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電気バリブラシ、ブラシ型美容家電の広告における注意点 美容室・エステサロンに関する薬機法

電気バリブラシ、ブラシ型美容家電の広告における注意点 美容室・エステサロンに関する薬機法

電気バリブラシ、ブラシ型美容家電の広告における注意点 美容室・エステサロンに関する薬機法

低周波で頭部を刺激してコリをほぐす「電気バリブラシ」がテレビ番組やSNSを中心に話題となっています。
電気バリブラシをはじめとしたブラシ型美容家電の効果として「小顔」「たるみ」「肩こり」「リンパ」といったワードをよく見かけます。これらの広告表現は法律上OKなのでしょうか?
本記事では、デンキバリブラシなどの「ブラシ型美容家電」の広告表現で注意すべきポイントについてご紹介します。

人気の「ブラシ型美容家電」とは?

「電気バリブラシ」とは、ブラシのピンヘッドから低周波を出力させて、頭部のコリをほぐすブラシのような形をした美容家電です。ブラシにはたくさんの細い針が集まっており、低周波によって振動しています。頭を撫でると最初はチクチクとした刺激を感じますが、次第に慣れてきて気持ちの良い刺激となっていくようです。また、ブラシ型美容家電は頭皮だけでなく顔周りやデコルテにもそのまま使用でき、全身のケアにも役立ちます。

電気バリブラシの効果

電気バリブラシのようなブラシ型美容家電に期待される効果として、頭皮のコリをほぐす・頭皮のリフトアップなどが挙げられます。頭皮のコリが解消されると、髪の毛を支えている立毛筋の収縮が促されます。その結果、髪のツヤが良くなるといわれているのです。また、就寝前に使うことでリラックス効果で寝つきが良くなることでも話題となっています。

エステサロン、美容室では広告表現に要注意

家庭向け美容家電や、エステサロンや美容室で使われる器具は法律上「雑貨」の扱いを受けます。そのため、電気バリブラシをはじめとしたブラシ型美容家電も「雑貨」に該当します。
エステサロンや美容室でブラシ型美容家電を使用することを広告に記載するときは、ブラシ型美容家電があくまでも美容家電であるといった広告表現を心がけましょう。美容家電・美容機器の広告では効能効果表現が化粧品と同じ範囲までと考えられております。
化粧品の効能効果の範囲において、頭皮や毛髪に関わるワードは次のようなものが挙げられます。

頭皮、毛髪を清浄にする
香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える
頭皮、毛髪をすこやかに保つ
毛髪にはり、こしを与える
頭皮、毛髪にうるおいを与える
頭皮、毛髪のうるおいを保つ
毛髪をしなやかにする
クシどおりをよくする
毛髪のつやを保つ
毛髪につやを与える
フケ、カユミがとれる
フケ、カユミを抑える
毛髪の水分、油分を補い保つ
裂毛、切毛、枝毛を防ぐ
髪型を整え、保持する
毛髪の帯電を防止する

化粧品の効能効果の範囲についてより引用)

つまり、電気バリブラシのようなブラシ型美容家電の広告では「髪質改善」「頭皮を治療する」など医療機器と同じような作用を標榜することはできません。もし化粧品の効能効果の範囲を超えるような過剰な広告表現を行った場合は、虚偽・誇大広告や未承認の医療機器の広告として薬機法違反となるため十分注意しましょう。

(誇大広告等) 第六十六条 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。

薬機法第66条より引用)

(承認前の医薬品、医療機器及び再生医療等製品の広告の禁止) 第六十八条 何人も、医薬品若しくは医療機器又は再生医療等製品であつて、まだ承認又は認証を受けていないものについて、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはならない。

薬機法第68条より引用)

ブラシ型美容家電に「美容効果を超える効能効果表現」はNG

では、電気バリブラシのようなブラシ型美容家電の広告に「小顔」「たるみ」「肩こり」「リンパ」といったワードは使用できるのでしょうか?
「家庭向け美容・健康関連機器等適正広告表示ガイド」によると、「小顔になる」「たるみが改善」といった身体の構造に影響を及ぼす表現や「肩こりが治る」「リンパの流れが良くなる」といった表現は美容効果を超える効能効果表現と判断される可能性が高いです。

美容・健康関連機器による作用又は効果が事実であることが前提となる。表現できる範囲は、概ね化粧品の効能・効果の範囲とする。家庭用EMS機器については、経皮的電気刺激による筋肉運動の範囲とする。

事実であっても、医薬品等の効能・効果の範囲の訴求はしてはならない。

本来の効果等と認められない表現の禁止美容効果等の範囲を超えた表現はしないこと。

家庭向け美容・健康関連機器等適正広告表示ガイドより引用)

したがって、「小顔」「たるみ」「肩こり」「リンパ」といった身体に直接的な作用をするような広告表現は避けた方が無難でしょう。

景表法違反となる可能性も

電気バリブラシをはじめとしたブラシ型美容家電に関する表示を行う際は、薬機法だけでなく景表法(景品表示法)に違反しないよう注意が必要です。
ブラシ型美容家電に事実を超えた過剰な効果があるといった広告表示を行うと、「優良誤認表示」として景表法違反となります。

(不当な表示の禁止)

第五条 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。

一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの

景表法第5条より引用)

エステサロンでのNG例

エステサロンの広告において、電気バリブラシをはじめとしたブラシ型美容家電を使った施術について記載するときは「頭皮を活性化」「髪の毛を再生させる」といったワードを使用しないことが大切です。
これらの広告表現は医療機器や医薬品にしか認められていないため、薬機法違反に該当します。
また、次のようなワードを使った広告表現も、薬機法やエステ業界の自主規制に違反するため不適切です。

① 全く欠けることがないことを意味する用語
(例)「完全」「完ぺき」「絶対」「永久」「保証」「必ず」「万全」など

② 他よりも優位に立つことを意味する用語
(例)「世界初」「日本初」「世界一」「日本一」「超」「業界一」「当初だけ」「他に類を見な い」「抜群」など

③ 最上級を意味する用語
(例)「最高」「最高級」「極」「一級」など ※①~③は立証できる場合は除く

④ 医師法・医療法・医薬品医療機器法など、医療および医療類似行為に抵触する用語
(例)「治す」「治る」「治療」「療法」「医学的」「医療」「診察」「診療」「診断」「効く」など

徳島新聞広告掲載基準より引用)

まとめ

電気バリブラシは、細かい針から放出される低周波で頭皮のコリをほぐすブラシ型美容家電として最近話題となっています。ただし、美容家電に認められた範囲を超えるような過剰な広告は薬機法や景表法違反となるため注意が必要です。
また、エステサロンや美容室では、医療機器の使用は認められておらず、施術に使用する器具は美容機器に限られています。
そのため、こうした店舗の広告を制作するときは、電気バリブラシのようなブラシ型美容家電に医療機器と同じような効果があるかのような標榜は避けておく必要があります。薬機法や景表法に抵触しない広告表現を心がけましょう。


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