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化粧品・健康食品の「定期購入」は特商法の制限に注意

化粧品・健康食品の「定期購入」は特商法の制限に注意

化粧品・健康食品の「定期購入」は特商法の制限に注意

 

健康食品や化粧品の「定期購入」は購入者と販売者の双方にメリットがあり理想的な仕組みと言えますが、特にD2C事業者は気を付けるべき落とし穴があることをご存じでしょうか。
消費者を守る法律である「特商法」は2021年に定期購入に関しての新たなガイドラインを発表しました。販売者は「特商法」について知らないと意図せず法律違反をしてしまう可能性があります。
そこで本記事では消費者庁などの資料をもとに特商法の新たな規制について、販売者が知っておくべき点を分かりやすく丁寧に説明します。「特商法で何に気を付ければいいかわからない」という方はぜひ最後まで読んで参考にしてください。

化粧品や健康食品の「定期購入」とは?

まず化粧品や健康食品における「定期購入」に関して説明していきます。
「定期購入」はその名の通り「あるユーザーに特定のものを継続的に買ってもらい、それを届ける」仕組のことです。

購入者側のメリット

基本的に化粧品や健康食品は使えばなくなる消耗品です。継続的に使うと効果がでるものやずっと使いたいものなども含めて「同じものを定期的に買う」手間が発生してしまいます。
そこで例えば一度ネットショップでクレジットの決済などをすれば自動で届くように設定しておけばその手間を無くすことができます。毎回買うことを煩わしいと感じる方や買い忘れなどをしてしまう方にとって嬉しい仕組みといえるでしょう。

販売者者側のメリット

購入者のみならず販売者にもこの仕組みはメリットはあるのでしょうか。
消耗品の商品を届ける側としては「毎月どれぐらい売れるのか」はある程度分かっているとメリットは大きいです。サービス提供者側の目線でも毎月の注文の量を把握して「どれだけ新たにつくるか」を判断する材料になり、供給時の生産計画を立てる際にありがたい仕組と言えます。
また、あらかじめ定期購入者が購入を約束してくれていることで見込み売り上げを把握しやすくなります。このように一度定期購入に登録すれば自動的に届けられる仕組みはユーザー目線とサービス提供者目線の双方に重宝されています。

特商法に注意が必要

ここまで述べてきたように定期購入は購入者と供給者にとってもうれしい仕組みですが、新たにガイドラインが加わり特商法に気を付ける必要があります。特商法について簡単に説明していきます。

特商法とは

まず特商法について消費者庁の公式ホームページをもとに概要を説明していきます。

特定商取引法は、事業者による違法・悪質な勧誘行為等を防止し、消費者の利益を守ることを目的とする法律です。
具体的には、訪問販売や通信販売等の消費者トラブルを生じやすい取引類型を対象に、事業者が守るべきルールと、クーリング・オフ等の消費者を守るルール等を定めています。

出典:消費者庁公式ホームページ

分かりやすく説明すると「悪質な勧誘や営業などから消費者を守る」ための法律です。
訪問販売や電話での勧誘など、消費者にとって不利益になるような悪質な行為は後を絶ちません。消費者庁の対策として、一定期間購入したものを取り消しにできるクーリング・オフなどはその有名な例です。消費者にとっては安全に買い物をすることがでる有難い仕組みといえるでしょう。

定期購入で起こった問題

定期購入は便利な仕組みですが、問題が起こってしまいます。
消費者の無知に付け込むような販売があり、消費者庁にクレームが多数集められてしまったのです。

  • お試しのつもりが定期購入になっている
  • 「いつでも解約」と書いておきながら実際には細かい条件がある

上記のような消費者に不利益を与えてしまうような件が多数起こってしまい、2021年に消費者庁も新たにガイドラインを発表してこのような事態の対策を打ちました。

2021年6月ガイドラインの内容

このようにして消費者庁が設定した新たなガイドラインについて要点を説明していきます。

2021年6月ガイドラインの主な内容

  • 通信販売に関する規定の新設
  • 電磁的記録によるクーリング・オフの導入
  • 預託等取引に係る抜本的な規制強化

出典:消費者庁

特筆すべきは主に一番上の「通信販売に関する規定の新設」を行ったことで、基本的な内容としては

  • 表示を義務付けること
  • 誤認させるような表示をしないこと

この2点を守って消費者との健全なやりとりをするように促しています。
そして、販売者はこの新たなルールを知っておく必要があります。

販売者が知っておくべき特商法の新たな内容

それではこの具体的な規定を見ていきましょう。

消費者庁の資料を参考にすると、販売者に関わってくる内容は下記です。

「表示義務」の内容

  • 分量
  • 販売価格・対価
  • 支払時期及び支払方法
  • 引渡時期・移転時期・提供時期
  • 申込みの期間がある場合、その旨・その内容
  • 申込みの撤回・解除に関する事項

適用対象

①カタログ・チラシ等を利用した通信販売

➝申し込み書面

②インターネットを利用した通信販売

➝最終確認に相当する画面

出典:消費者庁

仮に定期購入のネットショップを立ち上げる場合、最終確認の画面に上記の「表示義務」の内容を記載する必要があります。
こちらを破ってしまうと法人の場合、最悪1億円近くの罰金の制度もあるので定期購入品の販売を考えている方は注意してください。

薬機法にも注意

薬機法は厚生労働省が管理している医薬品などに関わる法律です。
品質や安全面などを担保するために「開発」「製造」「販売」「流通」「使用」などの一貫した領域で規定をつくっています。
厚生労働省のページに記載されている具体的な取り扱い品目は下記です。

薬機法の対象

  • 医薬品(市販薬、血液学的検査薬等)
  • 医薬部外品(うがい薬、殺虫剤、染毛剤、栄養ドリンク等)
  • 化粧品(一般的な化粧品、シャンプー、スキンケア用品等)
  • 医薬機器(ペースメーカー、人工関節、超音波画像診断装置など)
  • 再生医療等製品(心筋の細胞シート等)

出典:厚生労働省

この内容を見ると医薬品や医療機器などの専門性の高いもののみならず、化粧品や健康食品のようなものも含まれることが分かります。

薬機法の注意すべき点

例えば化粧品の場合の薬機法でどのような点に注意すべきかを見ていきましょう。

(誇大広告等) 第六十六条 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。

2 医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の効能、効果又は性能について、医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、又は流布することは、前項に該当するものとする。

3 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品に関して堕胎を暗示し、又はわいせつにわたる文書又は図画を用いてはならない。

出典:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律

上記は薬機法の一部からの引用ですが広告に関して虚偽または誇大な内容が明確に禁止されています。
広告やネットショップで化粧品などを扱う際は十分に注意してください。

まとめ

本記事では化粧品や健康食品を扱ううえでの特商法、薬機法で注意すべき点などをまとめました。
定期購入は購入者と販売者の両方にメリットがある素敵な仕組みですが、正しくルールを把握してサービスを提供することが重要といえるでしょう。規制を知らずに運用を続けていた場合、最悪のケースでは罰則などにもつながることもあります。
定期購入を考えている方はぜひ今回の記事を参考にしてみてください。


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