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美容機器 医療機器 ダイエット 薬機法 景品表示法

ダイエットに関する美容機器・医療機器 薬機法や景品表示法上の注意点

美容機器 医療機器 ダイエット 薬機法 景品表示法

本記事では、医療機器と美容機器の違い、ダイエットに関する機器の法律上の注意点について解説していきます。

医療機器とは?

医療機器は医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法、薬機法:旧薬事法)において下記のように定義されています。

この法律で「医療機器」とは、人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等(再生医療等製品を除く。)であつて、政令で定めるものをいう。

出典:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律

また、医療機器は使用における安全上のリスクや目的、用途に応じて下記のように分類されています。

「高度管理医療機器」とは、医療機器であつて、副作用又は機能の障害が生じた場合(適正な使用目的に従い適正に使用された場合に限る。次項及び第七項において同じ。)において人の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあることからその適切な管理が必要なものとして、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するものをいう。

例:人工透析器、人工心肺装置、ペースメーカーなど

「管理医療機器」とは、高度管理医療機器以外の医療機器であつて、副作用又は機能の障害が生じた場合において人の生命及び健康に影響を与えるおそれがあることからその適切な管理が必要なものとして、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するものをいう。

例:注射針、家庭用マッサージ器、電子体温計など

「一般医療機器」とは、高度管理医療機器及び管理医療機器以外の医療機器であつて、副作用又は機能の障害が生じた場合においても、人の生命及び健康に影響を与えるおそれがほとんどないものとして、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するものをいう。

例:経腸栄養注入セット、ネブライザなど

「特定保守管理医療機器」とは、医療機器のうち、保守点検、修理その他の管理に専門的な知識及び技能を必要とすることからその適正な管理が行われなければ疾病の診断、治療又は予防に重大な影響を与えるおそれがあるものとして、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するものをいう。

出典:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律

上記のように医療機器とは、病気の診断や治療、予防のために使用する機器のことで、身体の機能や構造に影響を与えるもののことをいいます。

美容機器とは?

美容機器とは身体(肌を含む)の構造・機能に影響を与えないもので、単に美容(洗顔や化粧品を塗る動作の代用程度)を目的とするものとされています。 一般社団法人 日本ホームヘルス機器協会の「家庭向け美容・健康関連機器 適正広告表示ガイド」では、美容機器をふくむ家庭向け美容・健康関連機器は下記のように定義されています。

家庭向け美容・健康関連機器は、医薬品医療機器法の対象となる第2条第4項(定義)「人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等」以外のホームヘルス機器になる。 対象となる美容・健康関連機器とは、主に光線、電位、電流、音波、振動、吸引、蒸気等を利用し、人の肌や筋肉等に物理的な作用を与え、肌を健やかに保つ、筋肉をトレーニングする等の美容的・健康的効果を期待する機械器具等をいう。 また、「ホームヘルス機器」とは、家庭でセルフケアを目的として用いる健康機器の総称で、家庭向け美容・健康関連機器のほか家庭向け医療機器などを含む。

出典:家庭向け美容・健康関連機器 適正広告表示ガイド

このように美容機器とは、医療機器とは異なり、病気の診断や治療、予防を目的とするものではなく、美容的、健康的な効果を期待する機器のことです。

ダイエット機器の販売は薬機法及び景品表示法に注意

美容機器として多くの人が注目するものとして、ダイエット(痩身)器具があります。 以下からは、ダイエット(痩身)に関する機器の販売時に注意するべき法律や問題について考えたいと思います。

美容機器の販売時に注意する点としては、広告などの表示の問題が挙げられます。 このとき配慮する必要のある法律としては「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法、薬機法:旧薬事法)」と「不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)」があります。 また、薬機法に基づく「医薬品等適正広告基準」や「医療機器適正広告ガイド集」、上記でも示した「家庭向け美容・健康関連機器 適正広告表示ガイド」も注視しておく必要があります。

医療機器の場合、薬機法において広告表示に関して次の規定があります。

第六十六条 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。
 医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の効能、効果又は性能について、医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、又は流布することは、前項に該当するものとする。
 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品に関して堕胎を暗示し、又はわいせつにわたる文書又は図画を用いてはならない。

出典:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律

化粧品や医薬部外品の効能効果について、虚偽又は誇大な広告表現を行いそれを拡散することを禁止しています。また効能効果に関する表現について下記のように示されています。

3 効能効果、性能及び安全性関係
(1)承認等を要する医薬品等についての効能効果等の表現の範囲 承認等を要する医薬品等の効能効果又は性能(以下「効能効果等」とい う。) についての表現は、明示的又は暗示的であるか否かにかかわらず 承認等を受けた効能効果等の範囲をこえてはならない。

出典:医薬品等適正広告基準

医療機器の販売時に表記できる効能効果は、承認を受けたもののみ表記することができます。それ以上の効果や、未承認の効果を表示することはできません。

美容機器の場合、その販売時における広告表現で注意するべき点は「家庭向け美容・健康関連機器 適正広告表示ガイド」に挙げられています。

3 効果、性能及び安全性関係 美容・健康関連機器の効果及び安全性を表現する場合は、医薬品、医薬部外品及び医療機器の効能効果の範囲に抵触しないようにする。
(1)効果等の表現の範囲 美容・健康関連機器による作用又は効果が事実であることが前提となる。表現できる範囲は、概ね化粧品の効能・効果の範囲とする。家庭用EMS機器については、経皮的電気刺激による筋肉運動の範囲とする。 事実であっても、医薬品等の効能・効果の範囲は訴求はしてはならない。

出典:家庭向け美容・健康関連機器 適正広告表示ガイド

効能効果が医薬品などの効能効果の範囲に及んではいけません。もちろんのこと効能効果が事実であることを前提に、化粧品の56種類の効能効果の範囲の表現を用いることができます。

また、美容機器の本来の効果と認められない表現として使用できない用語が挙げられています。 ダイエット(痩身)機器として関係するものでは、「代謝の向上」、「脂肪燃焼ができる」、「筋肉を肥大させる」旨の表現は不適切とされています。代わりの表現として「エクササイズができる」旨の表現が挙げられています。 これらの不適切な表現を行うと、不当表示として景品表示法に抵触する場合もあります。

まとめ

医療機器と美容機器では、その使用目的が病気の治療や診断などにあるかという点で異なります。 美容機器の効能効果化粧品の効能効果の範囲にとどまります。薬機法や景品表示法に注意する必要があります。


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