化粧品OEMでオリジナル化粧品を製作した後、その化粧品を物流し、商品として実店舗やオンラインショップなどで販売されます。
オリジナル化粧品を物流する際には、発送代行会社へ依頼することが多いかと思います。
発送代行と聞くと、ただ商品を顧客の元へ届けるだけ?と思われがちですが、発送代行会社は数多くの業務をこなしているのです。
そこで本記事では、化粧品OEMで製作した商品の物流、発送代行会社の説明や選ぶポイントなどについて詳しく解説していきます。
3PL(サードパーティー・ロジスティクス)とは
3PL(サードパーティー・ロジスティクス)とは、商品の物流を第三者企業に委託することをいいます。
多くの企業が物流業務に関して悩みを抱えていました。物流に必要なトラックなどの交通手段、商品を保管しておく倉庫、人員の確保など。このすべてを揃えるとなると、大きなコストと相当な時間がかかってしまいます。
そこで、こうした物流業務を外部に委託しようという選択肢が注目されるようになりました。
3PLには「アセット型」と「ノンアセット型」の2種類があります。
アセット型は自社で倉庫管理や輸送、物流拠点などを所有しており、人員や施設もすべて自前です。
ノンアセット型はそれらを所有しておらず、倉庫業者や輸送業者へ委託します。
化粧品を扱う際に必要な許可
近年、化粧品の製造を海外で行うメーカーが増えてきており、「海外で製造した化粧品のパッケージを交換したい」といったニーズがあります。
化粧品の包装、ラベルの貼り付け、保管といった流通加工を行う業者は、「化粧品製造販売業許可」の取得が必要になります。許可を持っていることでニーズに応えることができ、パッケージの変更や説明書の封入、化粧品の保管などの対応が可能になります。
また、自社が作業する手間がなくなるため、時間を有効活用できるでしょう。
化粧品発送代行の内容
発送代行会社は以下のような作業を行います。
- 化粧品を適切な環境で保管
- 化粧品箱の入れ替え・シュリンク包装
- 生産ロット数の管理
- 有効期限の管理
- 法律指示に基づく成分ラベル貼付
- 試作品の仕分け
- ピッキング・梱包・発送
発送代行会社は、商品を保管→梱包→発送するだけではありません。在庫管理やリピートアップに繋がるための同梱物施策、ラベルの張り替えなど、スピーディーな対応力が求められます。
そのため、化粧品を取り扱う企業は、発送代行業者を慎重に選ばなければなりません。
発送代行会社の取り扱い可能な商品
発送代行会社の取り扱うことができる商品の例です。
作りたい化粧品を取り扱うことが可能か、発送代行会社に事前に確認しましょう。
- スキンケア化粧品
- メイクアップ化粧品
- ボディ化粧品
- UVケア化粧品
- ヘアケア化粧品
- 入浴剤・フレグランス
- ポーチなどのグッズ
化粧品発送代行を依頼するメリット
化粧品を発送代行会社に依頼するメリットは、商品の管理から包装、出荷まで一括で委託できることです。自社に商品の管理スペースや管理システムがない場合、在庫を抱え込まずに済むので、商品を大量に流通できます。
ノンアセット型のように、工場と物流を分けて委託するケースもあります。
アセット型は、すべての工程を1カ所でまとめて行えますが、何らかのトラブルがあった場合はリスクが集中してしまうことが考えられます。
しかし、トータルで掛かる費用を抑えられ、出荷までのスピードの速さを考えれば、大きなメリットとなります。
化粧品管理や梱包のニーズ
発送代行会社は化粧品の管理や梱包などに関わる、このようなニーズに対応することが可能です。
- 全国の卸先へ配送および在庫管理を考えている
- 化粧品を箱へセットしてほしい
- 連携先OEM会社からの製品入荷とパッケージ梱包、在庫管理を頼みたい
- 化粧品の梱包や、発送まで行える発送代行会社を探している
- 注文時に個別のお客様への発送代行をお願いしたい
- 化粧品サンプルの商品セット組み、梱包をお願いしたい
全ての業務をお願いするだけではなく、業務を部分的に依頼することもできます。
発送代行会社を選ぶポイント
発送代行会社を選ぶポイントについて、5つを解説します。
化粧品には適切な温度管理が大切です。物流センター内に空調設備が設置されているかどうか確認しましょう。
最近は常温庫に24時間稼働のエアコンを使用する物流会社が増えてきました。化粧品の品質を守るためにも適切な環境か、清潔感があるかどうかを実際に現場へ行き、確認してみると安心です。
化粧品には「ロット番号」「販売名」「製造販売業者」といった製造に関わる情報を、化粧品を入れる箱や容器に表示する義務があります。化粧品にトラブルや不良品が見つかった際に購入者を特定し、問題のあった化粧品のみを回収することができます。
また、購入者に対する品質保証やブランドを守るために「トレーサビリティ」を確立することで信頼の担保に繋がります。
※トレーサビリティとは
「いつ製造・生産された商品か/どこの倉庫から誰に届けられたのか/在庫はいくつ残っているのか」という商品の生産から販売の流れを追跡することです。化粧品業界に限らず、食品業界や製造業、販売業など流通に関わる業界全体に浸透しています。
正確な流れで、倉庫に保管されている化粧品を古いものから出荷し、保管期間をなるべく短期間に抑える管理方法ができるかどうかも重要です。
また、「次の生産タイミングはどうしようか」「どのくらいの量を生産しようか」ということを判断するうえで大切なのがタイムリーな在庫数を把握することです。発送代行側の連携システムを確認することをおすすめします。
化粧品製造だけではなく、化粧品の包装・表示・保管にも「化粧品製造販売業許可」が必要です。これにより、化粧品の小分けやラベル貼り、説明書を封入したりといった作業が可能となります。
また、医薬部外品を扱う場合は「医薬部外品製造業許可」が必要です。
これらの許可がないと、包装・表示・保管などの各工程で、しっかりとした衛生・安全管理体制が取られているかどうか保証がありません。
化粧品はオンラインショップや通販で販売する方法や、薬局ドラッグストアやデパートなどの実店舗で販売する方法があります。
そのため、B2CやB2Bに対応できる発送代行業者を選ぶことがポイントです。B2C出荷とB2B出荷を1つの業者で行うことで、在庫数の最適化や在庫を保管する費用の削減ができるといったメリットがあります。
※B2C(B to C):企業と一般消費者の取引/B2B(B to B):企業間の取引
化粧品業界は商品の入れ替わりが激しく、種類も多いです。
化粧品メーカーが少量の商品を頻繁に配送することを「多頻度小口配送」と呼ばれ、幅広い品揃えと、必要な量の配送が求められます。多頻度小口配送が多い化粧品は、商品の受注から配達までのリードタイムが短くなる傾向があるため、トラック輸送を自社で行っているアセット型の発送代行業者なら、スピーディーに対応してくれます。
また、梱包方法やサンプル、チラシの同梱についてアドバイスや的確な提案をしてくれるかどうかもポイント。
こうした点も、商品の物流をスムーズに行うための考慮すべきポイントです。
商品の物流の最終目的は、消費者に満足してもらうことです。
そのためには、一生懸命作ったオリジナルの商品を、信頼できる発送代行業者を探すことが大切です。
まとめ
本記事では、化粧品OEMで開発した化粧品の物流や発送代行会社の説明、選ぶポイントなどについてご紹介させていただきました。
ぜひ参考にしていただきながら、自社に合った発送代行会社を選んでくださいね。
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