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薬機法 景品表示法 便秘対策

便秘対策製品に関する薬機法・景品表示法

薬機法 景品表示法 便秘対策

便秘とは、慢性便秘症診療ガイドライン2017にて「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」であると定義されています。 慢性的な便秘の症状は、生活の質に影響しますが、多くの人が市販薬や民間療法を用いて患者自身で対処していることが多くなっています。

本記事では、医薬部外品や健康食品などの便秘対策製品の広告表示における注意点を解説していきます。

 

薬機法、景品表示法における広告表示の規制

薬機法において、医薬品等の広告という項目で医薬品等の誇大広告について規制が設けられています。

第六十六条 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。  医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の効能、効果又は性能について、医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、又は流布することは、前項に該当するものとする。  何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品に関して堕胎を暗示し、又はわいせつにわたる文書又は図画を用いてはならない。

出典:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律

医薬品等の効能効果について、虚偽又は誇大な広告表現を行いそれを拡散することを禁止しています。 また、不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)では下記のように不当表示について規制を設けています。

第五条 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。  商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの  商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの  前二号に掲げるもののほか、商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがある表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認めて内閣総理大臣が指定するもの

出典:不当景品類及び不当表示防止法

消費者の選択に相当な影響を及ぼすような不当なものは認められません。

薬機法及び景品表示法より、便秘対策製品について、便通を良くするような効果がないのにも関わらず、効能効果として便通が良くなる旨の表示を行うことは、虚偽誇大表示、不当表示として規制されます。

 

便秘対策に関する表現:医薬部外品について

医薬部外品における便秘対策製品については、平成16年7月16日薬食発第0716002号医薬食品局長通知「一般用医薬品から医薬部外品への移行措置に係る薬事法施行令の一部改正等について」の中で下記のように示されてます。

12.医薬部外品「整腸薬」について 【「整腸薬」とは】 指定告示第2号(15)に掲げるものであり、腸内の細菌叢を整え、腸運動を調節することが目的とされているものであって、内用剤であるもの。 【対象範囲】 一般用医薬品としての承認を取得しているもののうち、施行日の時点において、次のすべてをみたすもの。 1 配合成分として別紙12の成分のみを含むものであって、かつ、別紙12において各成分の配合量の上限が定められているものについては、その範囲にあるもの。 なお、別紙12に掲げられていない成分を添加剤として配合している製品又はそれに相当するものとして配合されている製品も含まれる。 2 効能効果が以下の範囲であること。 整腸、便通を整える、腹部膨満感、便秘、軟便(腸内細菌叢の異常による症状を含む) 3 経口的に服用するものであること。 ただし、煎じて使用するものを除く。

出典:一般用医薬品から医薬部外品への移行措置に係る薬事法施行令の一部改正等について

配合成分について一定の条件を満たし、効能効果に便秘が含まれるものは、医薬部外品として認められています。従って、条件を満たす医薬部外品に関しては、便秘の表現をすることができます。

便秘対策に関する表現:特定保健用食品について

特定保健用食品は生理学的機能などに影響を与える食品であり、消費者庁長官の許可を得ることにより、特定保健用食品である旨の記載ができるようになります。 表示例として「血糖・血圧・血中のコレステロールなどを正常に保つことを助ける」、「おなかの調子を整える」などの保険機能表示があります。 便秘に関する表示例としては「お腹の調子を整える」、「お通じの改善に役立ちます」、「便通を改善します」などが挙げられます。

便秘対策に関する表現:機能性表示食品について

特定保健用食品と同様に保健機能を表示することのできる食品であり、機能性の評価は、製品の臨床試験または製品や成分の文献調査によることが決められています。 便通改善に役立つと評価された乳酸菌などの成分が含まれた製品について、「便通改善」の保健機能表示が認められています。

その他の健康食品等における便秘に関する表示について

健康増進法における「健康保持増進効果等」について、「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」では下記のように記載されています。一部を抜粋します。

(1) 「健康の保持増進の効果」 「健康保持増進効果等」は、「健康の保持増進の効果」と「内閣府令で定める事項」2に分類 できる。「健康保持増進効果等」のうち、「健康の保持増進の効果」とは、健康状態の改善又は 健康状態の維持の効果であり、具体的には、例えば、次に掲げるものである。 ア 疾病の治療又は予防を目的とする効果 例:「糖尿病、高血圧、動脈硬化の人に」、「末期ガンが治る」、「虫歯にならない」、「生活習慣病予防」、「骨粗しょう症予防」、「アレルギー症状を緩和する」、「花粉症に効果あり」、「インフルエンザの予防に」、「便秘改善」 なお、前記(1)アのような医薬品的な効果効能を標ぼうするものは、医薬品医療機器等法上の医薬品とみなされ、野菜、果物、調理品等その外観、形状等から明らかに食品と認識される物を除き、原則として、医薬品医療機器等法上の承認を受けずにその名称、製造方法、効能、効果に関する広告をしてはならない(医薬品医療機器等法第 68 条)。したがって、前記(1)アに掲げる健康保持増進効果等の表示は、当該表示が著しく事実に相違するものであるか、著しく人を誤認させる表示であるかを問わず、医薬品としての承認を受けない限り、表示することはできない。

出典:健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について

このように、保健機能表示の認められていない健康食品等について、便秘改善などの便秘対策に関する表示を行うことは、薬機法上認められません。 つまり、便秘、便通、お腹、腸、スッキリ(お腹や腸をイメージさせるような内容)などの言葉は医薬品的な効果や保健機能表示として誤認させる恐れがあるので使用できません。

まとめ

便通改善など便秘対策を表示することは、特定保健用食品などの一定の基準を満たしたものや医薬部外品に関しては認められていますが、その他の健康食品等で同じように便秘対策に関する表現をすることは景品表示法に抵触する恐れがあります。 また、疾病の治療や予防を目的とする効果の表示は、その表示が事実と相違があったり消費者を誤認させる恐れがあったりすることに関わらず、医薬品としての承認を受けない限り表示することはできず、薬機法に抵触する恐れがあります。


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