、認められません。 「個人の感想です」などと注釈を付けたとしても、内容が違法であれば規制の対象となり、表現が違法であることに変わりはないです。

「このサプリメントで便秘が治りました(個人の感想のため、効果を保証するものではありません)」

「使用後の効果には、個人差があります」

などの注釈で逃げる手段は一切通用しませんので十分ご注意下さい。

まとめ

昨今、薬機法違反広告の取り締まりは、厳しくなっており、薬機法に触れる様な広告を出稿することはできなくなってきます。

今現在、摘発されずに済んでいるだけであり、今後は企業、個人関わらず薬機法に抵触する違法な広告の摘発数は増えていくでしょうし、健康食品に関わる場合、薬機法への正しい知識は必須となるでしょう。

「過去の経験上、問題なかった」は、これからは通用しないことを認識する必要があるでしょう。


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