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化粧品 健康食品 物流 倉庫 保管

化粧品・健康食品の物流において倉庫保管の注意点

化粧品 健康食品 物流 倉庫 保管

近年は過剰在庫による製品の品質の劣化リスクや人手不足による事業の縮小のリスク、機動性の確保などにより、資産をできる限り持たず外部委託する「持たない経営」と絡めた物流戦略の構築が増えています。持たない経営と絡めた物流戦略を「物流アウトソーシング」といいます。物流アウトソーシングでは、在庫管理などを物流の専門家集団が代行してくれるため、過剰在庫や人手不足などのリスクを回避することを目的にしています。

化粧品・健康食品の倉庫保管で確認すべき項目

化粧品・健康食品の倉庫管理で確認すべき項目は以下の5つです。

  • 保管温度
  • 消費期限管理・ロット管理の可否
  • 必要な免許
  • 定期便への対応
  • ノベルティ、サンプル商品の出荷可否

安定して品質の高い商品を提供するために化粧品・健康食品の倉庫保管について積極的に理解を深め、適切な倉庫会社を選定しましょう。

保管温度

倉庫での温度管理の基準として、「3温度帯」、「4温度帯」という区分方法があります。3温度帯は、「常温」、「冷蔵」、「冷凍」の三つの温度帯のことで、そこに「定温」を加えた区分方法が4温度帯です。化粧品や健康食品はこの内の「定温」で保管する必要があります。「定温」とは一定の温度で保つことで、温度帯としては10℃から20℃です。定温倉庫では温度と湿度の管理が可能で、カビや害虫の発生を抑える効果があります。

消費期限管理・ロット管理の可否

化粧品や健康食品には消費期限が設定されているものがあります。消費期限に余裕のある商品を安定的にお客様へ届けるため、消費期限管理は必須になります。また、化粧品を保管する場合、ロット管理が法律で定められています。医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の第六十一条において、製造番号または製造記号の記載が求められています。商品によっては長期間の保管をすると酸化などで成分が変わってしまう可能性もあるため、ロット管理を元に先入れ先出しを行う必要があります。

必要な免許

化粧品について、法定表示が記載されたラベルの貼付やアッセンブル・ パッケージング、添付文書の同梱をするには化粧品製造業許可(包装・表示・保管区分)という免許があります。そのためセット商品のセット組みをしたい場合は化粧品製造業許可を取得している倉庫会社を選定しましょう。化粧品製造業許可を取得するためには責任技術者がいる必要があり、責任技術者がいることで出荷判定がスムーズに行えるメリットがあります。

定期便への対応

化粧品・健康食品の定期購入サービスを導入する場合、定期購入の発送に対応できることも重要なポイントです。初回・2回目・3回目以降で商品ノベルティを変えるサービスを行う対応は継続率にも大きく関わります。また、回数だけでなく誕生月など特定の月にのみサンプル品を送付するサービスも取り入れる場合、柔軟な対応が可能な倉庫会社を選定すると効率良くサービスを提供できます。

ノベルティ、サンプル商品の出荷可否

新商品の試供品をノベルティとして購入商品と一緒に梱包・発送したり、初回限定のサンプル商品を発送したりするサービスを行う場合、セット組みの対応が可能であることも重要な倉庫会社選定基準となります。倉庫会社によっては、このようなセット組み出荷に対応していない場合もあるため、事前にしっかり確認すべき点です。

危険物の取り扱いにも注意!

危険物に該当する物質が一定以上含まれる製品は、一定の基準を満たす危険物を取り扱える施設以外の場所での保管・取り扱い・輸送を行うことはできません。そのため、危険物に該当する製品を国内保管する際は注意が必要です。危険物に関連する法律は、総務省・消防庁が管轄の消防法、国交省が管轄の海上法、航空法で定められています。

危険物にはどんなものがある?

危険物に該当する物質は主に以下のようなものが挙げられます。

  • アルコール
  • オイル
  • アセトン
  • エアゾール

・・・など

製品内の成分容量により、危険物に該当するかどうか決まり、消防法上の危険物かどうかは消防庁のHPからフローチャート分類によって確認することができます。

化粧品・健康食品にも危険物にあたる製品がある

化粧品や健康食品にも、一般的な化学物質と同様、法令上の危険物に該当する可能性があります。原材料のいずれかが以下に当てはまる場合、製品そのものも危険物として規制の対象となります。

  • それ自体は燃焼しないが、他の物質を強く酸化させる酸化性固体
  • 火炎により着火しやすい固体
  • 比較的低温(+40℃未満)で引火しやすい可燃性固体
  • 自然発火性物質
  • 禁水性物質
  • 引火性液体
  • 自己反応性物質
  • 酸化性液体

・・・など

日常生活で当たり前のように使用している製品にも危険物に該当するものがあります。具体的には香水やネイル、クレンジングオイル、ヘアオイル、除光液などのアセトン製品、スプレー缶などのエアゾール製品等々です。使用上の危険があるというわけではありませんが、倉庫保管する上では規制対象物に対する保管基準を満たした危険物倉庫で保管する必要があるため、注意が必要です。

危険物倉庫とは

危険物倉庫とは「消防法」によって定められている「危険物」とされる物を保管する施設のことを指します。危険物を扱う倉庫を利用するためには、法律に従い、施設の設備や管理者に確認した上で、消防庁か他の定められた機関に貯蔵・取扱の種類数量を申請して事前に許可を得る必要があります。また、各市町村の条例や規則が定められている場合があるため、消防署への確認も必要です。

危険物倉庫を利用するには

危険物倉庫は位置・設備・構造などで厳しい基準を満たしていなければなりません。さらに危険物の取り扱い体制や保安体制も厳しい基準を満たした上で、消防機関と協議し、許可を得ることで、ようやく建設が可能になります。そのため、危険物倉庫の建設には時間・お金・手間がかかります。自社倉庫ではコストがかかりますが、倉庫会社・物流会社の中には危険物倉庫も保有している会社があるため、「危険物」に該当する製品を取り扱い、保管する場合は危険物倉庫を保有している倉庫会社を選定することで、危険物倉庫を利用することができます。危険物倉庫を保有している倉庫会社にはそれぞれ様々な特徴があるため、実績や自社にマッチしたサービスを提供している倉庫会社を探しましょう。

まとめ

本記事では化粧品・健康食品の倉庫管理を行う上での注意点をまとめました。化粧品は人体に触れるものであり、健康食品は摂取することで人体に取り込まれるもです。そのため、多くの安全基準が設けられていることや、危険物に該当する製品は法律でも保管の基準が定められていることがわかりました。化粧品・健康食品の倉庫保管を検討している場合は、ぜひ本記事を参考に、最適な倉庫管理方法を選定して適切に運用してください。


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