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「視力の低下」を広告で謳える?言い換え表現は?薬機法・景表法を解説

「視力の低下」を広告で謳える?言い換え表現は?薬機法・景表法を解説

「視力の低下」を広告で謳える?言い換え表現は?薬機法・景表法を解説

 

視力の低下に悩まれる方は多くいらっしゃると思います。

 

では、あなたが訴求したい商品にはどのような特徴があるでしょうか。

栄養成分とともに広告表現について考えていきたいと思います。

 

「健康食品」では、栄養を補助する・健康を維持することを目的とします。

 

目に良いとされている栄養成分はどんなものがあるでしょう。

 

・ブルーベリー(アントシアニン)

・ルテイン

・アスタキサンチン

・ビタミンA

 

これらは「機能性表示食品」に含有される栄養成分です。

事業者の責任において、審査、検査が行われ、科学的根拠が得られたものが報告されています。

 

しかし「視力の低下」というと身体機能に関わる表現です。

「機能性表示食品」において表現することができるのは、エビデンスに基づいた結果の範囲内に限定されます。

視力、低下など身体機能、不調を表すことは疾病に関与することになるため注意が必要です。

 

また複数の栄養素を含有する場合は、それぞれの栄養成分の働きに着目してみましょう。

 

「栄養機能食品」は、すでに科学的根拠が認められている栄養成分が、1日の摂取目安量に適合しているものを指します。

 

・脂肪酸(n-3系脂肪酸)

・ミネラル類(亜鉛、カリウム、カルシウム、鉄、銅、マグネシウム)

・ビタミン類(ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンA、ビタミンB₁、ビタミンB₂、

ビタミンB₆、ビタミンB₁₂、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、葉酸)

 

こちらが含まれている商品は、それぞれの栄養素の働きについて広告表示することができます。

例えば、ビタミンAに関して「夜間での視力の維持を助ける」という表現が可能です。

 

また、フルーツや緑黄色野菜に含まれるとされる他のビタミン類も不足しがちな栄養素です。

身体を維持していくために必要な成分ですので「治る」「予防できる」といった表現は避け、「補う」という表現を意識してください。

 

では、機能性表示食品の届出表示に報告されている内容をみてみましょう。

 

・ブルーベリー(アントシアニン)

ピント調節機能をサポート、目の疲労感を緩和
ブルーベリーに含まれるアントシアニンは、ポリフェノールの一種で抗酸化作用があります。

 

・ルテイン

ブルーライトから目を保護したり、視覚機能の一部であるコントラスト感度を改善
ルテインは元々、眼の中の水晶体、黄斑部に存在している成分で、緑黄色野菜などに多く含まれています。

 

・アスタキサンチン

網膜の毛細血管の血流を改善し、ピント調節機能を正常化へ導く
アスタキサンチンは赤色の天然色素で、エビやカニ、サケ、イクラなどに含まれています。

 

これら3つの成分は有効な抗酸化作用の働きによるものです。

特にルテイン、アスタキサンチンには強力な抗酸化作用があるといわれています。

 

・ビタミンA

目や皮膚の粘膜を健康に保つ、抵抗力を高める、暗所での視力をサポート
ビタミンAは脂溶性ビタミンで、レバーや卵黄などに多く含まれています。

ビタミンはすでに栄養機能が認められていますので、含有量が1日の摂取目安に適合している場合、届出なしで表示できますね。

 

広告表現で「視力の低下に」とは謳えない

 

上記で述べたように、成分の効果が得られたとしても、広告表現には注意が必要です。

機能性表示食品として報告したとしても、医薬品的な効果、効能を暗示するような表現は認められません。

薬機法、景表法に反することなく、効果的な表示をするにはどのような表現がよいでしょうか。

 

まず、視力の低下とは、特定の身体機能が侵されているという疾病に関与することになります。

「健康食品」では、健康を維持していくことで、目の状態を正常化するという意味合いです。

訴求対象をネガティブな表現にすることは、疾病の診断、治療、予防に言及する内容とされてしまいますので避けましょう。

 

エビデンスに基づく表示のみ

機能性表示食品として、科学的根拠が得られた範囲内で表現することは可能です。

 

・クリアな毎日に

・ひとみケア

・ピタッと

・くっきり

 

このように、身体機能に直接言及する表現は避け、訴求対象にアピールしたい製品の特徴を強調してみましょう。

 

医薬品に使用されていない成分であることが前提で、広告表示することも可能です。

 

・ブルーベリー

・ルテイン

・アスタキサンチン

 

訴求したい商品に、DHAなどの脂肪酸や、マルチビタミンなど複数含有している場合は、栄養素もあわせて表示することも効果的です。

 

例えば

・ブルーベリー+マルチビタミン

・ルテイン+DHA

・アスタキサンチン+ルテイン

 

消費者にどのようなとき必要とされるかを明示するとより理解と共感が得られるでしょう。

 

・スマートフォンやPCをよく使う方へ

・オフィスワークやリモートワークに

・夜のしょぼしょぼに

 

製品が医薬品、医療機器と誤認されることがないラインを考えることが重要ということですね。

美容機器もあわせて違反事例とともに具体例をみていきましょう。

 

健康食品での違反事例

 

景表法違反として消費者庁から課徴金の支払いを命令するに至った事例があります。

 

長野県にある健康食品販売会社「株式会社だいにち堂」は販売していた「アスタキサンチン アイ&アイ」について視力の改善を謳う広告表示をしていました。

サプリを飲むだけで目の症状を改善できると思わせる内容だったことから、課徴金370万円の支払いを命じたということです。

これは景品表示法違反となります。

 

2016年6月「60代でも衰え知らず」、「ボンヤリ・にごった感じに」など加齢による目の不調や特定する症状が同サプリの摂取のみで改善するという表示でした。

「機能性表示食品」の届出も報告されていませんでした。

消費者庁の求めに応じ、同社より根拠資料が提出されましたが、表示を裏付ける合理性は無いと判断されました。

 

2017年に措置命令が出され、同社は不服とし2018年8月処分の取消を提訴しましたが、平行線を辿っているようです。

 

健康食品広告での言い換え表現例(参考)

目が疲れる → クリアな毎日

見えにくい → いつでもくっきり

ピントが合わない → ピタッと

 

「視力の低下」に関する表現を言い換えたい時の具体例

NG:目がよく見えるようになります。
OK:ひとみをケア

NG:視力が回復します。
OK:眼の健康をサポート

 

美容機器、雑貨での違反事例

 

実際に、取り締まりの対象となった事例に関わる広告表現を紹介します。

 

フェイスケアができる美容機器について

 

・新陳代謝を促し、血行を良くします。

・超音波機能により、顔の脂肪を分解。顔やせ効果があります。

・ほうれい線がなくなります。

 

このような表現はNGです。

 

美容機器広告での使用が認められる表現

 

美容機器は医療機器ではありません。

化粧品の効能効果として認められている表現と同等の内容でなくてはなりません。

 

化粧品の効能効果として表示し、広告することができる事項については、以下の表に掲げる化粧品の効能効果の範囲とし、かつ当該製品について該当する効能効果の範囲とされていますので、御注意ください。

出典:化粧品の効能効果の範囲について

 

美容機器、雑貨の広告での言い換え表現(参考)

シワが改善します。 → ハリのある肌に導きます。

若々しいお顔になります。 → お肌にツヤを与えます。

 

「視力の低下」に関する表現を言い換えたい時の具体例

NG:顔の筋肉をほぐし、血行を良くします。
OK:肌の柔軟性を保ちます。

NG:使うだけで疲労が取れる
OK:心地よい使用感で、すこやかな状態をサポート

 

まとめ

 

「視力の低下に」このような広告表現を考えるとき、体の部位や不調を指す言葉は避けましょう。

「健康食品」と「美容機器」では訴求内容に注意が必要です。

 

 

「健康食品」においては、

 

・どのような成分が配合されているか

・機能性を表示できる科学的根拠は得られているか

・すでに認められた栄養素の働きに注目する

 

このような項目をポイントにすると、効果的な広告表現につながると思います。

 

 

「美容機器」においては、

 

・医療機器ではない

・化粧品の効能効果56項目と同等の内容にする

・使用感で得られるポジティブな内容を表現する

 

「健康食品」と大きく違うところは、「保健機能食品」のように例外的に効果、効能を表示できる制度は定められていないということです。

より美容的な内容、かつ限定的な広告表現にはなりますが様々な角度から、幅広い消費者にアプローチできる利点を踏まえて考えるとよいでしょう。

 

※違反事例、言い換え表現についてはあくまで参考として捉えてください。表現の違反等の判断については各都道府県の薬務課によって見解が異なりますので、ご理解頂きますようお願いいたします。

 


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