導入
デスクワークなどの目に負担のかかる作業をしてたり、寝不足が続いたりすることで、目の下にクマやどんよりとした部分が増えてしまった際の解決方法を検索していると、目薬やアイピローと共に出てくる商品が目元用美容機器と呼ばれる美容機器です。
目元用美容機器は美容機器と銘打たれていますが、雑貨に分類されます。
しかし、薬機法上たるみが改善される、しわが消えるなどの表現を謳うことはできません。法律上の区分も含めて、目元用美容機器について解説していきます。
目元用美容機器とは
目元用美容機器にはハンズタイプとハンズフリータイプがある
目元用美容機器は美顔ローラーなどのように手に持って使用するハンズタイプ、アイピローのように目の周りに装着するハンズフリーのタイプがあります。
ハンズタイプは手に持って使うため、効かせたい部位にピンポイントで効かせることが出来るのが特徴です。肌と触れる部分の大きさや持ち手の持ちやすさで選んだり、より小型な物を選べば持ち運びにも便利なタイプです。
一方のハンズフリーのタイプは、目の周りに装着するタイプのため、リラックスタイムにながら作業をしながら使用するのに向いています。デメリットとしては装着感が合わない場合があることです。
効かせたい悩みで目元用美容機器を選ぶ
目元用美容機器は「目元のどんな悩みに効果を発揮するか」で使用するタイプを選ぶことも重要です。
- どんよりとしていたり、ハリが不足しているタイプ
- 目元がくすんで暗く見えるタイプ
- 血行不良により不健康そうに見えるタイプ
目元のハリが不足してどんよりとしているタイプには、筋肉に効かせたい場合はEMSタイプという電気刺激で筋肉にアプローチするものを、肌に効かせたい場合はRF波という高周波の電磁波を当てて肌のうるおいを高めるものや、赤か白のLEDライトでハリをアップさせる目元用美容機器がおすすめです。
目元がくすんで暗く見えるタイプには、乾燥によて肌のターンオーバーの周期が乱れることでくすんで見えているため、ビタミンCの配合された美白クリームと併用して、超音波やイオン導入が出来る目元用美容機器を使用することがおすすめです。
血行不良によって不健康そうに見えるタイプには、温熱効果のある目元用美容機器がおすすめです。温熱効果によて目元を柔らかくしたり、青ざめてしまった目元を健康的に戻してくれたりする効果が期待できます。
美容機器は雑貨に該当
目元用美容機器は雑貨に分類されます。
化粧品や美容の世界で雑貨は、消費者が化粧または美容のために供する雑貨工業品のことを指し、雑貨工業品を略して雑貨や雑品と呼びます。雑貨の多くが化粧品・医薬部外品の使用を補助したり、美容行為を補助したりする製品で、それらは化粧用具や化粧雑貨と呼ばれることもよくあります。
つまり、美容機器はあくまでも化粧品や医薬部外品の使用の補助や、美容行為の補助をする商品であるとされています。
医療機器のように病気を治したり改善させたり、身体に影響を及ぼすために使用するものではないため、「雑貨」と表記されます。
広告表現では薬機法に注意
目元用美容機器は、分類は雑貨ですが、広告表現に関しては薬機法に注意が必要です。
薬機法では、化粧品や医薬部外品は「身体(肌を含む)の構造・機能に影響を与えないもので、単に美容(洗顔や化粧品を塗る動作の代用程度)を目的とするもの」とされています。
そもそも雑貨である目元用美容機器は、身体の構造・機能などに影響を与える商品であってはいけません。そのため、使用できる効能効果の広告表現は、化粧品で認められている56の効能・効果と同じ範囲の事しか表現することができないとされています。
具体的に表現できる文言は、
- 肌にハリを与える
- 肌にツヤを与える
- 肌をなめらかにする
- 肌を柔らげる
- 肌をひきしめる
- 肌のキメを整える
であれば、肌を皮膚に置き換える程度の言い換えであれば、目元用美容機器の広告表現としても、効能効果の表記は可能です。
目元用美容機器のNG表現
目元用美容機器の広告表現で使用できない表現は、化粧品で認められている56の効能・効果から外れる表現であったり、景品表示法に抵触するような表現です。
例えば、美白の効果がないのにあるように表現したり、身体に影響を及ぼすように表現したりすることはできません。
具体的には
- 使い続けることで顔が小さくなる
- シワが目立たなくなる
- ビタミンCが肌の奥まで浸透する
- イオン導入効果
- たるみが改善して若返って見える
などがNG表現です。
「顔が小さくなる」という表現は、身体に影響を及ぼすような表現のため不可です。
「シワが目立たなくなる」という表現は、「目立たなくなる」という一見して「シワが消えた」ように消費者が受け取るニュアンスは出来ないため、NG表現です。
「肌の奥まで浸透する」という表現は、浸透表現として過剰表現となるため不可です。化粧品で認められている効能は「角層まで」となっているため、「肌の奥」という表現はそれ以上を連想させるためNG表現とされています。
また、イオン導入の「導入」という表現も同様に過剰表現とされている表現です。「たるみの改善」は消費者利益の保護の観点から、不可とされることがある表現でもあります。また「若返って見える」という「アンチエイジング」的な表現も過剰表現とされて、NG表現です。
言い換え表現(参考)
目元用美容機器の効果として実際に「たるみの改善」があるものでも、消費者が誇大表現と認識しかねない表現の場合には使うことはできません。その場合は使用感やスキンケア効果として、言い換えることでニュアンス的に伝えることは可能です。
例えば上記の項目で上げた表現は、以下のように言い換えることが可能です。
- 「使い続けることで顔が小さくなる」を「使い続けることで血行が促進されむくみが解消される」に言い換える
- 「シワが目立たなくなる」を表現として可能な「肌にハリが出る」に言い換える
- 「ビタミンCが肌の奥まで浸透する」を「肌の奥まで」に注釈として「角層まで」と付け加えたり、「お肌の乾燥が気になる部分に、ビタミンCのクリームなど共にご使用ください」のように使用方法に置き換えたりする
- 「イオン導入効果で美肌になる」を「イオンがブースター効果として配合」に言い換える
- 「たるみが改善して若返って見える」を「目元に下から上、内から外へ引き上げるようにご使用ください」のような使用方法に置き換えたり、「年齢に応じたお手入れでイキイキとしたお肌に」のようなマイルドな表現に言い換える
化粧品の効能効果の範囲は薬機法で「健康的な肌の維持」とされており、肌への作用が緩やかな表現を選ぶこととされています。
まとめ
目元用美容機器は医療機器ではないため、雑貨として区分されています。
目元用美容機器は手に持って使用するタイプやハンズフリーのタイプ、温感タイプや電磁波を使うタイプなど、求めている作用によって使い分けることが出来るのが特徴です。
一方で、目元用美容機器は雑貨に分類されますが、「たるみが改善される」、「しわが消える」などの、薬機法に触れる表現を謳うことはできません。どうしてもその効果を商品の付加価値としたい場合には、使用感やスキンケア効果、使用方法などとして言い換えることで、商品のイメージを印象付ける方法をとることがおすすめです。
※違反例、言い換え表現についてはあくまで参考として捉えてください。表現の違反等の判断については最新の情報を常にアップデートして頂くことが大切です。また、各都道府県の薬務課によって見解が異なりますので、ご理解頂きますよう宜しくお願い致します。