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化粧品向上の5S、衛生管理

化粧品工場の5S 衛生管理のすべて

化粧品向上の5S、衛生管理

本記事では、化粧品工場の衛生管理について解説していきます。

化粧品工場はどんな場所?

化粧品工場で働く作業員に特別な資格は必要なく、初心者でも問題なく働くことができます。 とはいえ、人の肌に直接触れるものを製造するため、様々な注意が必要な業種とも言えます。 製造工程は、大きく分けて3つで成り立っていますが、衛生面などの管理は特に大切です。

化粧品工場の業務内容

  • 製造する化粧品の原料検査や管理 使用期限や使用が禁止された材料ではないかを調べます。
  • 化粧品そのものを製造する 機械でのライン作業だけではなく、異物が入らないよう注意することや、機会のメンテナンスも必要です。
  • 化粧品を容器に入れ替え発送 出来上がった様々な形状の容器に入った製品を、箱に入れていきメーカーや店舗に発送します。

先にも述べたように、化粧品は直接人の肌に付けるものであるため、材料の劣化や保存状態、衛生的な品質管理などは、どの工程においても非常に重要です。

5Sとは? 衛生管理の基本

「整理」、「整頓」、「清掃」、「清潔」、「躾(しつけ)」=すべて「S」で始まる5つの言葉で、職場環境の改善や維持のため、主に製造業などで使用されています。

学校の先生や大人が子どもに使うような、生活する上で基本的な言葉ですが、企業の建て直しや新規事業を立ち上げる際にも取り組まれているとても重要な用語です。 人数が多い職場や工場では、業務の効率化を図るため効果的な取り組みであるため、日本の大手企業~中小企業まで、幅広く導入されています。

整理

「整理する」ということは、仕事上の必要なものと不必要なものを分類するということです。 事務デスクに書類が溜まってしまい、どこに必要書類があるかわからなくなるという状況では、効率が良い状況とは言えません。 同じように、化粧品工場では薬剤が煩雑に置かれている状態での作業は効率が上がりません。

それだけではありません。 誤って混合すれば商品価値がなくなるばかりでなく、化学反応を起こし危険な状況にならなくもありません。要るものと要らないものが整理されている状態であれば、必要なものを時間をかけることなく探せ、無駄な動きが少なくなることに繋がり、それは作業効率が上がると言えます。

つまり仕事をする上で「整理」を心がけるためには、新しいか古いか、現状として必要か否かなどを見極めるための基準が最も大切になります。

整頓

「整頓」は、整理され分けられた必要なものを、使用頻度によって継続させるための方法を考える事です。 一度使用したものを元に戻さずにおき、別の人が使う時にそれが見つからないと、そこで探す手間、時間、労力が発生します。 これは非常に無駄なこととは思いませんか? そのためには、必要なものを使用する際、効率よく使えるような状態を維持することが重要です。

例えば、よく使うものはそのものの置き場所を決めて、使った度に必ずそこへ戻すといったルールを決めて、それを習慣化していくといった取り組みを、社内、工場内で継続していくのです。

外国人や新人でもその都度わかるように、共有利用のものは「置き場に名前を付けておく」や、「使用頻度の高いものは使いやすい位置に配置する」といった、置き場が変わらないよう同じ場所に戻す方法を考えて工夫することで、より一層効率の良い仕事が出来ることとなるでしょう。

清掃

「清掃」はその名の通り、学校で子どもの頃に誰もが経験している、掃除をすることです。 「整理」、「整頓」後、さらに美しい状態で継続するためには、決められたルールの通りに掃除をして行くこ とを習慣化し、「清掃」の意識を忘れないことと言えるでしょう。

また、建物の外(屋外など)にも清潔を維持するための要因があります。 例えば、虫です。カップラーメンやお菓子に異物として混入しているものの報告が消費者から製造会社にあるのですが、その中にビニール片やプラスチック片の他に、虫があります。

化粧品工場においても、虫がどこから工場内に入るかは、そこで働いている方にしかわかりません。単純に窓が開いているからか、建物が古くなりどこかに隙間ができてしまっているか、また、不潔な状況から虫が工場内で卵から成虫になっている場合もあるかもしれません。 身近にあるものを「整理」、「整頓」をする以外に、建物のまわりに目を向けることも忘れてはならないと言えます。

清潔

「整理」、「整頓」、「清掃」を実施し、それらをマニュアル化していくことが、「清潔」に当たります。 業務するうえで、ひとつひとつは単純な作業ですが、積み重なるとどこかで手を抜きたくなるのが人間です。同じ会社で働く者同士、誰が行おうと同じレベルで維持できるようなマニュアルやチェックリストを作成することにより、綺麗さの保ち方、衛生管理の意味を改めて認識していくことが大切です。

「躾(しつけ)」とは、社会の中で子どもの行き過ぎた行為を大人が戒める事のような言葉ですが、そもそも仕事というものも、たくさんの人々が集まった社会の場で活動していくことという意味では、子どもを取り巻く環境と何ら変わりのないものではないでしょうか。 「5S」の「躾」は、マニュアル化した清潔さ=「綺麗化持続方法」を、習慣化した環境にしていくことです。

例えば、「5S」活動を会社のプロジェクトとして始めたとします。多くの人は、初めは興味深く行う事が多いと思いますが、段々と意識が薄れひどい場合以前より悪くなったという最悪な状況もあり得るのです。このような状況を避けるには、作成マニュアルの内容やその活動に無理がなく、自然と根付いて行くような継続維持が理想です。 マニュアルにより決められたルールを、工場内、社内で働くすべての人が理解することでそれが継続のカギとなり、それは大きな組織力にもなっていくのです。

「5S」は化粧品工場では特に重要

2014年に薬事法が改正され、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)となり、2019年にさらに改正が加えられました。 以下の項目は、化粧品工場「5S」を行う上で特に遵守すべき法律です。

第六十五条 次の各号のいずれかに該当する医療機器は、販売し、貸与し、授与し、若しくは販売、貸与若しくは授与の目的で製造し、輸入し、貯蔵し、若しくは陳列し、又は医療機器プログラムにあっては電気通信回線を通じて提供してはならない。
 その全部又は一部が不潔な物質又は変質若しくは変敗した物質から成っている医療機器
 異物が混入し、又は付着している医療機器
 病原微生物その他疾病の原因となるものにより汚染され、又は汚染されているおそれがある医療機器
 その使用によって保健衛生上の危険を生ずるおそれがある医療機器

出典:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律

まとめ

ここまで、「5S」について説明してきましたが、この活動は、我々が子どもの頃から教育を受けているものと同じような基本的な社会活動であり、それだけではなく、企業の立て直しや見直しの効果が上がるとして注目されています。さらに、その維持継続にはしっかりとした対策が欠かせなく、効果を上げるには「5S」最後の「躾(しつけ)」までの取り組みが非常に重要となります。

一般の企業よりも、化粧品業界のような衛生管理を徹底しなければならない製造会社には、今以上にこの「5S」活動を取り入れることが必要不可欠と言えるでしょう。


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