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薬機法 景表法 広告表現 にきび

「にきび」を広告で表現できる?言い換えは?薬機法・景表法を解説

薬機法 景表法 広告表現 にきび

にきびやにきび痕のケアはは見た目の印象を大きく左右することから女性にとって関心の高い事柄です。

しかし、化粧品や健康食品、美容機器でにきびケアについて過剰な表現を行うことは医薬品的な効能効果を暗示させる広告表現として薬機法違反にあたります。また、優良誤認表示として景表法違反と判断される可能性もあるため注意が必要です。

本記事では、化粧品や健康食品、美容機器におけるにきびについての広告表現の注意点や言い換え表現を紹介しています。関連商品の広告作成の参考にしていただければ幸いです。

 

にきびを「防ぐ」はOK、にきびが「良くなる」はNG

にきびに関する効果効能について、化粧品に認められているのはにきびを「防ぐ」までの表現です。 そのため、できてしまったニキビが良くなるかのような表現方法はもちろん、「目立たなくなる」「小さくなる」といった表現もNGとなります。 さらに、「炎症を鎮める」といった表現は「医薬品的な効能効果」の暗示となるため、化粧品・医薬部外品ともに禁止されています。

薬用化粧品に認められた効能効果表現

薬用化粧品は「医薬部外品」であるため、各商品に個別に認められた『薬効』であればにきびについて表現することが認められています。薬用化粧品は薬機法上では医薬品と化粧品の中間の位置付けともいえるでしょう。 にきびに関する効果効能については、各商品について次の表現が認められています。

化粧水

  • 肌あれ、あれ症
  • あせも・しもやけ・ひび・あかぎれ・ニキビを防ぐ
  • 油性肌
  • 肌を清浄にする

薬用石鹸(洗顔料を含む)

(殺菌剤主剤のもの)

  • 皮膚の洗浄・殺菌・消毒
  • 体臭・汗臭及びニキビを防ぐ

(消炎剤主剤のもの)

  • 皮膚の洗浄、ニキビ・かみそりまけ及び肌あれを防ぐ

出典:医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について

「にきびに」は薬用化粧品なら条件付きでOK

一般化粧品において、「にきびに」とだけ表示する表現方法はNGとされています。しかし、薬用化粧品(医薬部外品)の場合は、条件付きで使用できることがあるのです。

「○○を防ぐ」という効能効果で承認を受けているものにあっては、 単に「○○に」等の表現は認められない。ただし、承認された効能効果が明確に別記されていればこの限りではない。

出典:医薬品等適正広告基準

つまり、「にきびに」とだけ書かれたキャッチコピーを表示する場合は、別記で承認された「薬効」として「にきびを防ぐ」とはっきりと明記してあればOKとなります。

ただ、「にきびに」を過剰に標榜する・「にきびを防ぐ」という薬効をわかりにくく記載した場合は不適切な広告表現となる可能性があるため注意が必要です。

「大人ニキビ」は広告表現に使用できる?

ニキビケア商材でよく見受けられる「大人ニキビ」というワードは広告表現に使用できるのでしょうか?

結論からいうと、「大人ニキビ」を過剰にPRすると場合によっては医薬品的な効能効果の暗示と判断される恐れがあります。これは、大人になってからできるニキビはストレスやホルモンバランスの乱れなどが原因と考えられているためです。 大人ニキビについて広告に表示したいときは、「大人のニキビ」「大人特有のニキビ」などと言い換えたほうが無難といえるでしょう。

「にきび痕」は広告表現に使用できる?

美白を目的とした化粧品広告において「にきび痕を防ぐ」といった標榜がみられることがありますが、こちらは薬機法違反にあたります。

にきび痕についての広告表現は、薬機法上では「メーキャップ効果によってにきび痕が目立たなくなる」といった内容までに限られています。 「美白」についての効果効能はあくまで「メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ」といったものであり、にきび痕が良くなるといった効果効能は認められていません。

また、にきび痕という表現自体が「すでにできているにきびへの効果」となる恐れがあり、美白化粧品で効果を暗示させることはもちろん、「にきび痕をケア」といった表現も不適切と判断される可能性があるのです。

健康食品に医薬品的な効能効果の標榜はNG

サプリメントやジュースなどの健康食品の広告において、医薬品と同じような効能効果を標榜することは薬機法違反にあたります。 そもそも医薬品とは、薬機法によって次のように定義されています。

第二条 この法律で「医薬品」とは、次に掲げる物をいう。  日本薬局方に収められている物  人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物であつて、機械器具等(機械器具、歯科材料、医療用品、衛生用品並びにプログラム(電子計算機に対する指令であつて、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。以下同じ。)及びこれを記録した記録媒体をいう。以下同じ。)でないもの(医薬部外品及び再生医療等製品を除く。)  人又は動物の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物であつて、機械器具等でないもの(医薬部外品、化粧品及び再生医療等製品を除く。)

出典:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律

特に、健康食品の広告表示でしばしば問題になるのは2と3についてです。「にきびを治す」といった表現についても2や3にあてはまる内容であるため、こうした表現を使用するとその商品が医薬品と判断される可能性がありるのです。 医薬品と判断される健康食品を広告・販売していた場合は「未承認医薬品の広告」として薬機法第68条に違反するものとなります。

ちなみに、医薬品の定義には実際に薬理作用があるかどうかは問わないという点についても注意が必要です。

美容機器の効能効果は化粧品と同じ範囲まで表現OK

美顔器などの美容機器は「雑品」という扱いであり、身体の特定部位の変化を表す効果効能を広告表示すると未承認医療機器として薬機法第68条に違反していると判断されます。

「家庭向け・健康関連機器等適正広告基準ガイド」によると、化粧品に認められている範囲であれば美容機器の効果効能として広告表現への使用が認められています。

美容・健康関連機器による作用又は効果が事実であることが前提となる。表現できる範囲は、概ね化粧品の効能・効果の範囲とする。家庭用EMS機器については、経皮的電気刺激による筋肉運動の範囲とする。 事実であっても、医薬品等の効能・効果の範囲の訴求はしてはならない。

出典:家庭向け・健康関連機器等適正広告基準ガイド

つまり、にきびケア用の美容機器には洗浄効果によることが示されていれば、「にきびを防ぐ」といった効果効能を標榜することができるのです。

景表法による広告規制

化粧品や健康食品、美容機器において「にきびに効く」などの認められない表現をすることは薬機法違反となるだけでなく、景表法違反として課徴金の対象になる可能性があります。 景表法で禁止されている広告表示には、次の3種類があります。

  • 優良誤認表示
  • 有利誤認表示
  • 指定告示表示

「にきびに効く」などの表現はこれらの中で優良誤認表示にあたります。 優良誤認表示とは、商品やサービスの内容について、一般の消費者に対して実際のものよりも著しく優良であると示す表示のことです。

優良誤認表示と疑われた場合、消費者庁から表示内容の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求められることがあります。資料の提出をしない・提出した資料が表示内容の裏付けとなる合理的な根拠と認められない場合は優良誤認表示と判断されるのです。

化粧品での違反事例

スキンケア用品や洗顔料などの化粧品の広告での使用がNGとなる内容を紹介します。

  • 医薬品的な効果効能があるような表現(治る、施術、改善)
  • 承認されていない効能効果(にきびを治す、肌がよみがえる、肌荒れしなくなる)
  • 特定部位を表す表現(肌、顔、背中、大人ニキビ、アクネ菌)
  • 効果効能の保証(解決、完全に、○○分で、即効)
  • その製品を使うだけで良いといった表現(塗るだけで、何もしなくても、我慢せずに)
  • 不安を煽る表現(このままでいいの?、異性に嫌われる、まだ○○使ってるの?)
  • 最大級表現(最大、最小、最先端、日本一)
  • 安全性の保証(安心安全、問題なく、副作用の心配なく)
  • 有名人や専門家が推薦しているとした表現(芸能人が推薦、○○で採用、厚生労働省)
  • 他社を誹謗中傷するような内容(○○社製品にはない、比べ物にならない、これまでにない)

 

化粧品広告での使用が認められる表現

化粧品広告に使用がOKとなる効能効果は、原則として「化粧品等の適正広告ガイドライン」で定められた56項目に限られています。また、薬用化粧品(医薬部外品)については商品の分類によって効果効能として使用OKとなるワードが決められているので注意が必要です。 にきびに関係している効能効果としては、次のようなものがあります。

一般化粧品(洗顔料、石鹸、クレンジング)

(清浄により)にきびを防ぐ

薬用化粧品(医薬部外品)

化粧水などのスキンケア、薬用石鹼→にきびを防ぐ

また、使用感の表現(さっぱり、べたつかない)は一般化粧品、薬用化粧品ともに使用OKとなります。

化粧品広告での言い換え表現(参考)

化粧品の広告でにきびについて表現する際に認められている言い換え表現をまとめました。これらの表現例を化粧品の広告を作成する際に参考にしてみてください。

にきびに関する表現を言い換えたい時の具体例

NG:にきびの原因となっている古い角質を根こそぎ除去します OK:にきびを防ぎます

NG:にきびに効くファンデーション OK:(メーキャップ効果によって)にきびを目立たなくするファンデーション

健康食品での違反事例

サプリメントやジュースなどの健康食品広告での使用がNGとなる内容には次のようなものがあります。

  • 医薬品的な効果効能があるような表現(治療、予防、再生、改善)
  • 身体の変化についての表現(肌がよみがえる)
  • 特定部位を表す表現(顔、肌、皮膚、大人ニキビ、アクネ菌)
  • 症状や病名の記載(にきび、吹き出物、シミ、肌荒れ)
  • 用法用量の指定(1日2粒お飲みください、1日3回食後にお召し上がりください)
  • 不安を煽る表現(このままだと嫌われます、異性に嫌われる、このままでいいの?)
  • 安全性の保証(安心安全、100%、心配なく、保証されている)
  • その製品を使うだけで良いといった表現(飲むだけで、我慢せずに、食事制限せずに)
  • 最大級表現(最大、最小、最適、ベスト、日本一)
  • 有名人や専門家が推薦しているとした表現(芸能人が推薦、厚生労働省、○○機関)
  • 他社を誹謗中傷するような内容(○○社製品とは比べ物にならない、これまでにない)

健康食品広告での使用が認められる表現

健康食品の広告での使用がOKとなっている表現には次のようなものがあります。

  • サポート表現(美容のために、働き盛りの方の栄養補給に)
  • 使用感の表現(サラサラ、香りがいい)

使用には注意が必要となる表現

次の表現は、身体の部位を表すワードに合わせての使用はNGとなるため注意が必要です。

  • 美をサポート
  • つるつる

健康食品広告での言い換え表現例(参考)

健康食品広告でにきびについて表現する際に認められている言い換え表現をまとめました。広告作成の際に参考にしていただければと思います。

にきびに関する表現を言い換えたい時の具体例

NG:肌がつるつるに OK:キレイをサポート

NG:美しい肌質に OK:女子力アップに

美容機器、雑貨での違反事例

美顔器などの美容機器や雑貨の広告での使用が認められない表現方法やワードには次のようなものがあります。

  • 医薬品的な効果効能があるような表現(治る、治療、再生)
  • 特定部位を表す表現(肌、顔、皮膚、大人ニキビ、アクネ菌)
  • 身体の変化についての表現(発汗作用、デトックス、毒出し)
  • 症状や病名の記載(にきび、吹き出物、肌荒れ、シミ)
  • 用法用量の指定(1日30分だけご使用ください、就寝前に)
  • その製品を使うだけで良いといった表現(使うだけで、我慢せずに、食事制限せずに)
  • 不安を煽る表現(異性に嫌われる、まだ○○使ってるの?、このままだと嫌われます)
  • 最大級表現(最大、最小、高級、ベスト、日本一)
  • 安全性の保証(安心、安全、必ず、絶対に)
  • 有名人や専門家が推薦しているとした表現(芸能人が推薦、国の基準、○○で採用)
  • 他社を誹謗中傷するような内容(今までにない、○○社製品にはない、比べ物にならない)

美容機器、雑貨広告での使用が認められる表現

美容機器や雑貨の広告での使用がOKとなっている表現には次のようなものがあります。

  • サポート表現(美容のために、健康維持のために)
  • 使用感の表現(べたつかない、爽快にする)

使用には注意が必要となる表現

次の表現は、身体の部位を表すワードに合わせての使用はNGとなるため注意が必要です。

  • きれいな毎日を
  • つるつるに

美容機器、雑貨の広告での言い換え表現(参考)

美容機器や雑貨の広告でにきびについて表現する際に認められている言い換え表現をまとめました。これらの表現例を美容機器や雑貨の広告を作成する際に参考にしてみてください。

にきびに関する表現を言い換えたい時の具体例

NG:にきびが治る OK:清浄によりにきびを防ぐ

NG:肌がつるつるに OK:キレイをサポート

まとめ

にきびに対する効果効能として、化粧品・薬用化粧品ともに広告表現が認められているのは「できていないにきびを防ぐ効果」のみです。それ以上の効果効能があるといった広告表現は医薬品的な効能効果の標榜として薬機法違反となるため注意しましょう。

健康食品はあくまでも食品であり、「にきびを防ぐ効果」であっても医薬品的な効能効果の標榜として薬機法違反となります。また、優良誤認表示として景表法違反とされる可能性もあるため注意が必要です。健康食品の場合は食生活をサポートする商品であることを表現しましょう。

美容機器に認められている効能効果の範囲は化粧品と同じ範囲と考えてよいでしょう。化粧品の効能効果範囲表を定期的にチェックし、ガイドラインが改正された場合もすぐに対応できるようにしておくことが大切です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

※違反事例、言い換え表現についてはあくまで参考として捉えてください。表現の違反等の判断については各都道府県の薬務課によって見解が異なりますので、ご理解頂きますようお願いいたします。


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