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薬機法 景品表示法 満足度 アンケート 広告

薬機法・景品表示法  「満足度」のアンケート結果を広告に使用する注意点

薬機法 景品表示法 満足度 アンケート 広告

お客様からいただいた「満足度」に対するご意見を広告に使用することは、コンバージョンアップの手法として定番です。

実際に使用している人からの客観的な意見を反映できるので、商品やサービスを提供したい企業からの一方的な発信だけでなく、とても良い情報提供方法の一つです。 また、消費者側も商品を利用するかどうか決定する判断材料の1つとして「お客様の声」を参考にしていることが多いでしょう。

今回は「お客様の声」や「満足度のアンケート結果」について、広告に使用していく上でのメリットや注意点を解説していきます。

 

「お客様の声」や「アンケート結果」を広告に掲載するメリット

第三者の声を提供できる

これは冒頭でも触れましたが、実際に商品やサービスをすでに使用している人からの客観的な意見を参考にしてもらうことは、企業側からの一方的な情報だけを押し付けているわけではないので、消費者の購買意欲を一押しできるというメリットがあります。

また商品の悪い点などが書かれていることもあるので、購入者はデメリットの部分も認知したうえで、納得して商品を買うことができます。そうすることで、購入後の企業に対するクレームが減ることにつながります。

実績をアピールできる

いくら商品の良さや、開発への思いを広告に書いたところで、実際に売れていなければ、説得力に欠けてしまいます。 「お客様の声」が書かれているというのは、その商品やサービスを実際に購入して使っているユーザーが一定数いるということの保証になります。 これから購入を検討している消費者の不安を小さくすることにつながります。また、良い意見が書かれていれば、実績もアピールできることになりますね。

商品やサービスを使ったあとのイメージがしやすくなる

お客様の声は、すでに実際に使っている人の感想や意見なので、購入を検討している人が自分自身に置き換えることによって、商品やサービスを使うとこれからどうなれるのかをイメージしやすくなるメリットがあります。購入を決定するにあたって大きな後押しとなるでしょう。

以上の点から、お客さまやモニター会員などを対象に行ったアンケートの結果を「広告で有効に使いたい」と考えるのは、企業・販売者にとっては当然のことと言えます。 ですが、化粧品は薬機法や景品表示法、適正広告ガイドラインなど、さまざまなルールにより表現を規制されています。実際のお客様自身の言葉でいただいた意見であっても、自由にそのまま記載して良いわけではありません。

広告に使用するときの注意点

まず、化粧品の定義を確認してみましょう。

第二条 3 この法律で「化粧品」とは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌ぼうを変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう。

出典:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律

つまり、化粧品に対して、医薬品のような効能効果を謳うことはできません。化粧品に表現できる効能効果は化粧品等の適正広告ガイドラインで定められています。

 

医薬品適正基準広告(3-6) 医薬品等の効能効果等又は安全性について、具体的効能効果等又は安全性を摘示して、それが確実であることを保証をするような表現をしないものとする。

出典:医薬品等適正広告基準について

具体的な例を以下に示します。

体験談で効能効果を示すのはNG

例えば化粧品の体験談では、「肌のむくみがとれた」「シワが消えた」「ニキビが治った」というように、たとえアンケートに寄せられた感想が事実であったとしても、化粧品で謳える効能効果を逸脱する内容は薬機法違反となるため、広告で用いることはできません。 また、「肌のきめが整いました」と広告で表現すること自体は、56の効能効果に含まれているため、薬機法違反ではありません。しかし、体験談として使用する場合、「この商品を使うと肌のきめが整います」と効能効果を保証することになると判断されるため、適正広告基準違反となるのです。

このことから、アンケート結果であっても効能効果を標ぼうすることはできず、あくまでも使用感やテクスチャーを表現するにとどめる必要があります。

他社製品の誹謗中傷はNG

アンケート項目として、たとえば、

「あなたの今の肌の悩みは何ですか?(乾燥、シミ、たるみ 等)」 「あなたが化粧品に求めるものは?(保湿、ハリ、美白、低価格 等)」

というように、あくまで一般的な美容に関する情報として結果を掲載するのは問題ありません。

しかし、このアンケート結果をふまえて、「そんなお悩みを解決する化粧品◎◎」という流れで、悩みの改善や要望を満たす商品の紹介につなげる表現は、化粧品の「効能効果の逸脱」や「効果や安全性の保証」と判断される可能性があるため注意が必要です。

また、「いまの化粧品の不満は?(回答例:高額、効果がない 等)」というような質問は、文脈によっては今使っている化粧品の他社誹謗と捉えられます。

さらに「この美容液は今までの美容液とは違いました」というお客様の声も、他社製品を批判する表現になります。同じ商品で、従来品と比較した表現であればOKです。

「満足度〇〇%」の記載はOK?

「満足度98%!」のような広告表現もよく見かけますが、お客様からのアンケート結果だからといって、すべて表示してもよいわけではありません。 化粧品等の適正広告ガイドラインに、以下のように記載されています。

「満足度93%!!」、「愛用者の98%が満足」のように、調査結果に基づき数値で示すことは、効能効果又は安全性が確実であるかのような誤解を与えるおそれがあるので、原則として行わないこと。 ただし、効能効果又は安全性に対して誤認を与えることのない、「使用方法、使用感、香りの嗜好性等」に関するものであって、客観的調査に基づき、調査の概要を明示し、調査の結果が適正に引用されている場合については認められるものとする。 なお、「満足度93%!!」等の表現に※を付し、離れた場所や小さな文字で「使いやすさ」等と記載するのは、効能効果又は安全性に対する満足度と消費者が誤認するおそれがある。そのため、「使いやすさの満足度93%!!」等のように、効能効果等に関する満足感ではないことを明示すること。

出典:化粧品等の適正広告ガイドライン

以上のことから、「使用感の満足度93%!」というように、この満足度は効能効果や安全性に触れるものではないと証明するために、わざわざ「使用感である」ということを明記する必要があります。(もちろん、「使用感が満足である」という事実があることは大前提です)

また、「93%」という数字だけを見ると、かなり多くの人が満足しているかのように受け取れます。ここでポイントになるのは、10人に対して9人が満足しているのか、それとも1000人に対して約900人が満足しているのかということです。同じ93%という数字でも結果の重さが違うことがおわかりいただけると思います。

調査人数については制約等は特に決められていませんが、これが十数人程度の調査結果によるものであれば、優良誤認と判断される可能性があります。

パーセンテージの結果だけではなく、各回答の人数や調査期間といった根拠を表示することも必要です。

まとめ

ここでは、薬機法、景品表示法、その他のガイドラインに沿って、広告でのお客様の声やアンケートの注意点をまとめました。

結論として、たとえアンケート結果やお客様の声が事実であっても、広告に表示するときには法律の規制を受けるということです。

消費者に正しい情報を伝え、誤解させないために、広告表示のポイントを押さえて、商品やサービスの魅力をしっかりとお伝えしていきたいですね。


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